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さようならは言わないで【一時打ち切り】

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さようならは言わないで【一時打ち切り】

12 - 第10話 過激派の○○

♥

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2021年10月23日

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葵空美鈴

……ん、

目を開く。

葵空美鈴

(……嗚呼、気絶していたんだっけ。)

ガシャンッ!!

葵空美鈴

……あれ…?

動こうとしたら身動きが取れない。

葵空美鈴

これはこれは……

手が鎖で繋がれていた。 鎖はとても短く、かつ壁に取り付けられている。

とてもじゃないが、 断ち切れそうにはない。

葵空美鈴

…ふむ。(まぁ、私なら解けるけど。それに…いざと言う時は関節を外せば良いし…)

私ならこんなの余裕だ。

葵空美鈴

………。

…辺りを見回すが、ただの船室だ。

……まぁ、1人も人が居ないのだが。 神楽ちゃんも居ないし、 また子ちゃんも居ない。

葵空美鈴

さてさて、どうしたものかねぇ…

くわぁ…ッッ、と欠伸をする。

高杉

…この状況で欠伸するたァ…
…………余裕だなァ、美鈴

声が船室に響いた。

葵空美鈴

…嗚呼、高杉じゃないか。
…久し振りだねぇ。祭り以来かい?

高杉が船室の壁に寄り掛かっていた。

葵空美鈴

…ところでこの鎖を解いて欲しいのだけど?

高杉

…それで解くとでも?

葵空美鈴

思わないねぇ。

両手が壁に貼り付いた鎖に巻き付けられて、 両サイドに縛り付けられている。

葵空美鈴

…ところで、神楽ちゃんは?

高杉

神楽…あァ、彼奴か。…別の船室に居る。お前は別の船室にした。

葵空美鈴

…弾丸を抜いてくれた事の御礼でも言えば良いのかい?

そう、腹の銃で撃たれた所。

体内の中にナニカがある気持ち悪さが 無くなっている。

……大方、私が眠っている間に麻酔を打って弾丸を抜いてくれたのだろう。 ……まぁ、何でそんな事してくれるのか分からないけどね。

高杉

別に良い。
それよりまだ包帯巻いてねェ

よく見ると、 高杉は包帯を持っていた。

そして、近付いてくる。

葵空美鈴

(…え、巻いてくれんの??)

葵空美鈴

(優しいねー…)

葵空美鈴

(じゃなくて!!!!!)

葵空美鈴

(高杉が巻くの?!?!まぢ?!どんな羞恥プレイだよ!!)

葵空美鈴

(無理無理無理無理無理無理!!!!!)

……流石の私にも羞恥心はある。

葵空美鈴

ちょっ、お、落ち着こうか高杉現状を冷静に分析しようそう分析ね分析。

葵空美鈴

私は腹に傷を負っている。腹に。そして、包帯を巻いていない。

葵空美鈴

君はそこに包帯を巻こうとしている。腹だよ???つまりセクハラだよ??

葵空美鈴

しかも私は身動きが取れない状態だよ??良いのかい君は世間体変態になるのだよ??

葵空美鈴

良いのかい本当にそれで後悔しないのかい???

高杉

クククッ……動揺してんなァ

ちょっと笑わないでくれるかい?! そして近付かないでくれるかな?!

葵空美鈴

ちょっ私にも羞恥心はあるの今まで自殺しかしてこなかったから免疫無いし!

葵空美鈴

だから服を捲らないで!一旦話そう!!!一旦話そう!!!

高杉

うるせェ、包帯を巻くだけだろうが

楽しそうに高杉が言う……… いや私Mじゃないから嬉しくない!!

_____が、そのまま問答無用で包帯巻かれた。羞恥プレイだ…。

葵空美鈴

……はァ、やっと巻き終わったね。
さぁさぁ離してくれるかな???

高杉

あァ、いいぜ?

高杉が包帯を巻き終わり、そのまま離れようとした…が。

_______スルッ

葵空美鈴

、っうひゃ!?

腹をスルリと撫でられた。 ………体のラインを撫であげる様に。

高杉

良い声出すじゃァねェか

妖しげに笑う目の前の隻眼野郎に殺意が湧くと共にぞくっ、と悪寒がした。

葵空美鈴

へっ変態!!!!君!!!!!まじで!!!

唯一自由な足で蹴ったが、ヒラリと避けられた。ちょ、こんなに殺意抱いたの初めてなんだけど。

葵空美鈴

…高杉、君ね__

高杉

……なァ、美鈴。

葵空美鈴

話を遮らないでくれるかな!?
なんだよ!?

少し、高杉が真剣そうな声音で話しかけてくる物だからイライラとしながらも対応する私を褒めて欲しい。

葵空美鈴

(…てか、改まって急にどうかしたのかな?)

高杉

…お前、鬼兵隊に入らねェか

葵空美鈴

…………はっ!?

この問い掛けには少し…嫌かなり驚く。

葵空美鈴

どうして?……嗚呼、私の頭脳が欲しいとか?それか私の危機回避能力が欲しいのかな?

とりあえず、私問い掛けを問い掛けで返す。

高杉

……そんなのじゃねェよ。
……俺がお前を気に入ったからだ

……え、うんごめんなんて?

葵空美鈴

……え。気に入ったって言った?
高杉が?私を?

葵空美鈴

………え何で????

高杉って攘夷浪士だし真撰組の私を気に入るなんて…

総悟がトシを好きになる位無いと思うんだ。つまり絶対に無いんだ!!

葵空美鈴

まぁ、高杉は攘夷浪士とは少し違うけど

高杉

ほォ…何でそう思う?

高杉の唇が、弧を描いた。 ……高杉が笑うの何か怖いな…

葵空美鈴

祭りの時からずっと思っていた…高杉は天人を消して昔の江戸を取り戻そうだなんて思ってないだろう?

葵空美鈴

そんな生易しい物じゃない。

葵空美鈴

江戸を…この国を滅ぼそうとしてるのかな?もっと壮大にして壊すとか!

混乱に陥れる様な動き、 人が巻きこまれても構わないという言動…

同じ攘夷浪士である桂君とは、 明らかに動きが違うのだ。

高杉

流石、とでも言っておくか。

高杉

俺は攘夷活動なんざどうでも良い。
…ただ世界をブッ潰すだけだ

葵空美鈴

(うわあー、壮大な夢だぁ…。)

葵空美鈴

ふふ、じゃあ私は君が世界をぶっ壊す前に安全な自殺をしないとね

ニコニコして言うと、高杉はまた笑った。面白くてたまらないとでも言う様に。

高杉

やっぱり勧誘して正解だなァ……俺と来い、美鈴。

高杉

世界壊すなんつー大層な事成し遂げるんならイカれた奴が必要だ

葵空美鈴

何イカれてるって?喧嘩売られてる?

高杉

馬鹿、違ぇよ。
お前を見初めたっつってんだ

葵空美鈴

なるほど…?つまりは…

高杉

あぁ___俺の船に乗りなァ、美鈴

わあ…熱烈ー。これは完全に口説かれてるなぁ……光栄な事だ。

でも、さ

葵空美鈴

悪党さんに口説かれても私は靡かないよ?

やっぱり、お断りだよね。

高杉

……まァ、そうだと思ってたがな…ハナから受けられると思って話してねェ

葵空美鈴

えッッ!?じゃあ何で誘ったのさ?!

……どうするかねェ…

と言っても、私は真選組だからな。一応の敵対組織に入るのはチョット…それに、

葵空美鈴

申し訳ないが、私は今の居場所が気に入ってるんだ。

葵空美鈴

誰に勧誘されようと、どんな好条件で組織に推薦されようと、

葵空美鈴

私は真選組から乗り換えない。真選組にどっぷりハマらされたんでねぇ

高杉の目を真っ直ぐ見つめて、 言う。

そのまま挑戦的に笑うと、 高杉は目を見開いた後興味深そうに目を細めた。

葵空美鈴

……あ!!

葵空美鈴

それより祭りの時に約束した安全な自殺の仕方の本を探してくれるっていう奴!

そうそう、忘れる所だった!

次会うまでには探しといてやる、って言われて、約束を取り付けたんだった!

高杉

…あァ、そんな事言ってたなァ…

葵空美鈴

うん!言ってたよね!!約束だったもんね?!破ったら切腹だからね!?

いやいや取り消しとかないよね? 無いよね??

葵空美鈴

本は何処に?
あ、この船にはないの!?

うーん、と考えていると、 高杉がフゥッと紫煙をかけてきた。

葵空美鈴

わぷっ!?、ちょっ何するんだい?!

葵空美鈴

私、今安全な自殺の話をしているのだけど!

高杉

ククッ…残念だが、
死なせたくないと思っちまってなァ

へ?死なせたくない、って……

葵空美鈴

えっ、その本を渡したくないって事?!

葵空美鈴

私の為に探してくれたんじゃないのかい?!

不満げにすると高杉はまた笑う。

葵空美鈴

…よく笑うね、高杉は。

高杉

お前が面白いからなァ

私は全く面白くないけどね!!! 私今デートの約束すっぽかされた 彼女の気分だよ!!

葵空美鈴

約束をすっぽかしたからには絶対に捕まえて、切腹させるからね?!ちょっと聞いているの?!

ガシャンガシャン!と鎖を鳴らす。

葵空美鈴

(鎖を外すのにも少し時間が掛かりそうだし……神楽ちゃんも心配だ。新八君もエリザベスも琴葉も気になる。)

葵空美鈴

(そして目的である桂君も何処だろう?総悟やトシにも迷惑かけてるだろうなァ…)

真撰組の事を考えて溜め息をつく。

_________ガシッ

葵空美鈴

むぎゅっ?!

包み込まれる様にして頬を掴まれた。 そのまま引っ張られる。

ガシャンッ、!

体が引っ張られて鎖が音を立てた。

葵空美鈴

ちょ、高杉ッ、どうしたんだい急に?!

前を向くと、至近距離に高杉の端正な顔立ちがあり、息を呑む。

葵空美鈴

たっ……高杉…?!

互いに吐息がかかる距離。

葵空美鈴

(………えっちょ、ちっ近くない??
近いよね?!近い近い近い!!!!)

葵空美鈴

どどっ、どうしたのかな?!

高杉

お前、今何考えてた…?

葵空美鈴

えっ何って…

葵空美鈴

し、真撰組とか、桂君とか、神楽ちゃんとか、琴葉とか、

そこまで言った所で高杉が私の頬に、唇に、耳に…、長く白い指を這わせてきた。

……うん?!?!?!

葵空美鈴

ちょっ、たっ高杉、

葵空美鈴

(ど、どうしよう?!)

慌てていると高杉は私の首元に顔を埋めてきた。

葵空美鈴

なっ、何して、

高杉

うるせぇ、黙ってろ

高杉の低い声が耳のすぐ近くで発せられてピクッと反応してしまう。

高杉

ん…

葵空美鈴

ッ!

耳朶を舐め上げられて、耳の奥までヌルリと舌を入れられた。

葵空美鈴

っ、ぁ、う…

更に耳に息を吹きかけられて力が抜けて、高杉の方へと倒れ込んでしまう。音がくすぐったくて、思わず足をこすり合わせた。

スゥゥゥゥゥゥッッッッッッ おっかさァァァァァァァァァん!!助けてェェェェェ!! って私親いないじゃん。

コホンッ… 琴葉ァァァァァァァァァ!!助けてェェェェェェェェェェ!!

葵空美鈴

高杉……やめッ、

高杉

_____誘ってんのか、てめぇ

何でそうなるのかなぁ?!?!

慌てているうちにどんどん舌は ツゥ______ と下へ流れていく。その舌の動きがまたいやらしいの何の。

そのまま、鎖骨の所まで来ると。

葵空美鈴

あッ、

がぷ、と歯を立てられて。 痛みに反応すると、噛んだ所を労る様に舌で舐められた。

そのまま唇をつけられて、 吸われる。

____チュッ、 と音が鳴った。

……え??待って??吸われた??

って事は……キスマーク…?

葵空美鈴

っんな!!何してくれてんのさっ、跡が残ったら、

高杉

……あァ?知るかよ

跡がついたら大変なので肩を掴むが、掴んだ手すらも握られて有耶無耶にされた。

葵空美鈴

(…直視できないんだけど…っ)

それに顔を逸らそうとしたがガッチリと両頬を掴まれ。

葵空美鈴

……んン、?!?!

唇を、塞がれた。高杉の唇で。

葵空美鈴

(ちゅーしてるっ?!)

葵空美鈴

んんんっ……ふッ、んぅ…ッッ

顔を逸らそうとしたものの高杉の力は思ったより強く抵抗が出来ない。

せめて、べろちゅーされない様に口を閉ざした。

が…

____スルッ

葵空美鈴

ん、んぅ!?

腰を指先でなぞられ、 驚いて口を開けてしまう。

そしてその瞬間、 高杉の舌が口の中に侵食してきた。

咄嗟に舌を引っ込めたが呆気無く捕まって引きずり出される。 唾液と共に舌が絡み合った。

葵空美鈴

(無理やばい恥ずかしい!!!)

舌をなぞられて、角度を変えて舌を何度も入れてきて。

それが苦しくて苦しくて我慢できず、口に溜まっていた唾液を飲んでしまった。それが羞恥心を煽る。

葵空美鈴

んんーっ、!!…ぷはぁ!

酸素が足りなくなって体をよじると、ようやく唇を離してくれた。

葵空美鈴

はァっ、たかす、ぎっ…何で…

酸素が足りなくて、息が荒い。 生理的な涙が出て、頬を濡らした。 更に、全身が燃える様に熱い。

高杉を見上げると、ぺろりと舌なめずりをしながら此方を見据えていて。

高杉

同一人物とは思えねェ位蕩けてやがる……ククッ、可愛いなァ…?

葵空美鈴

っ、うぅ、

ていうか何で高杉は息が乱れていないのかな…肺活量化物?、 自分だけ荒いの恥ずかしい。 まだ息は整わないし。

高杉

…良いかァ?俺の「気に入った」ってのァこういう意味だ。

高杉

これから俺の前では他の男の事考えんじゃねェ…分かったな?

高杉は、私が真撰組の事を考えたから怒ってあんな事をした…?

じゃあ…様は嫉妬?

高杉は私にそういう気持ちを抱いているってこと、だよね…?

葵空美鈴

(はっ、恥ずかしいんだけど!何、羞恥プレイ!?羞恥プレイなの!?)

高杉

おい、返事は?

葵空美鈴

はっはひっ…!!

今度は高杉が壁ドンして言うものだから、頷いてしまった。

高杉

っくく、なら良い

すると、高杉が私の頬から手を離す。 少し、安心した。人肌が離れるのは少し寂しいけど。

高杉

さてと……俺は招かれざる客人の相手をしてくるかねェ…

葵空美鈴

?客、人…?

誰の事だ? それともあの刀と関係があるのかな。

……けど何にせよ、 行ってくれるのは好都合。

逃げやすくなるし、何といっても高杉の顔を今見るのは本当に恥ずかしい。

高杉

____あァ、それと…

高杉が耳元に口を近付けてきた。

高杉

__紅い跡…精々人に見られねェ様にした方が良いぜ?

葵空美鈴

ぬァっッッ?!

そう耳元で囁いた後…ぺろりと耳を一舐めしてから、高杉は船室を出て行く。もう二度と戻ってこないでほしい。

高杉の足音が遠ざかり、聞こえなくなった所で、やっと息が出来る気がした。

葵空美鈴

…ぐぅ…私のファーストキス…

先程の事を思い出すだけでカッ、と顔が赤くなった。

ファーストキスがべろちゅーなんて…恥ずかし過ぎるんだけど……!!

さようならは言わないで【一時打ち切り】

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