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葵空美鈴
目を開く。
葵空美鈴
ガシャンッ!!
葵空美鈴
動こうとしたら身動きが取れない。
葵空美鈴
手が鎖で繋がれていた。 鎖はとても短く、かつ壁に取り付けられている。
とてもじゃないが、 断ち切れそうにはない。
葵空美鈴
私ならこんなの余裕だ。
葵空美鈴
…辺りを見回すが、ただの船室だ。
……まぁ、1人も人が居ないのだが。 神楽ちゃんも居ないし、 また子ちゃんも居ない。
葵空美鈴
くわぁ…ッッ、と欠伸をする。
高杉
声が船室に響いた。
葵空美鈴
高杉が船室の壁に寄り掛かっていた。
葵空美鈴
高杉
葵空美鈴
両手が壁に貼り付いた鎖に巻き付けられて、 両サイドに縛り付けられている。
葵空美鈴
高杉
葵空美鈴
そう、腹の銃で撃たれた所。
体内の中にナニカがある気持ち悪さが 無くなっている。
……大方、私が眠っている間に麻酔を打って弾丸を抜いてくれたのだろう。 ……まぁ、何でそんな事してくれるのか分からないけどね。
高杉
よく見ると、 高杉は包帯を持っていた。
そして、近付いてくる。
葵空美鈴
葵空美鈴
葵空美鈴
葵空美鈴
葵空美鈴
……流石の私にも羞恥心はある。
葵空美鈴
葵空美鈴
葵空美鈴
葵空美鈴
葵空美鈴
高杉
ちょっと笑わないでくれるかい?! そして近付かないでくれるかな?!
葵空美鈴
葵空美鈴
高杉
楽しそうに高杉が言う……… いや私Mじゃないから嬉しくない!!
_____が、そのまま問答無用で包帯巻かれた。羞恥プレイだ…。
葵空美鈴
高杉
高杉が包帯を巻き終わり、そのまま離れようとした…が。
_______スルッ
葵空美鈴
腹をスルリと撫でられた。 ………体のラインを撫であげる様に。
高杉
妖しげに笑う目の前の隻眼野郎に殺意が湧くと共にぞくっ、と悪寒がした。
葵空美鈴
唯一自由な足で蹴ったが、ヒラリと避けられた。ちょ、こんなに殺意抱いたの初めてなんだけど。
葵空美鈴
高杉
葵空美鈴
少し、高杉が真剣そうな声音で話しかけてくる物だからイライラとしながらも対応する私を褒めて欲しい。
葵空美鈴
高杉
葵空美鈴
この問い掛けには少し…嫌かなり驚く。
葵空美鈴
とりあえず、私問い掛けを問い掛けで返す。
高杉
……え、うんごめんなんて?
葵空美鈴
葵空美鈴
高杉って攘夷浪士だし真撰組の私を気に入るなんて…
総悟がトシを好きになる位無いと思うんだ。つまり絶対に無いんだ!!
葵空美鈴
高杉
高杉の唇が、弧を描いた。 ……高杉が笑うの何か怖いな…
葵空美鈴
葵空美鈴
葵空美鈴
混乱に陥れる様な動き、 人が巻きこまれても構わないという言動…
同じ攘夷浪士である桂君とは、 明らかに動きが違うのだ。
高杉
高杉
葵空美鈴
葵空美鈴
ニコニコして言うと、高杉はまた笑った。面白くてたまらないとでも言う様に。
高杉
高杉
葵空美鈴
高杉
葵空美鈴
高杉
わあ…熱烈ー。これは完全に口説かれてるなぁ……光栄な事だ。
でも、さ
葵空美鈴
やっぱり、お断りだよね。
高杉
葵空美鈴
……どうするかねェ…
と言っても、私は真選組だからな。一応の敵対組織に入るのはチョット…それに、
葵空美鈴
葵空美鈴
葵空美鈴
高杉の目を真っ直ぐ見つめて、 言う。
そのまま挑戦的に笑うと、 高杉は目を見開いた後興味深そうに目を細めた。
葵空美鈴
葵空美鈴
そうそう、忘れる所だった!
次会うまでには探しといてやる、って言われて、約束を取り付けたんだった!
高杉
葵空美鈴
いやいや取り消しとかないよね? 無いよね??
葵空美鈴
うーん、と考えていると、 高杉がフゥッと紫煙をかけてきた。
葵空美鈴
葵空美鈴
高杉
へ?死なせたくない、って……
葵空美鈴
葵空美鈴
不満げにすると高杉はまた笑う。
葵空美鈴
高杉
私は全く面白くないけどね!!! 私今デートの約束すっぽかされた 彼女の気分だよ!!
葵空美鈴
ガシャンガシャン!と鎖を鳴らす。
葵空美鈴
葵空美鈴
真撰組の事を考えて溜め息をつく。
_________ガシッ
葵空美鈴
包み込まれる様にして頬を掴まれた。 そのまま引っ張られる。
ガシャンッ、!
体が引っ張られて鎖が音を立てた。
葵空美鈴
前を向くと、至近距離に高杉の端正な顔立ちがあり、息を呑む。
葵空美鈴
互いに吐息がかかる距離。
葵空美鈴
葵空美鈴
高杉
葵空美鈴
葵空美鈴
そこまで言った所で高杉が私の頬に、唇に、耳に…、長く白い指を這わせてきた。
……うん?!?!?!
葵空美鈴
葵空美鈴
慌てていると高杉は私の首元に顔を埋めてきた。
葵空美鈴
高杉
高杉の低い声が耳のすぐ近くで発せられてピクッと反応してしまう。
高杉
葵空美鈴
耳朶を舐め上げられて、耳の奥までヌルリと舌を入れられた。
葵空美鈴
更に耳に息を吹きかけられて力が抜けて、高杉の方へと倒れ込んでしまう。音がくすぐったくて、思わず足をこすり合わせた。
スゥゥゥゥゥゥッッッッッッ おっかさァァァァァァァァァん!!助けてェェェェェ!! って私親いないじゃん。
コホンッ… 琴葉ァァァァァァァァァ!!助けてェェェェェェェェェェ!!
葵空美鈴
高杉
何でそうなるのかなぁ?!?!
慌てているうちにどんどん舌は ツゥ______ と下へ流れていく。その舌の動きがまたいやらしいの何の。
そのまま、鎖骨の所まで来ると。
葵空美鈴
がぷ、と歯を立てられて。 痛みに反応すると、噛んだ所を労る様に舌で舐められた。
そのまま唇をつけられて、 吸われる。
____チュッ、 と音が鳴った。
……え??待って??吸われた??
って事は……キスマーク…?
葵空美鈴
高杉
跡がついたら大変なので肩を掴むが、掴んだ手すらも握られて有耶無耶にされた。
葵空美鈴
それに顔を逸らそうとしたがガッチリと両頬を掴まれ。
葵空美鈴
唇を、塞がれた。高杉の唇で。
葵空美鈴
葵空美鈴
顔を逸らそうとしたものの高杉の力は思ったより強く抵抗が出来ない。
せめて、べろちゅーされない様に口を閉ざした。
が…
____スルッ
葵空美鈴
腰を指先でなぞられ、 驚いて口を開けてしまう。
そしてその瞬間、 高杉の舌が口の中に侵食してきた。
咄嗟に舌を引っ込めたが呆気無く捕まって引きずり出される。 唾液と共に舌が絡み合った。
葵空美鈴
舌をなぞられて、角度を変えて舌を何度も入れてきて。
それが苦しくて苦しくて我慢できず、口に溜まっていた唾液を飲んでしまった。それが羞恥心を煽る。
葵空美鈴
酸素が足りなくなって体をよじると、ようやく唇を離してくれた。
葵空美鈴
酸素が足りなくて、息が荒い。 生理的な涙が出て、頬を濡らした。 更に、全身が燃える様に熱い。
高杉を見上げると、ぺろりと舌なめずりをしながら此方を見据えていて。
高杉
葵空美鈴
ていうか何で高杉は息が乱れていないのかな…肺活量化物?、 自分だけ荒いの恥ずかしい。 まだ息は整わないし。
高杉
高杉
高杉は、私が真撰組の事を考えたから怒ってあんな事をした…?
じゃあ…様は嫉妬?
高杉は私にそういう気持ちを抱いているってこと、だよね…?
葵空美鈴
高杉
葵空美鈴
今度は高杉が壁ドンして言うものだから、頷いてしまった。
高杉
すると、高杉が私の頬から手を離す。 少し、安心した。人肌が離れるのは少し寂しいけど。
高杉
葵空美鈴
誰の事だ? それともあの刀と関係があるのかな。
……けど何にせよ、 行ってくれるのは好都合。
逃げやすくなるし、何といっても高杉の顔を今見るのは本当に恥ずかしい。
高杉
高杉が耳元に口を近付けてきた。
高杉
葵空美鈴
そう耳元で囁いた後…ぺろりと耳を一舐めしてから、高杉は船室を出て行く。もう二度と戻ってこないでほしい。
高杉の足音が遠ざかり、聞こえなくなった所で、やっと息が出来る気がした。
葵空美鈴
先程の事を思い出すだけでカッ、と顔が赤くなった。
ファーストキスがべろちゅーなんて…恥ずかし過ぎるんだけど……!!