母
母
母
母
1月の寒い日だった
私のおじいちゃんは死んだ
葬儀は家族のみで行われた
母
母
母はおじいちゃんの遺体に触れた
私も触れた
由美
母
おじいちゃんが火葬されていくのを見てもまだ現実感がなかった
結局、3日間かけて葬儀は終わった
私は後になっておじいちゃんとの思い出ばかりが蘇ってきた
おじいちゃん
おじいちゃん
由美
小さい時はよく本を読んで貰った
おじいちゃん
由美
由美
おじいちゃん
由美
おじいちゃん
おじいちゃん
由美
由美
おじいちゃん
おじいちゃん
おじいちゃん
私が中学生になるとあまり会わなくなった
けど、1度電話でこんなことを言われた
おじいちゃん
由美
おじいちゃん
由美
由美
由美
おじいちゃん
おじいちゃん
おじいちゃん
おじいちゃん
おじいちゃん
由美
おじいちゃん
由美
由美
高校生になるとおじいちゃんは病になり、ほとんど喋れなくなった
たまにメールのやりとりをした
おじいちゃん
由美
高校生になると忙しく、おじいちゃんにメールを送る機会もなかった
これが最後のやり取りだった
おじいちゃんが死んでから、おじいちゃんのことを思い出すなんて卑怯だと思う
生きている時は気にもしてなかったくせに
先生
由美
先生
由美
先生
先生
由美
おじいちゃんが死んでから、 おじいちゃんに会いたくてたまらなかった
何度も1人で泣いた
由美
由美
【死んだ人 生き返らせる】 何気なく検索ワードに打ち込んだ
由美
由美
由美
由美
【ネクロマンシー】 ネクロマンシーは、死体による占い全般を指す通俗的な呼称で、未来や過去を知るために死者を呼び出し、また情報を得るために一時的な生命を与えることを含む。
由美
由美
深夜3時
由美
由美
私は、部屋を見回した
由美
クマの人形だった
由美
調べてある呪文を唱えた
由美
一気に現実に戻されたようだった
由美
そのとき
グエグオアヴゥヴヴ
気味の悪いうめき声が聞こえた
由美
由美
クマの人形の目から血が垂れていた
クマの人形
由美
クマの人形
人形は不気味に首をグルグル動かした
クマの人形
クマの人形
朝になると人形は話さなかった
けど、おじいちゃん曰く夜にしか話すことが出来ないらしい
由美
クマの人形
夜
クマの人形
由美
クマの人形
クマの人形
由美
クマの人形
クマの人形
由美
由美
家族が寝たのを確認して裏口からこっそり抜け出した
**墓地なら徒歩圏内だ
由美
クマの人形
由美
最終的に着いたのは真っ暗な場所だった
クマの人形
クマの人形
由美
由美
クマの人形
クマの人形
由美
そして、私は0から数を数えはじめた
由美
怖さはあった、けどおじいちゃんの言うことなら大丈夫
由美
数えているときに笑い声がきこえた
由美
徐々に111が近づいてきた
由美
『言っちゃダメだ!!』
由美
目を開けた
由美
魔物
魔物
魔物
私が見たのは、巨大なバケモノだった
魔物
バケモノは私に掴みかかってきた
由美
由美
『わしの孫に手を出すな!』
またあの声だった
魔物
魔物
バケモノは眩い光とともに消えていた
由美
返事はなかった、けど本当のおじいちゃんがすぐ近くにいる気がした
由美
由美
由美
由美
由美
由美
『おじいちゃんは由美ちゃんに謝って欲しくないよ』
『これから死者の世界でずっと見守ってる』
由美
由美
由美
涙が止まらなかった
最後のナミダ
これからは、おじいちゃんのことで泣かない…前へ進む!
気づいたら朝日が昇っていた
あのクマの人形は1度も姿を見せることはなかった
由美
由美
コメント
4件
おじいちゃんステキだなぁ。 ファンタジー×ヒューマンドラマ。 ステキなお話でした。
あのクマはおじいちゃんのフリをしていた(?)…最後はおじいちゃんと話せてよかったですね✨