おはよう世界。もう起きたくもないこの世界。
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そう言って起き上がると、朝の支度を終え今日もいつも通り学校へ登校する。
でも俺はそこから授業を受けるのではなく、つい一週間ほど前に入学してきた一つ年下の不良仲間?である昔からの親友のショッピがいる屋上へ向かう。
そこにつくと案の定ショッピが寝ていた。
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体を揺さぶっても起きない彼はよく眠る赤子のようだ。
しばらくすると自分も眠たくなってきてしまったため、ショッピの横に寝ころぶ。
目を覚ますともうお昼時だった。購買に行かなければいけないので急いでショッピを起こす。
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そう叫ぶとやっと彼は目を覚ました。目を擦りまだうとうとしているようなので、文句を言ってやる。
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自覚なしかこの野郎!
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俺が言い終わる前にショッピは購買へ走り始めた。
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俺も急いで後を追いかける。
購買に着いた時にはすでに売り切れていた。
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諦めまでが一瞬である。
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syp
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それだけ言って、屋上へ戻った。
待っている間暇なので二度目の昼寝をする。
目を覚ますと、1時間は経っていて、普段なら俺とショッピは学校に飽きてどこかに遊びに行く時間だったので少し焦った。
だがどうやらショッピはそばで待っていてくれたらしい。
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syp
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そして屋上を降り校門をくぐりいつも通り駄菓子屋まで歩いていく。
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長いこと話していると、ショッピは明らかにだるそうにあくびをした。
ふざけんなこいつ。少しイラっとしたので殴ると、驚いた顔で振り向いて怪訝な顔をした。
いやマジごめんて。そこまで驚くって思ってへんかってん。
そんな言い訳は口から出ることなく駄菓子屋まで沈黙が続いた。
駄菓子屋の横にある遊園地のチケットを見てショッピは呟いた。
syp
嘲笑気味なそのセリフにまたもや腹が立つ。
マジもう一発入れてやろうかと思ったが、それよりもこっそりショッピの籠に俺のお菓子を一個入れた方がいいなと思い、さっさとお菓子選びを始める。
負けた。この事態を想定していたのかショッピはささっとお菓子を買って出て行ってしまった。
この野郎!先輩を待つことも出来へんのか!なんて心の中で文句を言いつつ急いで追いかける。
それからも行く先は一緒で今度は公園だ。
と、その前に、結局奢ってもらえなかったので一発お見舞いすることにする。
軽くたたいたつもりがまたショッピは怪訝な顔で、「ロボロさん?」といってきた。何だよ!俺が悪いってのかよ!このなまいきが~!!!!!!!
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なんて怒ると
syp
と震えた声が聞こえて来た。一瞬泣いているのかと思ったが、絶対違う。
そういえばこんな奴やった。俺が叩いたら、身長足りませんねって毎回言ってくる奴やった。
今回は言わんでなんや!俺の事内心バカにしとるんやろ!今どうせ笑っとるんやろ!むかつくからあとでお菓子盗ったる!
まぁ色々とあったがなんとか公園まで着くことができた。
公園に着いた時には夕方で日が暮れるのも時間の問題のようなときだった。そんな時突如、先ほどとは雰囲気を一変させてショッピが口を開いた。
syp
これでもかというほど目を見開く。いや、こいつの事やから恋愛とかではないんやろうけど、かといってこいつは友達にそんな事言う奴でもない。
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そう言っても何も返してくれない。そしてまた彼は口を開いた。
syp
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その返答は返される事なく、静かにショッピへついて行く。
歩けば歩くほど山道になって険しくなっていく。そして俺は嫌な予感がした。
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こんなに取り乱した自分は、自分自身でも珍しくてめったに見ない光景だった。
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何を言おうとショッピは足を止めてくれなかった。そして着いた。着いてしまった。その場所に。
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周りは見渡す限りの墓。ショッピは迷うことなくたった一つの墓の前に立つ。そこには明確に書いてあった。
ロボロ
その名が。
ああ、そうだ。俺はあの時、死んだんだったな。
突っ込んできたトラックからお前をかばって。
まさかずっと気にしてたのか?そんでこれてなかったのか。
なら、なら辻褄が合うな。ここには家族が来た。同級生、先生も来た。親友のメンツもいっぱい来た。
でもお前だけは来てくれなかった。
だから俺は成仏出来てなかったのか。
するとショッピは、話し始めた。
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静かな墓場。ただショッピの泣き声が響いた。
もう俺にはどうしてやることもできない。さっきはきっと未練が強すぎてお前にだけは干渉できていたのに、もう触れる事すらできない。
お前から俺は見えないし、声も届かない。
あぁ、苦しい。こんなに近くにいるのに、こんなにショッピを思っているのに、どうしてもお前を笑顔にすることができない。
せめて、この一瞬でも。
気が付けば目頭は熱くなって肩は震えて今にも大粒の涙が溢れだしてしまいそうだ。
syp
いるよ!ここにいるよ!どれだけ思ったって伝わらない気持ちに嫌気がさす。
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とうとうこらえきれなくなって目から大粒の涙が溢れだす。その時だった。
syp
ショッピは俺のことが見えているようだった。
すでに俺の体は透き通っていて、もうすぐ消えてしまう事なんか考えなくても分かる程だった。だからきっとこれは神様が与えてくれた最後のチャンス。
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syp
震えているおぼつかない言葉にも、ショッピはきちんと反応してくれた。
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突拍子もない言葉にショッピは驚いた。そして、笑った。
syp
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2人の笑い声が響き渡る。あぁ、幸せだ。ショッピが笑ってくれた。でももう時間みたいだ。最後に、最後に何か言わなくては。
syp
突如のショッピの言葉に驚いた。
ショッピから何か言ってくるとは思わなかったし、ましてや家族としてなんていわれることはないと思っていたからだ。
でもショッピは俺のことを家族のようだとみてくれていたのだ。
正直もう顔なんかぐちゃぐちゃで、また泣き出してしまいそうだが、ショッピはきちんと笑ってくれているので俺も笑って言う。
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美しい夕日に、風がなびき桜を舞わせる。
その美しい春景色は、自分たちと共に1人の少年さえも奪ってしまった。そしてその場所には、1人の泣き声が木霊していた。
syp
ただその顔には、負けた悔しさなど映ってはいない。
たった1人の友を思う表情。そして微かな優しさ。少しの我慢。彼が旅立っていくまで、笑顔を保ち続けたそのすべてが返ってきた。
いま、大粒の雨となり。
美しい春の夕日が窓から差し込むころ。
看護師
新たな生命が、まるで惹かれあう運命かのように共に誕生した。
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