テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
異変に 気付いたのは 、目を覚まして直ぐだった 。
冷水でも浴びせられたかの様な悪寒に打たれた 。
shu
焦燥感や倦怠感。
それが同時に 襲いかかって来て 、流石に やばいかと 思った 。
再び目を瞑ると 、それを 邪魔するかの様に 頭が ズキズキ と痛む 。
頭痛なのは 分かるが 、こんなにも急に 現れるものなのか 。
shu
咳がや止まず 、目を開けると 視界はぐるぐる と回っている。
この苦しみから開放されたいが、じっとしているしか方法が思いつかず ぼーっ とする 。
此処から動く 気力などなく、為す術なく 睡魔に身を任せた 。
__ と
しゅ __
しゅうと !!
shu
自分を呼ぶ声に 、目を覚まさずには 居られなかった 。
目を開けると 、其処には かざねが 居た 。
shu
kz
kz
珍しく上機嫌な かざねに 違和感を抱いた俺は 、聞いてみる事にした 。
shu
shu
が 、そこで初めて気付いた 。
声が出ない 。
というか 、出しづらい 。
いつまで経っても起き上がらない俺に 、かざねは痺れを切らしかの様に 「 しゅうと? 」と問う 。
流石に 不審には 思われたくなかった 。
なんとか絞り出して 声を発した 。
shu
kz
kz
shu
今は そう 返事をするのが 精一杯だった 。
俺に続いて 、しゅうとは リビングに 出た 。
そして 、初見の俺と 全く同じ反応をして見せた 。
shu
shu
kz
kz
kz
俺は半ば 押し付ける様にして しゅうとに 渡した 。
𝔻𝕖𝕪 𝟙𝟞 お題:1日 家で過ごす 対象:全員 条件:特に無し 因みに 言っておきますが 、お題は全て 私が 判断して 難易度を 決めております 。 難易度が 低いお題が出された日は 、別で何かが 起こるかも知れません 。
shu
その紙を 見た俺は 、今まで 感じた事が無い程の 安心感に 力が 抜けそうになった 。
自分の 都合で 皆に 迷惑など 掛けられない 。
何かと 普段から 感情を表に 出さないでいるからか 、かざねに 勘付かれる様子も 無い 。
kz
人形姿になった りもこんの頬を 触って 柔らかい笑みを 浮かべている 。
kz
shu
shu
不自然に 断っても 仕方が無いと思い 、ソファから 勢い良く 立ち上がった瞬間だった 。
歩き出そうにも 手足が動かず 、立っていられなくなる程に 足に力が入らない 。
張り詰めていた 糸が 千切れる様に 、その場に 崩れ落ちてしまった 。
kz
突然 、しゅうと が 床に崩れた 。
単に 力が抜けた 、という事では 無さそうで 、静かな部屋には 荒い呼吸音が 響いている 。
shu
shu
kz
しゅうとが 再び 立ち上がろうとした為 、咄嗟に 注意したが もう遅い 。
kz
無理に立ち上がったしゅうとは 、今度は こちら側に 倒れ込んで来た 。
それを 咄嗟に 抱き留める 。
shu
しゅうとの その虚な目を 見て 、直感的に まずいと 思った 。
焦りの衝動を 抑え 、落ち着いて対応をする 。
kz
そう 断りを入れて 額に 触れる 。
すると 、反射的に 離してしまう程の熱を 手に感じた 。
kz
そう 呟くと 、かざねは 直ぐに しゅうとを 横抱きにして ソファに 乗せた 。
kz
言われると 同時に 、躰が 宙に浮く 様な感覚に陥った 。
見ると かざねは 、俺と りもこんを 両肘で 支えて 持っている 状態だった 。
なんだか 自分が 、生まれたての赤子の様に思えて 恥ずかしい 。
そんな事は 呟かず 、俺達は かざねに 身を委ねた 。
shu
躰が まずいと 判断したのか 、どれだけ 頑張ろうと 声は出せなかった 。
倦怠感や疲労感を 紛らわせようと 、ただ 目を瞑ることしか 出来なくて 。
そんな 無力感を 覚えると 、ますます 体調が 悪くなる様な気がした 。
kz
kz
頷くか 、首振るかだけでいいから 。
そう かざねは 付け足して 、俺の方を向いた 。
kz
shu
kz
shu
その後も 質問の時間は続いて 。
俺はいつの間にか 、目を閉じていた 。
kz
目を閉じて 眠っている しゅうと の横で 、俺は 質問の答えを 紙にまとめていた 。
- チェック表 - ☑︎ 倦怠感 □ 吐き気 ☑︎ 頭痛 ☑︎ 疲労感 □ 食欲 ☑︎ 寒気 □ 腹痛 □ 筋肉痛
kz
症状だけ見ると 、ただの 風邪の様だ 。
なら 風邪薬と 頭痛薬 だけで 充分だろうか 。
念の為 胃薬 なども _______
kz
つい 先程迄 薬の 話をしていたと言うのに 、俺は スマホを 取り出していた 。
kz
検索: 薬 複数 同時摂取 可能か
rm
不思議な感覚になるし 、相手にも届かない為 声を出す事は あまり無かった 。
けれど 、かざねの 珍しい 戸惑いの表情を 見てしまっては それも 叶わない 。
俺は 、此処から ちらっ と 見える 検索画面を 覗いた 。
♦︎ AIによる 概要 薬の複数同時摂取は、専門家の指示なく自己判断で行うと、 薬の効き目が弱まったり 逆に強くなりすぎて副作用が出たり、 内臓に負担をかけたりする危険があるため避けるべきです。 同じ有効成分の ______________
なるほど 〜 、なんて 心の中で 呟いて かざねの方を 見ると 、少しばかり 驚いた表情をした 。
kz
kz
助言も アドバイスも 出来ないが 、かざねなら 何とかしてくれるだろう 。
そう思いながら 俺は 、しゅうと と かざね を 交互に 見つめた 。
shu
躰が重い 。
いつの間にか 寝てしまっていたみたいで 、頭が ぼー 、とする 。
kz
shu
kz
shu
少し棘のある言い方でも 、その声は 最小限で優しく感じられた 。
そして かざねは 、少し気まずそうに 机の上の トレーを 指差しながら 言った 。
kz
kz
kz
トレー を見ると 、其処には うどん と コップが 置いてある 。
うどんからは 湯気が出ており 、つい先程 作られたものなんだと 理解した 。
勝手に下げられていく トレーを見て 、俺は咄嗟に かざねの 腕を掴んだ 。
余計なお世話だったかな 、なんて思い 、トレーを 下げようとする 。
けれど しゅうとは 何を思ったのか 、俺の腕を掴んでこう言った 。
shu
kz
shu
少し顔を赤らめながら 言う しゅうとの 姿に 、思わず 微笑んだ 。
kz
kz
俺は 持っていた トレーを 置き 、しゅうと に 差し出した 。
shu
頂きます 、と 言い 、手を合わせる しゅうとを 見ると 、改めて育ちの良さを 感じる 。
kz
食事をとるには 少し高さが足りない センターテーブルだ 。
恐らく 、というか 確実に 食べ難い 。
shu
kz
しゅうとは 話題を 逸らしてくれたが 、俺が気になってしまう 。
考えてみると 、起きたばかりの しゅうと に 「 ご飯要る ? 」と言ってしまっているのだ 。
まだ 辛い筈なのに 、しゅうとは 迷惑をかけない様に 接してくれている 。
今さっき 、ソファに 座り直した 時だって 腕に重心を かけている様に 見えた 。
きっと 足に 力が 入らないのだろう 。
kz
shu
そう言われて仕舞えば 、しゅうとは断れない 。
そんな性格をしている 。
しゅうとを 椅子に 座らせた後 、トレーを 持っていった 。
メンバーが 此処まで 弱っている所を あまり見ない為 、正直 対応が 難しい 。
しゅうとからも 「 過保護な お母さんみたい 」と言われてしまったが 、そうなのだろうか 。
kz
しゅうと の 食事の様子を見ながら 、ぼそっ と 呟いた 。
あの後 、しゅうとは 薬を飲み 俺の指示の元 ソファで眠った 。
けれど なんだか 申し訳ない気持ちになり 、寝室まで 運んで来た 。
勿論 、1人で運ぶのだから 横抱きで 、だ 。
kz
無意識のうちに出た一言だが 、嘘では無い 。
俺と しゅうとの 身長差は あまり無い筈 なのだが 、運んでも 腕が多少疲れただけ 。
食後でこれなのだから 普段は 尚更だろう 。
kz
仰向けで 眠っている しゅうとの 頬を 軽く抓った 。
kz
椅子から 立ち上がり 、其処に 人形になった 2人を置いた 。
人間である以上 、1人の時間が欲しいと言うのも 当たり前で 。
申し訳ないが 、2人には しゅうとを 見守っていて貰おう と 思う 。
俺は そっと ドアを 開け 、部屋から 出た 。
目を覚ますと 、今朝 見た景色が 広がっていた 。
白い天井と 、起きて左を 見た時にある 机と椅子 。
それに 人形姿の りもこんとふうはや が乗っているのを 見つけた 。
shu
可笑しいと気付いたのは それからで 、やはり 頭が 回っていないんだと 再認識する 。
自分は 確かに リビングのソファで 眠っていた 。
それが今 、何故か 寝室に居る 。
かざねが 俺を1人で 運べるかと 言われたら 微妙な所で 。
shu
そう思うしか無かった 。
もし そうだとしても 、こんな夢なら悪くは無い 。
それに 、夢なのだから _____
shu
普段は言動に表せない 事も 、やっていいよね 。
思考が 上手く回って無かった俺の頭は 、この夢を そう 認識した 。
椅子が 偶然 、ベッドの近くに置かれていた為 、人形を 取るのは 容易い事だった 。
2つの 人形を 胸に 抱き寄せて 、俺は呟いた 。
shu
shu
睡眠が 足りなかったのか 、今日は 直ぐ眠くなってしまう 。
それに 、今は 布団に包まっているのだ 。
二度寝しちゃおうかな 、なんて 考える前に 、俺はもう 目を瞑っていた 。
kz
kz
既に 4時を回っている為 、起こしに来たのだが どうも 様子が可笑しい 。
しゅうとが 、人形になった2人を 抱き抱えながら 眠っているのだ 。
それも 、薄らと 柔らかい 笑みを浮かべて 。
kz
なんて 呟くと同時に 、部屋に パシャッ と 音を響かせる 。
流石に最近 、写真を撮りすぎているかも知れないが 、貴重なものばかりだから 仕方がない 。
何より 、可愛いからね 。
閲覧 ありがとう御座います 。
午前を ネタ決めに 費やし 、午後を 制作に費やした結果
深夜投稿になってしまいましたが お許しください 。
また 、地の文 ( 小説で言う 会話文 ではない所 )にも力を入れたい為 、
毎日投稿と言いながらも 不定期になりかねないです 。
気長に待っていて下さると 幸いです 。
コメント
7件
尊いっ……!りもこんさんとふうはやさんの人形姿見たいかも……? ジャガさん天才!続き楽しみです!無理はダメですよ?
宿題めっちゃあって、終わってから見るの最高! ジャガさんの作品見るの最高です!これからも応援してます!