僕が部屋に入ったのを確認して ジミンは後ろ手にドアを閉めた。
この部屋、 絶対おかしい。
鼻に手を当てた僕を見て ジミンは換気扇回すね、と言って 壁にあるスイッチを入れた。
ジミンの私生活がヤバいっていうの あれ、本当だったんだ。
だって これ、絶対…。
ホソク
吸ってる、だけじゃない。 部屋にある、この量の乾燥大麻… 売買もしているんだろう。 あのテントの中で 栽培も…しているんだ。
もしかして 助けるって、 こういうこと…?
ジミン
ホソク
ジミンは部屋の真ん中で胡座をかいて座ると 床の上で何やら手を動かし始めた。
意外…かと言われるとそうでもない。 別に、ジミンが大麻吸ってようが 僕には関係ないから。
でも、今の状況を考えると 関係ない、なんて事 言ってられなくなるかもしれない。
次第に理性を取り戻していく頭。 この、甘い匂いに飲み込まれる前に
早くここから、出ないと。 ジミンから、離れないと。
ホソク
ジミンから離れるように後退って この部屋から出ようと、 ドアノブを掴んだ。
でも、ドアを押しても引いても ガチャガチャと音が鳴るだけで 開かない。 なんで。
ジミン
ホソク
耳元で聞こえた声に 一瞬息が止まる。
後ろを振り向くと ジミンが立ってた。
その手には 煙を放つ、煙草のようなもの。
ジミン
背中に当たる、閉じられたままのドア。 ジミンは僕との距離を詰めてきて もう、逃げ場はない。
僕の口元に突き出されたそれは さっき…ジミンが巻いてたであろう 大麻だ。
ジミン
ホソク
ジミン
ホソク
ジミン
ジミンは煙草を吸うみたいに 僕の目の前でそれを吸った。
吐き出される煙は やっぱり、酷く甘い匂い。
ジミン
そう言ったジミンの顔は酷く幸せそうで
それが羨ましくなって その誘惑に、 僕は負けてしまった。
初めて吸った感想は 本当に 煙草と変わらない、だった。
重い煙草を吸ってるような感じで 拍子抜けした、と言った方が 正しいかもしれない。
味は独特だけど 不味くもなければ 美味しくもない。
大麻って、こんなもんなんだ。
ジミン
ホソク
ジミン
ホソク
ジミンが吸ってから、 また僕に吸い口を向けたから 気の緩んだ僕は抵抗なく 再びそれを吸った。
ジミン
ホソク
ジミン
ジミンに肩を抱かれた僕は 部屋の壁に寄せて置いてあるソファまで 移動するように促された。
あれ? なんか、頭が…
目眩とは違うけど 少し、変な感じがする。
ジミン
ホソク
大丈夫。
別に気持ち悪いわけでもないし 吐き気もないし。
少し、頭がくらくら… いや、フワフワとするだけだ。
ジミン
それに、ジミンだって ほら、普通にしてるし。
だから、大丈夫だよね。
30分は経っただろうか。
ジミン
ホソク
ソファに座るジミンに 僕はしなだれかかるほど 脱力しきっていた。
テーブルにある灰皿には 2本の大麻の吸い殻が捨ててある。
僕の体も熱いし なんとなく、顔の近くにあった ジミンの鎖骨のあたりに触れてみると ジミンの体も熱かった。
なんか、 体に力が入らない。
夢を見てるみたいな 不思議な感覚だ。
息を吸って吐いてを繰り返してるだけなのに なぜ こんなにも心地いいんだろう。
落ち着く…。
初めてこの部屋に入った時には この匂いに不快感すら覚えてたのに。
今では不快感どころか 心地良ささえ感じ始めている。
ジミン
ホソク
ジミンの鎖骨を触っていた手を掴まれて 顔を近づけられる。
僕、なんで… ここに来たんだっけ…?
ホソク
ジミン
ホソク
そのまま僕は ジミンとキスした。
キスって こんなに気持ち良かったの? ってぐらい
ジミンとのキスは 柔らかくて甘くて 頭が真っ白になって 蕩けそうだった。
何か、大事なことを忘れている気がする。
ジミンの上に跨って その首に腕を回すと だんだんと深くなっていくキス。
良いの…? ジミンと、こんな事して…
でも、気分がふわふわして、頭が回んない。
腰、抜けちゃいそう。 だって、凄い気持ちいい…。
まるで、天国にいるみたい。
ジミンが 僕の制服のシャツを脱がしてくる。
もっと、気持ち良くして欲しいって思いが 抑えられない。
ホソク
キスの合間にそう呟くと ジミンは僕の顔を見つめた。
その視線にすら なぜか、ゾクゾクする。
ジミン
ホソク
ジミン
ホソク
ジミン
僕の下着に手をかけたジミンは ピタリとその手を止めた。
そして、ぎゅっと僕をきつく抱き締めてくる。
ジミン
ちゅっちゅと首筋に感じる唇の感覚。 それにすら、感じてしまう。
ナムジュン… ナムジュンって、なんだっけ…。
だから、そもそも僕、 なんでジミンと こんな事してるんだっけ…。
ジミン
耳を優しく食まれて んっ、と声が漏れる。
あぁもう、いいや。 考えるの、やめよう。
もう、理性なんてものは 完全に吹っ飛んでいた。
ホソク
無意識にその言葉が零れると ジミンが、まぁいっか、と言った気がした。
そして聞こえる、カチャカチャとベルトを外す音。
ジミン
頭の中が完全に快楽に飲まれる前に聞いたのは ジミンの、その言葉だった。
事が終わって、 時間が過ぎていくと共に 次第に頭の中がクリアになっていった。
結局、ジミンとは 中に挿れる事こそはしなかったものの それ以外のことはほとんどシた。
僕はただ、ひたすら夢中になっていた。
終わってほしくない、このままずっと この快楽が続いて欲しいと思った。
ポッケをまさぐると いくつかの小さな小袋が入っている感触がある。
ジミン
ジミンから貰った乾燥大麻だ。
僕の中に残ったのは、虚無感、罪悪感… だけど、それを上回るほどにあるのは 幸福感、安心感だった。
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