奇跡を

逃げ場がない。どうしようか。 走って助けを求める？いや、大人の力に勝てる気がしない。

……今持ってるもん…確かほぼ置いてきて3000くらいしかない気がする…なら、 まぁ渡してもいいか……？

腕を掴まれて、トイレから出る。幸い、トイレを出たらゲームセンターだった。忘れてたわ。つまりは人通りが多い。それであのヤンキーの仲間来たら終わるけど。

…まぁ、まずはこの人に謝らなきゃ。

は？ 声が出そうになった。ファニーさんと言い、この人と言い…俺の名前はそれほど出回っているのだろうか。

腕を強引に引っ張り、無理にでも連れて行こうとしてくる。 …何か、嫌な予感がした。

なんで家？！ いやらしい事するんじゃないよね？！違うよね？！←？ とにかく今は、この人についてしらなきゃ…

実験番号、34…？ 名前を俺は聞いたはず。いや、それ以前に実験番号は明らかにおかしい。

このまま俺はついて行っていいのか？いや、ダメなはず。絶対、ダメだ。

俺は無理やり此奴…34の手を振りほどく。少し強引にしたせいで痛かったのか、34は顔を顰めた。

俺は猛ダッシュでそこから逃げる。 後ろから足音が聞こえてくる。近付いてきてる。

あれ、俺、結構全力で走ってるはずなのに。足音がどんどん近付いてきてる。相手早すぎだろ。

逃げんの無理じゃ…

ｶﾞﾘｯ

首に激痛が走った。

思うより早く、俺の視界はぐらつく。思いっきり噛まれた首がまだ痛む。残った意識で、センパイのLINEを開く。

通知が来て、携帯を開いた。そこにあるのは、奇妙な文字。

自力で探すしかない、か？ とてつもなくやばい道のり。分かってる。だけど、そうするしかないよね。

不満気な表情。ごめんね。許して。

目が覚める。長く寝ていたようで、まだ眠気が取れない。良い寝心地だった時の感覚だ。

先程、起きていた事。 あぁ、そうだ。ヤンキーに絡まれ、助けてくれたと思えばその人も様子がおかしくて、逃げようとしたら首思いっきり噛まれて…

なら、センパイたちは

声にもならない声が出る。慌ててｶﾞﾊﾞｯ、と起きる。しかし、そこは牢屋のような雰囲気は一切ない場所。

とても高級そうなベットに、整ったカーペットやシャンデリア。出入口は金属製の鉄扉で防がれているようだが、まるで俺は王様になったかのような感覚に陥り、混乱する。

流石に転生という訳でも無さそうだ。というよりあってたまるか。その可能性は1度放棄しよう。

俺が噛まれた場所を触ると、跡のようなものはあるのだが、傷という程では無い。軽い怪我をしてから1週間後くらいの、肉が再生し始めた感じのような感覚だ。

ﾄｯ ﾄｯ ﾄｯ

静かな空間に、鳴り響く足音。徐々に音が大きくなる。この足音は、この扉の奥から鳴り響く物だとすぐに理解した。

足音が止まる。すぐ、そこに居る。武器を出した方がいいか？今の状況を理解出来ずに居たせいか、正常な判断ができない。それに焦って、判断が遅れた。

扉が開く。俺は咄嗟の判断で、ベットの下に隠れた。

ちら、と隙間から覗く。そこには、小さな男の子が立っていた。 奥には俺と同い年くらいの人達が立っている。2人…くらいか？

このままじゃ、バレる。試行錯誤を繰り返す。武器も使えないんだろ。なら、強引に突破することぐらいしか…いや、無理に決まってるじゃないか。

そんな事、俺には出来ない。心の問題じゃなくて、力の問題。

顔をあげれば、小さな男の子が目の前にいた。

包帯を付けているせいで、目は確認出来ない。でも、こんなに小さな男の子でも、俺にとっては恐怖しかない。何故ここまで恐怖心を覚えるのか、俺にも分からない。

金縛りのように、そこから動かない。小さく震えることしか出来ない。そんな俺を見て、男の子は笑顔を浮かべる。

何を言ってんだ。 俺がこの子と恋人？何をふざけたことを。 そんな事、分かっているのに怖い。相手は本気だ。そう分かるくらいの威圧感。

俺の前で、平然と考えている。俺に隙を与えているような、逆に言えば、俺の攻撃を全て避けれるというような余裕の表情にも見える。

今出来ること、出来ること、は……

奥に椅子がある。あの椅子さえ手に取れば、多少は戦えるか？ そうするしかない。それ以外に方法はない。

今なら、少しは隙がある気がする。相変わらず余裕そうだが。

そう叫んで、椅子を軽くボディガードらしきヤツらに投げてやる。言葉遣いが悪くなるのは仕方ない。

多分、ここにずっと入れば、俺の人生めちゃくちゃになる。

階段を駆け下りる。2弾飛ばしですら難しかった俺が、3段飛ばしで行ける。人生かかってるならこんなこと、案外容易いんだな。

後ろから大声が聞こえる。俺を呼んでいるみたいだ。 援軍が来る前に、早く逃げてしまおう。

この行動は平行線だ。 このまま我武者羅に2人で探しても、意味が無いし、助けることが出来ないかもしれない。

その時だった

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

携帯が振動する。手に取れば、そこには｢📞海陽｣と書かれていた。

ｶﾞﾝｯ

ﾂｰ ﾂｰ

そう。○○区はアタシ達のいる町の隣の隣くらいの所。この短時間で行けるとは思えないほど。

いや、今はこんな事を考えてる場合じゃない。ブレイブくんは今、かなりまずいはず。

まずい。

相手は遠慮無しに攻撃をする。魔法攻撃やら、銃の攻撃やら…何度死にかけた事か。

その度に自分の銃を出して盾に使ったりして…流石に厳しい。

相手は数人しかいない。それでも、10対1の構図だ。しかも、しっかりと命を狙うような勢いで。勝てる訳がなくて。

何度か、人の手足を撃ってしまった。想いが伝わったのか、エアガンくらいの威力。この銃は、本当に俺を何度も助けてくれるんだなって、実感する。

でももう、限界だ。

膝から崩れ落ちるように倒れる。 顔にも、お腹にも、足にも、腕にも。

情けない。父さんにこんな姿、見せたくない。

でも

それでも

狂ってる。そう分かる。こいつに近付かれる度に、心音が高くなっていく。謎にニコリと笑う笑顔。死ぬかも、と思わせる。

34、なんで、お前はこんな奴に付き従ってんだよ。カツアゲから助けてくれるくらい、優しいんじゃないのかよ。

……あぁ、そっか。 助けたことも、此奴の命令なのかな。

苦しいな

とりま今回は長くなりそうなのでやめました()

じゃあ今が218タップやけどもっと上行って400タップ行ってやろうか？？あ？？？

既にブレイブくんに引かれてるから安心しろ()

いやなんも()

ないから今適当につけた()

そしてここまでしっかり見てくれてる人は何人いるのだろうか()

それでは皆様また次回会いましょう！

んじゃ、ばいちゃー！

長らく投稿を開けてすみません本当((( リアルの関係と、自分的にストーリーが納得いってないのもあって多分、これからも遅くなったりします。それでも頑張るんで、応援してくれたら嬉しいです()