花が咲くような君達の笑顔

LAN視点

俺には両親がいた

母は持病持ちだが温厚で滅多に怒ることは無かった

そして、お金の管理の仕方やお金のありがたさを昔から叩き込んでいた

父は俺と母に殆ど干渉しない人だった

干渉する時は、機嫌が悪い時

ガシャンッ

そんな父は母に弱かった

母に手を上げたことは無く

母の言う事を大抵聞く

でも、俺に手を挙げるのを止めてと言う母の願いは聞き入れなかった

そして母の持病が悪化して旅立ってしまった

父さんは荒れてしまった

部屋は荒れ、食事もコンビニ弁当やインスタントが多くなった

家では母さんしか頼れなかった

父は酒に溺れ、俺を見向きもしなくなった

それもそのはず

俺には母親の保険金含めた財産とこの家が残った

配偶者の父には渡さないと、遺書に書いてあったらしい

俺にお金の知識をつけさせた

それが…許せなかったのだろう

ある日、帰った父が居なかった

酒を買いに行ったのか、仕事を探しに行ったのかわからなかった

その日から、父は家に帰らなくなった

サイレンがうるさくて目が覚めた夜

パトカーや救急車、村の人の悲鳴や泣き声が沢山聞こえた

外に居た人を無差別に刺し、何人も怪我をし、何人も亡くなったと聞いた

犯人は未だに見つかっていない

それから数日が経った時

こさめに声をかけられた

こさめの証言で心当たりが1人しか居なかった

こさめは学校に行ったことが無いらしい

こさめも、家族が居なくなってしまった

こさめのお母さんを殺した息子と暮らしたいなんて普通思わないと思った