朝を知らぬ恋
緑 × 黄
注意 ↪︎ 遊郭設定 MOB × 黄 . 桃 . 赤 有
start
江戸時代の昼七ツ刻 、花魁道中で皆が1列に並んで歩く
ズズズ … と聞こえる靴と地面が擦れてなる音
周りの人達が俺らを見てなにかを言う
聞こえる声もあれば、何を言っているか分からないものも
全て陰口に聞こえる
ちゃんと 、 歩かないと … 転んでしまう
暗い表情を抑え 、 微笑む姿を見せる
花魁道中 目に付いた
彼だけが俺を見ていない
綺麗な横顔に艶々な髪の毛
そんな彼に恋をしてしまった
店に入り 、 俺の義弟のなっちゃんが仕事を終えた頃
襖を開け床に寝転がっていた
意識がぼやけているのか
掠れた声で一生懸命に俺の名前を呼ぶ
隣に正座し 、 太腿に頭を置かせる
俺の手を握り 、 今にも泣きそうな顔をして言う
少しした後 、 また襖が開く
冷や水を持ってきたらんらん
ゆっくりとお皿をなっちゃんに渡す
らんらんも俺の義弟
そう言い 、 静かに襖を閉じた
数日がたち 、 営業が開始した夜六ツ刻
普段は見ない人が俺の1夜を買う
同じ遊郭の人が俺を呼び 、 玄関に行く
そう一礼してきたのは 、 花魁道中で見掛けた男だった
ドキドキした心臓の音を隠し 、 部屋に案内した
襖を閉じ 、 2人だけの空間になる
何を話せばいいのか全て台詞が飛ぶ
彼の方を見ると 、 大人しく俺をただ見つめていただけだった
な … なんでぅおれのことみとるん .ᐟ.ᐣ ⸝⸝⸝
恥ずかしいよ っ ⸝⸝⸝
ふふっと 微笑み 、 俺の様子を伺う
肩苦しい敬語に調子が狂う
いつもの人は最初からタメだったし…
そもそももう … そういうことしてたから … ⸝⸝⸝
極端に攻めすぎて 、 恥ずかしくなる
目線を外し 、 静かに彼を見る
すると目を見開いて驚いていた
そう笑う彼の笑顔はとっても眩しくて俺には持ったいなかった
あの日からたまにすちさんは来てくれた
他の人とは違くて 、 ただただ朝まで話をするだけ
俺がどんな話をしようと真剣に聞いて 、 笑って答えてくれる
それが嬉しかったのに 、 どこか物足りなかった
少し悪い話をしてしまったなと深く思い謝る
しかしすちさんは変わらず笑顔で接してくれた
好きやな …
え … いま っ 、 好きって ⸝⸝⸝
違う っ … ⸝⸝⸝ 気のせいやろ ⸝⸝⸝
ひとりで恥ずかしくなり 、顔が熱くなる
そんな俺の顔を覗くように見てきた
手で顔を隠す
テンパってしまい 、 つい廓言葉を忘れてしまった
やばいっ 、出身バレちゃうっ
不安になりつつも 、 すちさんの反応が気になり聞いてしまった
にこっと小悪魔みたいに微笑むすちさんがとてもかっこよくて 、 死んでしまいそうなくらいだった
すちさんに向かって、にこりと微笑む
するとすちさんは顔をそっぽ向けて顔を隠してしまった
あの後から少しすちさんとの距離はいつもと違ったように感じた
花魁道中の準備をする
3人で服の着付けをし合ったりと緊張感を無くすために沢山話す
… すちさん 、 いるかな 、.ᐣ
ふとすちさんのことを考えてしまった
なんですちさんが っ 、⸝⸝⸝
からかわれるようにすちさんについていじってくる2人
そんなことをしていたら 、 もう始まる時間だった
はぁ … 疲れた 、
歩いてから数分が経つ
足は疲れてしまい 、 喉もカラカラになる
ふと外に立っていた2人の話し声が聞こえた
前と同じところですちさんを見かける
しかし 、 前とは違う人が隣に立っていた
可愛い顔をした女性が腕を組んでいた
ぇ …
誰 … あの女性 、
ぼそっとつぶやく
違う
俺のすちさんじゃない
俺はすちさんに買われてないんだ
けど …
すちさんに俺の一生を買って欲しい 、
いつもの俺とは違う思考が歩きを遅くする
2人のことしか頭にない
2人のことしか考えられず 、 気持ちが悪い
今にも吐いてしまいそうだった
あの日から数日
気まずそうに襖を開け 、 俺の向かいに座る
… 今更なんやねん
会えて嬉しいはずなのに 、 何故か辛かった
いつもは言わない遊郭の愚痴を言う
多分 、 買われたいからこんなこと言っちゃうんだ
気付いてほしくて
今までの感情が爆発して泣いてしまった
ぐずっ… と泣き声だけが聞こえる
いつもは優しく抱きしてめてくれるのに
今日は何故だかただそこで悲しそうな顔をするだけだった
なんでよっ
いつもみたいに優しく抱いて慰めてよっ
俺が幸せにしてあげるとか言って俺の事買ってよ っ"
言おうとした
好きって、今までの気持ちをすちさんにぶつけようとした
けど 、 言えなかった
すきの2文字も
なんで知ってるの .ᐣ と不思議そうな顔で俺を見る
にへ っと笑う俺にすちさんは苦しそうな表情を浮かべていた
朝方になり 、玄関ですちさんを見送る
いつもとは少し違った空気で 、 最後のさよならを言う
すちさんの背中が見えなくなるまでただただ手を振る
今までの会話を思い出す
それがとても微笑ましく 、 辛かった
すちさんの姿が消えた頃
その場で崩れる
すると 、 勢いよく襖を開けて俺の体を支える
らんらんが俺の体を優しく抱く
優しい声でそう慰めてくれた
なっちゃんと普段とは違って俺のことを優しく抱いてくれた
俺の頭を二人で優しく撫でる
とっても嬉しいのに 、 すちさんのことだけは忘れられなかった
すちさんっ " …
俺 、すちさん事好きだったのにな っ "
初めて義弟の前で泣いた内容が失恋だったのが少し恥ずかしく思えた
しかし 、 それよりもすちさんが居なくなってしまったことが何よりも辛かった
𝐹𝑖𝑛.
追記 _ 熱なのに頑張ったくせになんかおかしい終わり方でした. ( ←
コメント
2件
わ ~ 切ない、!!😭けど緑黄良かったです🫶🏻️︎🫶🏻️︎.𖥔 ݁ 熱なんですか⁉️無理せずお大事にして下さいね😢😢