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龍

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1 - 時は室町時代。

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2024年05月31日

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時は室町時代。 舞台となる地にはとある言い伝えがあった。 『龍となった者は、大切な人から忘れられる』 と。 満月と名を広める、今宵の月の下。 その場へ 悲劇が押し寄せてくる__

《 龍 》

それは、昔。 とある森の奥に住む、ふたりの恋人がおった。 一人を莉犬と言い、もう一人をさとみと言った。 ふたりは、仲むつまじく、 知る者も数知れず。 たいそうふたりは幸せに暮らしておったそうだ。

「 おれって美しいんじゃ… 」

とある日のこと。 鏡を見ていた莉犬が、自分自身の美貌に気付く。 それからというもの、莉犬の人生観はガラリと変わっていった。 しかし、莉犬にはひとつ、不安なことが。

「 年を重ねれば、この美貌もひとときの夢のように終わってしまう。それだけは避けたい 」

そう思った莉犬は、毎晩毎晩神社を訪れ、お祈りをするようになった。 不老不死を手に入れたいと。 そんな莉犬を病気持ちのさとみは気にする余地もなかった。

日々悪化していくさとみの病気。 そのため、莉犬はつきっきりで御世話をしていた。 さとみの体調もよくなってきた頃、さとみが寝ているのを確認し、神社へ足を早めた。 「 …ん、 」 いつもは、出発前に水分摂取をするのだが、焦りが出てしまったのか、飲まずやってきてしまっていた。 ついには、喉の渇きに耐えられず、湖の透き通る水を口に含んだ。 のだが…。 「 …あれ、みずもうちょっと飲まないと… 」 飲んでも飲んでも喉の渇きは変わらない。というか、喉の渇きが増すばかりだった。

「 あ、れ…? 」 月の光によって、映し出された不思議な自分の姿。 胴体の感覚が非常に異なっていて。 ひげのような長いものが口元辺りから垂れ下がっている。 さらには、犬耳から角のようなものへ変わっている。 そして。 彼は、人間ではなく龍へと変わり果てていた。

あれから十年もの月日が経った。 莉犬との記憶をすべて失ったさとみの隣には。 月のようにまばゆい髪色を持ち、ふわりと微笑む一人の男がいたんだとさ。

おしまい。

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