テラーノベル
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暗い、暗い舞台の上で
1人の彼/彼女がロッキングチェアーに 腰を掛け、読書をしている
瞼を閉じ、開けたかと思えば 突如として口を開く
???
???
???
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???
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???
???
???
目の前の彼/彼女は、まるで"こちら"を 認識しているかのように
あるいは、全てを見透かしている かのように
一点を見つめ、語りかける。
???
一呼吸置き、彼/彼女が本を 閉じた時
空気の流れがピタリとやんだ
???
そう、口にした後
立ち上がり、堂々たる振る舞いで
舞台の真ん中へと立った
???
???
???
???
左手を胸に、右腕を虚空へ広げ 彼/彼女は"語り部"のように
"こちら"を見送った
舞台の幕が落ちる
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第1章
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─ 開 演 ─
朝日の眩しさで目が覚める
和歌 凪沙
今日から冬休み
生徒達は、クリスマスやらデートやらと 年相応の話題で盛り上がっていて とても楽しそうだった。
だが、大人となるとそうも行かない
別に休みが無いわけじゃない
ただ今日は冬休み明けの軽テスト の製作と
来週に門前の雪掻きをするくらいだ
溜息の出るようなスケジュールに背を 向け、玄関へと向かう
和歌 凪沙
独り言を呟き、ポストを確認する
すると、そこには1つの手紙が 入っていた
和歌 凪沙
何だろうと考えながら、外を後にし 部屋へと戻った
和歌 凪沙
その手紙は、どうやら招待状の ようだった
和歌 凪沙
和歌 凪沙
チケットと同封されていた手紙を確認すると、このように書かれていた。
「おめでとうございます、貴方は 2泊3日の秘湯巡り券を見事 引き当てました!宿泊場所は最近 リニューアルした館を貸し切りとさせていただきました! 執事達が何から何までこなし メイド達が料理をご馳走いたします。そんな夢のようなチケットと なっております!…
そして、手紙の端の方には
以下住所となっております 〇〇番地✕✕✕… このチケットを手にした貴方に、素敵な 思い出を…。」
などと書かれていました
和歌 凪沙
和歌 凪沙
冬休みは2週間と4日
たっぷりとある時間を、仕事疲れで 蓄えた疲労を癒やす旅行へと費やす 事にした。
冬の冷たい空気と、森の風に 当てられながら
記された住所へと向かう
和歌 凪沙
和歌 凪沙
思ったよりも遠く、舗装された山道を 歩き進んでゆく
和歌 凪沙
しばらくすると、大きな建物が見えてくるだろう
和歌 凪沙
和歌 凪沙
だが
後数歩というところで
視界がぐらついた
歪んだ視界じゃ、とても体を 支えきることはできなくて
そのまま意識を手放した。
…頭が痛い。
ふと、意識が浮き上がるだろう
それは段々と目を覚まそうという "意識"を定かにしてゆく
眩しい光に目を凝らしながら
クラクラとする頭を抑え、目を 開けるだろう
そこに待ち受けていたのは
豪華な屋敷でも、夢だったというオチ でも何でもない
脳が拒絶するほどの状況だった
和歌 凪沙
和歌 凪沙
状況を飲み込めば飲み込もうとするほど
更に頭を混乱させる
和歌 凪沙
知らない場所、知らない空気 何が起きたかも分からない
後退りしていると、足に何かがぶつかる 感触がする
和歌 凪沙
知り合いでも、友人でも何でもない 人がそこには倒れていた
いや、違う
周りを見れば、自分だけじゃない人達が 床に倒れていた
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コメント
2件
最&高なり(⌒▽⌒)🫰
選ばれたのは和歌さんでした✌