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お化け屋敷から戻ってきた後、キャラクターハウスはいつもより静かだった

俺は共有スペースの椅子に座り、無意識に手を握ったり開いたりしていた

あの時のリーザの目が、頭から離れない

カルロ

…あ

俺が気づいた頃には、ナイルがいなかった

いつもなら、真っ先に冗談を言って場を和ませるはずなのに、食堂にも、廊下にも姿が見えなかった

カルロ

まさか…!!

俺は嫌な予感して、急いで外へ出る

遊園地は相変わらず「楽しそう」だった

その脇で、ナイルが一人立っていた

観覧車を見上げたまま、動かない

カルロ

…ナイル?

声をかけると、肩がぴくりと揺れた

ナイル

おっ、カルロ!

振り返った顔には、いつもの笑顔が貼り付いている

でも、目だけが落ち着いていなかった

カルロ

どうかしたのか?部屋にいないから…

ナイル

別に?ちょっと風に当たってただけ

軽い口調だが、俺は嘘だとすぐに分かる

カルロ

まさか、さっきのこと…気にしてる?

ナイル

…気にしない方が変だろ

ナイルが小さく笑う

カルロ

俺さ、ああいうの見ても平気なタイプだと思ってたんだ

ナイル

リーザが追いかけてきた時…一瞬、羨ましいって思った

カルロ

……は?

俺は思わず聞き返す

ナイル

だってさ。あいつ、もう迷ってない

ナイル

帰りたい、名前が欲しい、って。壊れてても、目的は一つだ

ナイル

俺はどうだ?怖くないフリをして、正気っぽく振る舞って…

ナイル

でも、本当は何も思い出せていない

その言葉は、重かった

ナイル

思い出したら、どうなるかわからない

ナイル

だから笑って、考えないようにしているだけだ

カルロ

…ナイル

ナイル

なぁ、カルロ

カルロ

…なんだ?

ナイル

俺がさ、ある日突然お化け屋敷にいたら…その時はちゃんと止めてくれる?

カルロ

当たり前だろ

即答すると、ナイルは少し驚いた顔をした

ナイル

即答かよ

カルロ

当たり前だろ、お前があの時、俺を助けたんだ

夜、名前を呼ばれたとき

あの時、ナイルが来なければ、今頃どうなっていたか、わからない

カルロ

だから、今度は俺の番だ!

そう言うと、ナイルはゆっくり笑った

ナイル

…ありがと!

その笑顔は、いつもより弱かった

その時、遊園地のスピーカーから明るい声が響く

ロラン

みんなー!今日も楽しく過ごせているかなー?

ロランだ

ロラン

もし、不安なことがあったら、考えすぎないのが一番だよ!

無邪気な声だが、今でははっきり分かる

それは慰めなんかじゃない

思考を止めさせる言葉だ

ナイルは、ロランの声が止むまで、じっと黙っていた

ナイル

なぁ、カルロ

カルロ

ん?

ナイル

俺さ。この世界、嫌いじゃない

ナイル

怖いけど、現実よりわかりやすい

カルロ

……

ナイル

勝てば進み、負ければ壊れる。シンプルだ

それは、危険な考え方だ

ナイル

でも、お前がいると、戻らなきゃ、と思えるんだ

その一言が、胸に刺さる

観覧車が一周して止まり、光が一瞬消えた

その暗黒の中で、俺は確信した

ナイルはもう、ひび割れ始めている

笑顔でいる時間が長いほど、壊れるときは、早い。

カルロ

…帰ろう。今日の話はここまでだ

ナイル

だな

二人並んで、キャラクターハウスへ戻る

背後で、遊園地の音楽がまた鳴り出す

俺は強く思った

次に誰かが壊れるとしたら、それはナイルかもしれない

そして、

自分はそれを止められるのか

その答えは、まだ見えなかった

ハッピーエンジョイランド

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