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__ガチャ

ドアの開く音。

歩き出す度に床が軋む

クロ

…はぁ

大きな溜息。 仕事を終え、ソファに座る

クロ

ったく…いつになったらあの問題片付くんだよ…

職場で問題になっている仕事を どうにか解決させようと悩んでいた。

《嗚呼、やっぱり好きだ》

そう思った。

最近は先輩の盗聴しかしていない。 仕事なんて捗る訳も無く、唯大好きな 先輩をこうやって独り占めする事が 生きる糧であった。

クロ

…あ、もしもし。

誰かと電話をしている。 落ち着いた声色、いつもの無表情で。

《誰ですかその人。》 《俺だけをみてくださいよ》

そんな感情しか湧いて出てこなくって 初めは自分が憎たらしく思った

しかし段々麻痺してきたのか 当たり前のように呟いてしまう

クロ

…ああ、わかった…今からなのか?

《今から?どこ?》

クロ

…公園な、了解。

《じゃあいつもの所ですね!》

擬似会話をしてみるのも 楽しいのかもしれない。

先輩の家に近い公園と言えば 1つしかなく、行くのは容易であった

夜でも暑くなり 空気が重い

しかし風は涼しかったため 何とか向かうことができた。

じん

…!!

クロ

居た。

腕を組み、相手を待っているようであった

綺麗な肌、冷たい視線。 それに対して温かい言葉をくれる

自分より歳上であるにも関わらず 身長は少し低めであったため なんだか親近感を覚えていた。

先輩の為に仕事を頑張って たくさん手を汚して 先輩に近い立場にもなれた。

それもこれも全部 先輩の為。

クロ

…遅いな

ああ、もう!!

こんなに先輩を待たせてしまって 誰なんですか。

どこの男ですか。 どこの女ですか。

部下A

クロさん!

女性がクロに歩み寄る

クロ

お前遅いぞ

部下A

えへへ…すみません

いつもの邪魔女。

職場で最近よく話している2人だ クロさんは忙しいのに。

目当ての物を渡されたようで 満足したのか2人が歩き出す

部下A

…クロさん、手繋ぎません?

クロ

あ?

クロ

何故だ?

部下A

それは…

ここからはよく聞き取れなかった 怒りや嫉妬で狂い 何も見えなくなっていたからだ。

2人は手を繋ぎクロは家とは逆の方向へ 向かっていった

どうやらあの女性を送るようであった。

じん

…許せない

護身用のナイフが光る

部下A

ありがとうございました!

クロ

ん、気をつけろよ

ストーカーも慣れたものだ。 気付かれずに尾行する方法を 先輩から習ったから。

2人が別れた事を確認して 女性の方へ向かった

じん

…すみません

部下A

…?

彼女が振り返った時には 鳩尾にナイフを突き出していた

短い悲鳴が聞こえたが そんな事はお構いなくもう一度刺す

肋周辺はかなり力がいる。 上手く刺しにくいがそんな事は どうでも良かった

じん

…先輩に近づくから悪いんだよ

じん

この尻軽女が

そう言って少し汚れを落としてから 先輩の家へと向かった

じん

こんな事なら…

良い方法を思いついたのだ。

ピンポーン

インターホンの音が鳴り 先輩はなんの抵抗もなく家へ入れてくれた

クロ

仕事終わりか?

じん

まぁ…そんな感じです。

クロ

そうか。お疲れ様

会話をするだけで胸が苦しい。 恋というのはこんなにも 痛いものなのか。

じん

…先輩

クロ

なんだ?

じん

家の鍵貸してくれませんか?

クロ

は?

クロ

いやいや…1つしかねぇし…

じん

良いですから

じん

信じて下さい。

まぁ…という風に 鍵を渡してくれた。 なんて馬鹿な先輩なんだろう。 そんな所も含めて愛しています。

クロ

それで…どうするんだ?

じん

その前に…

ナイフを油断していた先輩の手の甲へ 思いっきり突き刺した

クロ

っ"…!?

驚いたような、失望したような。 いつも余裕のある表情の先輩が こんなにも焦るなんて。

痛みで踠いている間に 先輩の仕事道具置き場にあった縄で 手足を縛った

クロ

お前が裏切るなんてな…

じん

裏切る?誰がですか?

じん

俺は裏切りませんよ。先輩に一筋ですから

クロ

じゃあ、どうして…

可愛い。 そう思えた時には もう一本ナイフを手に取っていた

じん

…好きだからですよ。大好き。

じん

俺は先輩に、変な虫がつかないようにしているだけです。

クロ

じん

その絶望した顔も好きですよ

恐怖に怯え、微かに足が震えている先輩。 その恐怖は自分に向けているのかと思えば 興奮もしてきた。

じん

この綺麗な足も…俺のためなら捨ててくれますか?

クロ

何を言って、

じん

たくさん一緒に歩いてくれましたよね。でも殆どは任務の為です。

じん

でも今なら、任務もしなくていいんですよ!

じん

俺のために、捨ててくれますよね。

そう言って根元に刃を刺した 血が服に滲み出す

切り落とすのは大変なので 1度刺しただけで許した。

クロ

っ…くぅ…

情けない顔は見せたくないのか そっぽを向いてしまう。

じん

…先輩、俺だけをみて?

じん

その顔も見せてよ。声も聞かせて下さい。

じん

痛みに悶える先輩の顔、中々見れませんから

顔を優しく掴み 此方を向かせて見つめ合う

今にも涙が溢れ出そうな目は いつもの目より更に ハイライトが消えていた

数秒見つめあった後に 強制的に口付けをした

深くキスをしていた為か 先輩は舌を噛んできた。

そんな事にビクリともせず 血混じりの唾液を送り込むだけであった

じん

…ん

じん

先輩、愛してます

クロ

…た、すけて…

クロ

たすけて…ころされ、る

じん

!!

稀に見る症状だ。

先輩は時折、不安になると助けを求める 情緒が安定せず落ち着かせる必要があった

じん

大丈夫ですよ、先輩

じん

俺がついてます。

少し血の滲んだ服で 先輩に抱きつく。

先輩は呼吸が段々浅く、速くなっていく

じん

…先輩、落ち着いて下さい

クロ

はッ、はぁッ、はッ、げほっ、

じん

大丈夫です、怖がることはありませんから

最初は抵抗していたものの 落ち着いてきたのか静かになった

ぐったりしたような形で 自分に持たれ掛かってくる

じん

…先輩、落ち着きました?

クロ

寝ているのか、返事はない。

じん

…俺も寝ますね。おやすみなさい

イワシ🐟

皆様どうもこんにちは!!

イワシ🐟

最近浮上していなくてすみません🙇‍♂️

イワシ🐟

リハビリ小説となりましたが…思ったより長くなりました…

イワシ🐟

参加型の方も書きますので宜しくお願いします🙏

イワシ🐟

それでは

イワシ🐟

🐟💨💨💨

イワシのリョナ博物館

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