"出来損ないの方"

竜胆 視点

正直、彼奴とは話したくない

俺が返事しなかったからって部屋に入ってきた

…腕の傷、見られた

正直見られたくなかった

彼奴は絶対にモブに言う

そしたら…俺はまた…

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

もう虐められたくない

殴られるのも、刺されるのも、 切られるのも、根性焼きも…

全部…全部…

嫌だ………嫌だよ…

本当は学校だって行きたくない…

…でも……行かないと… もっと虐められる…

ﾄﾞｶﾞｯｯ

ﾄﾞｶﾞｯ ﾄﾞﾝｯ ﾎﾞｺﾞｯ

ﾎﾞｺﾞｯ ﾄﾞｽｯ ﾊﾞｺﾞｯ

ｼﾞｭｩｩｯ…

ｼﾞｭｯｯｯｯ!

ｽｯ…((ナイフ

ｼｭｯｯ

ｻﾞｸｯｯｯ

運良く刺されたところがそこまで 深くなかったから良かったけど…

内出血は酷いし、結構痛い…

…はぁ…

もう…俺…死n

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

何で…俺結構家から離れたのに…

嫌だ、近付くな、やめろ

ｷﾞｭｯ

今、俺…どうなってんの？

此奴にハグされてんの…？

………

本当なら嫌な筈なのに

今すぐにでも離れて欲しいのに

暖かい

凄く、すっごく暖かい

咄嗟にこんな言葉が出てしまった

本当はもう少しだけなら このままがいい

もう少しだけ…ね？

でも、ここを彼奴に見られたら…

そう思うと、体が震えて堪らない

ﾊﾟｯ

温もりが急に消えたからか、 俺は体をﾋﾟｸｯと動かしてしまった

そう言うと、俺はそそくさと その場を立ち去る様に歩く

俺が虐められる理由は彼奴

全部彼奴が悪い……

彼奴の所為で…

そう思わなくちゃ、絶対に そうなんだ

絶対にそうなんだ、絶対に…絶対に…

でも、何故だろう

心の隅で "人の所為にして逃げたいだけ"

そんな言葉が出てきた

そんな事ない、だって本当に彼奴が…

…………

もう考えるのは止そう

取り敢えず速く学校に行かなくちゃ…

正直に言わせて欲しい

腕が痛い、痛すぎる

冗談抜きで、いやここで冗談 言っても仕方ない

ｽﾞｷｯｯｯ

やばい……

ﾊﾞﾀｯｯ

ｽｯｯｯ(袖を捲る)