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4件
続き楽しみに待ってます!
ブルルルルッ
えと
もう朝か…
私の名前はえと。
元々耳が聴こえないから枕の下に難聴専用アラームを置いて起きている。
私は耳が聞こえないから人より苦労する事が多い
だから誰かが私の事を呼んでいても私はそれに気づかない
先天性だから耳が聞こえるようになる事は一生ない
少しでも声が聞けたらいいなぁ…
タッタッタッ
えと母
えと母
えと
正直手話無しじゃ何を言っているのか全く分からない
だから私の毎日には手話が必須だ
手話無しで話せるようになりたいなぁ…
皆手話を覚えるのを嫌がって私から離れてく…
もうやだなぁ…
えと母
えと
そう…私は難聴持ちだが初めて普通の高校に行く
私は難聴学校に行く、という選択肢もあったが
自分の未来を少しでも良くする為、信頼しているのあさんがその高校に居るから私もその高校に行く事になった
本当は難聴学校の方がいいけど、より多くの人と関わる為にこの高校を選んだ
もし何かあったとしても…のあさんがいるから大丈夫だよね…
…あ、もう時間だ!
えと
えと母
えと
えと
えと母
ふぅ…緊張する。
本当にあそこの高校でいいのかな…?
……けど、自分の未来を変えるため!!
頑張ろ!
ガチャ
私は7時半に家を出た
うわ…ここが…街……
私は学校に行く時毎回母に送り迎えをしてもらっていた為、
外の街を見る事はあまり無かった
ましてや自分の見た事の無い道
高校に行くってこんなに大変なんだなぁ…
…私がそう実感していると事件は突然起こった
ガタガタガタッ
住宅街や木が揺れだした
……え…なにこれ…
突然の事で唖然としていると周りの人達が何か言い出した
街人(〜!〜〜っ!
街人(〜〜〜!💦
…何を言ってるの…?
私は人の口を見る事しかできず、そのまま立ち尽くしていた
こんなの人生で初めてだった
足元がすくわれるような激しい地響き
住宅街も崩れていく
揺れは収まるだろうと思っていた
けどそんな考えが馬鹿だった
どんどん揺れが激しくなって行って
周りの人達もどんどん向かいに走って消えて行った
私は何をすればいいの?
どうしよう…
??
えと
すると1人の少年が私に駆け寄ってきた
何を喋っているか分からなかったから呆然と立ち尽くしていた
??
??
えと
すると彼はしゃがみ込んだ
…これって乗ってもいいのかな…?
彼は無言で私を見つめる
揺れも激しくなってくる
私は考える暇もなく彼の背中に乗った
タッタッタッ
彼は50kgの私を乗せて軽々と走り出した
ドサッ
??
彼は私を優しく降ろしてくれた
そこには数え切れない程の人が集まっていた
人(〜〜!泣
人(………
中には泣き崩れている人や感情を失って無になっている人も
沢山いた
職員
えと
何を言っているのか分からない…
貰った物を見てみると、そこには”非常食”と書いてあった
…てことは…地震が…起きたの…?
これが地震??
地震なんて初めてだったから分からなかった
私は…この男の人に…救われたんだ…
…お礼、言わなきゃ…
ちょんちょん
??
えと
??
…やっぱりそうだよね、手話、伝わらないよね…
??
すると彼は胸元の右ポケットから1台の携帯を取り出した
??
えと
そこには
おれのなまえゆあん、おまえは?
…と、見やすいように携帯に文字を打って見せてくれた
えと
私も彼の真似をして携帯を取りだし名前を打った
えとです、さっきは有難う御座いました
ゆあん
お前、漢字読めるんだな
読めんと思っとって平仮名にしとったわ
えと
えと
ゆあん
…!
彼は私の表情を見て小さく微笑んだ
ゆあん
えと
私は初めての感情に包まれた
なんだか胸の心拍数が上がっていって…
顔も朱色に火照っていく
止めようとしても止められない…
これって何…?
彼と話している間は避難中でもそんな事を忘れるくらい楽しかった
??
??
NEXT…500♡