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ジョングクの"好き"は噛まれるよりずっと痛い。 応えられないから痛い。
グク
ベッドに並んで寝転がるのはいつもの事なのに、景色もジョングクも違って見える。 ジョングクの笑顔もどこか柔らかく感じた。
ホソク
グク
御名答だった。
ジョングクとやってしまっただけじゃなくて、それに関する全部の理由で、だ 俺とジミンが関係を持ってる事、俺がジミンを好きな事、ジョングクが俺を好きな事。 その全て。
この空間と勢いに流されてジョングクとヤってしまったのは俺だけど、気持ちを知った以上ここにはーーーと。
だからそれを示すようにベッドから出ようとしたけれど、ジョングクの手が俺の手首を掴む。 革のベルトが長時間食い込んでいたそこは、赤く浅い擦り傷。
グク
その言葉と一緒に俺をベッドに引き戻して
グク
グク
いつもと同じ、悪戯を純粋に楽しむような笑顔を見せた。
実際、本当にそうだ。 ジョングクという存在は大きい。 それも口にした事はなかったのだけれど、ジョングクの言う通り分かりやすいのだろう。 つまり嘘なんか吐くのはとことん向いてないのだ。
それから太い腕がしっかりと俺を拘束して、鎖骨辺りに顔を埋めると音を立ててそこにキスをしたジョングク。
グク
玩具を強請る子供のようなその言葉は独り言なのか、俺に対する我儘なのか。
どちらにせよ叶えられそうになくて、ジョングクの髪をただ撫でた。 ジミンとは違うけれど、ふわふわで柔らかくて、俺と同じシャンプーの匂いがするジョングクの髪。
ただ単に"愛しい"と思うし手放したくないと思うのは、俺の悪質な我儘だって分かっている。 でもそうなのだからしょうがない。
目を瞑ったジョングクの長い睫毛が綺麗で、俺もそれを見てるうちに目を瞑った。 まだ夕方にもなってない時間から眠ってしまうなんて、次に起きる時間の事など考えもせず。
ただジョングクの温もりと疲れに身を委ねたのだ。
俺達がすっかり眠りこけていた間に世間はやや騒々しい事になっていたようで ジョングクの携帯の着信音が五月蝿くて目を覚ました。
開け放たれていたままの遮光カーテンはもう意味もなさない時間になっていた 外が暗い。
頭にいっぱい寝癖を付けたジョングクが目を開けずに手探りで携帯を手にして
グク
と言いながらも、俺にくっ付いて起きようとはしない。 俺も目を開けず耳の機能だけに頼る。
グク
グク
何の話なのかさっぱりだ。 だから一度遠ざかった眠気が、またどんどん近づいて来る。 落ちそうーーー
グク
ジョングクの声が途切れた。 それから深い溜息が聞こえて
グク
俺の肩をべちべちと何回も叩くから落ちかけた所から一気に現実へ。 目も開けた。
"ヤバいかも"なんて何事なんだろうと思うし、あまりにもざっくりした言葉で俺が関係あるかどうかも分からない。 けれど俺を起こしたからには、それなりに理由があるんだろうって。
俺より先に下着とパンツだけ履いたジョングクは髪をかき上げた後で、そのままベッドに腰を下ろして携帯をいじり始めた。 ヤバいという割にそうは見えないんだけど。
グク
その携帯を上半身だけ起こした俺にジョングクが差し出した。
まだ半分ぼんやりしている頭でその携帯を受け取った。
写真こそないがその文字が衝撃的過ぎて一気に覚醒する。
ホソク
グク
俺の手から携帯を取ったジョングクは落ち着いている。
グク
グク
落ち着いた声とは裏腹に険しい表情と目が合った。
家から出られない? 状況の把握はそれだけで得体の知れない不安が押し寄せてきた。 最低だけど"ジミンと会えないかもしれない"なんて事が頭を過った。
インドア派とはいえ、家から"出ない"のと"出れない"のではだいぶ心持ちが変わってくる。 でも俺が調べても仕方がない事だから、それ関連の情報は進んで調べたりはしなかった。 見ない方が良い事もある。
ただ、そうもいかないジョングクは翌日家を出る間際に
グク
少し俯いてそんな事を言った。 別に責める気なんて微塵もないのに。 でもその後直ぐに大きな目を俺に向けると
グク
この状況の一時的な事を言ってるのだろうか。 と、思ったけれどきっと違う。 ジョングクの目はそっちの意味の目じゃなかった。
"熱りが冷める" その期間が明確に記されてる訳でも誰かがわかる訳でもない。 ただ待つしかない。
軟禁状態生活が始まって3日目。 ジョングクは心配させまいとしているのか、以前と変わらない振る舞いで。 別段それについての消息も口にしなかった。
ジミンからの連絡もなかった。 痺れを切らして俺から、と仕事の手を止めて携帯の画面を睨みつけた時。
突然の音量に肩をビクつかせてしまった。 でも画面に表示された名前に一瞬で胸が高鳴る。
ホソク
慌てて応答した俺の声が少し上擦った。
ジミン
甲高い笑い声が懐かしいとさえ感じる。 まだ3日しか経ってないのに、馬鹿だ。 でも馬鹿でもいい、ジミンの声に否応なく浮き足だってしまう程好きだから。
ジミン
ホソク
ホソク
ジミンとの会話はやっぱりそれだった。 当然ジミンも知ってる事だろうから、驚きはしなかったけれど俺がジミンを心配させないように計らった。
ジミン
と少しトーンの落ちた声が返ってきて余計な言葉が口をついて出る。
ホソク
彼女でもないのに。 そう思うけど止められなかった。 声を聞いたら会いたい気持ちが強まって、図々しさに拍車をかけたのだ。
ジミンが小さく笑った声が聞こえて耳がくすぐったくなる。
ジミン