『可愛い』

桃赤 パパ活？ 女装 高校生赤くん、社会人桃さんのお話 どのくらい続くかは未定です この作品はご本人様とは一切の関係がございません 苦手な方はここで閲覧をお控えください

鏡の前でくるっと回ってみる

女の子が着るようなかわいい服も、初めは嫌だった

不慣れなメイクもやっていくうちにそこら辺のかわいい女の子たちと張り合えるくらいには上手になった

離れていってしまうから

ぼーっとしながら人の多い街をながめる

特にすることもないけど家に帰ると孤独を実感してしまうから暇つぶしのためだ

って言っても暇だけど

りうらの家は裕福な方で欲しいものは手に入るし、親はりうらのやることを否定したりしない、優しい親だ

でも

両親が海外で仕事をするようになってりうらは1人で生活することになった

寂しい

ただそれだけだった

そこには20代くらいの顔の整った男の人がいた

オシャレな服を着ていて雰囲気は優しい感じのお兄さん

何かと思えばナンパ？

最近では性別に囚われない思考が重視されているからおかしいことはないんだけどこの人は絶対に変人だと思う

パパ活…みたいなものか、この人若いけど

別にお金なんか欲しくない、じゃあなんでって言われても分からない

1人が、嫌だったのかもしれない

いやいや、この人なにいきなり家連れ込もうとしてんの？

パパ活とはいえもうちょっとなんかあるでしょ、詳しくないから知らないけど！

そういうのは段階が大事じゃん？というお兄さんに意外としっかりしてんだこの人、なんて失礼なことを思った

いや、こんなことしてる時点でまともじゃないのはたしかだけど

ん？ていうかまだって言った？これからはそういうことすんの？

思うところはたくさんあるがめんどくさいので黙っていよう

意味わかんないけどきいてもあとでのお楽しみ、なんて誤魔化されて教えてくれなかった

仕方がないので黙ってお兄さんの家へ向かうしかない

ほんとになんでりうらはこんな人についていったんだ

はい、どうぞ上がってと言われて案内された家はとても綺麗でオシャレな感じだった

聞きたくなかった

そんなこと言われると何も言い返すことないな…

こっちおいで、と言われとある部屋の前まで移動する、そういうことしないのに家ってまじでなんなんだろう…

さっきまでの部屋とは全然雰囲気の違う部屋に連れてこられびっくりした

たしかにオシャレなんだけど可愛い雰囲気で

なんてにやにやしながらきかれた

よく見ると女の子が着るような服もかけてあって、彼女でもいるのかな

いや、いたらこんなことしないか、なら前に関係を持っていたのは女の子だったのかな

なるほどな、可愛い部屋で過ごしたくて家まで呼んだ訳か、可愛いお店は男二人じゃ入りずらいし

こういう雰囲気の部屋に入るのは初めてなので珍しくてキョロキョロと部屋を見回す

お兄さんは可愛らしい服を2着持ってこちらに尋ねてくる

りうらが指さしたのはフリルが多くあしらわれたピンクのかわいい服

特にどういうのが好きって訳でもないけど聞かれたから素直により惹かれた方を選んだ

りうらが選んだ方の服を差し出された

とりあえず受け取ったけどマジで何？

これを？この『可愛い』を着るの？

と言ってクローゼットを開けだすお兄さん、そこにはかわいい服が沢山入っていた

こいつやっぱり変人だった

りうらが？

そうだ、ここで断ったらまたひとりで一日を過ごさなきゃいけなくなるんだ

嬉しそうにお兄さんが出ていったので自分の手元にある『可愛い』に目をやる

とりあえず着てみて鏡の前に立ってみる

お兄さんのいかにもわくわくしてます！って声が聞こえてきた

テンションの低い声で返事する

すると勢いよくドアが開いた

お兄さんが勢いよく抱きついてきた

お兄さんは渋々と言った感じで離れた

悲しそうな顔をしているが嬉しそうにも見える表情をするお兄さん、きもい

ないくんはほんとに気持ち悪い変人だけど…久しぶりに誰かと過ごせて楽しい、なんてね