イービア
シロ
階段をおりて目の前に現れた大きな扉
所々薄汚れて古っぽい
イービア
イービア
徐ろに差し出された手は 切り傷だらけで綺麗な顔とはどうも不釣り合いで怖くなった
扉を開けた瞬間鼻を塞ぎたくなる 鼻の奥をツンと刺すような悪臭が漂ってきた
何かが腐ったとしても絶対にこんな匂いはしない
その次に足の近くに目線をやると 大量の血痕 こぼれた薬品や使用済みの注射器が落ちている
シロ
思わず顔を背けると、 ととはシロの手を握る力を少し強め 自身の方に身体を寄せた
その横顔は何処か後悔の念を感じさせて 少し心が痛くなってしまう
イービア
研究員
その部屋には疲れ切っている白衣を来た男性が一人立っていた
見た感じ実験室の様だけど シロが見慣れた綺麗な状態ではなく
ボロボロでどこからか酸っぱい香りがする
奥に目をやってみると何かが蠢いている
シロ
シロ
シロ
消えてしまいそうな声でそういった時にはもう遅く
男の人は焦った表情を浮かべ 「違うッ…これはッ…!!!」と言うが ととは興味が無さげな表情のままだ
イービア
と、言い 男性を軽く押し退け蹲った人の傍にととが寄る
イービア
イービア
イービア
そう蠢く力も残っていない様な人にととは告げる
徐にその人の片手を両手で大切そうに取り 自分の額に当てる
イービア
心做しか今シロの隣に居る人も震えている
研究員
シロ
シロ
研究員
シロ
シロ
研究員
シロから目を背けたおじさんはどうしてか、 みっともない訳でもない
「素直な人」 なのかなと思ってしまった
ぢゅっ、ぅるる と音がその時響いた
思わずその方向に向き直ると ととが蠢いている人の膿を直接吸い出していた
そう、口で
近くにあった缶の中に吸い出した膿を吐き捨てた ととの口元には赤い血がベッタリと着いている
イービア
手招きされ、重い足を引き摺る様に行く
ととは包帯を渡し 消毒液を取り出した
イービア
イービア
シロ
イービア
笑みを浮かべた口には まだ膿と血が付いている
腕、足、胴体
包帯を巻いて締める 恐怖と謎の疲労感のせいで力が入らない
最後の部位まで包帯を巻き終わると、 ととは言葉を連ねた
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
研究員
イービア
イービア
シロ
イービア
イービア
研究員
ととがそう告げると 男の人は無言で立ち去ってしまった
見上げるほど高い身長なのに 背中が小さく見えてしまったのは気のせいだろうか
イービア
イービア
ととの服の袖から黒い物がチラついた
シロ
拳銃だ
拳銃をととがシロの手の上に置くと 重さにも驚いてしまった
少しだけ頭の中が真っ白になってしまい
ととの顔と拳銃を交互に見る
イービア
イービア
イービア
イービア
シロ
イービア
ととがくすりと笑い シロの後ろ側に立ち
拳銃を握らせ自分の手を上から被せ シロの指をグリップに掛ける
少しづつととがグリップに置いている部分へと力を込める
すると同時にシロも力を込めてしまい 銃口の先に居る人と銃を見つめる
不意にととが指を離す
シロ
先程までどうにか蠢いていた人は
赤黒い穴がぽっかりと開き そこから赤色の液体が吹き出して動かなくなった
シロ
ふと、足元を見ると裾に赤色のシミが大きく着いている
シロ
イービア
今にも笑いだしそうな明るい声で そう、ととは言う
イービア
イービア
イービア
シロ
イービア
興奮した様子で 瞳孔を開いたまま、にこやかに笑う
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
イービア
ソレに指を差し、 少し屈む様にしてシロを後ろから抱き締める
イービア
吐息と笑い声混じりの声が耳に響く
耳、目、肌、鼻 その全てから情報が入り 身体が限界に達し
奥から酸っぱくて少しだけ塊混じったモノが上がって来た
シロ
イービア
イービア
吐き出した後 意識を手放した
あぁ...起きたくない
起きたらまたあの惨状が広がっているのでは。 という恐怖が身を固める
今更起きても正直な話 あの人、ととが待っている
あの人の事は嫌っても居ない、 けれど同時に特段好いている訳でも無い
ヨハ姉やクロ、実験体の皆の方がよっぽど好き
だけど同時に あの人の言うことさえ聞けば安全なのかもしれないと思う
所長なんて言われるのであれば 間違いなく偉い立場で きっと権力も大きい
気に入られている今の現状なら 比較的要望も通り易そうだ
そしたら きっと皆だって喜んでくれる
けど...
そんな事をするよりも恐怖が勝って 目を開けられない
許される時間まで眠って それからまた考えたいな...
______ろ
______きろ
______おきろ
さっさと起きろ!
シロ
ラン
フラム
ユアル
ユアル
シャーヤ
シャル
シロ
シロ
シロ
暫しの沈黙が続く
そんな中口を開いたのはシャーヤさんだった
シャーヤ
シャーヤ
ユアル
シャル
フラム
ラン
全員が口々にそう言うと 大きな溜め息が響く。ランさんだ
左目の部分に軽く手を当てた後、 全員の顔を一瞥する
ラン
フラム
そう言うとシロに分厚いファイルを手渡し 「読め」と一言だけ告げる
ページを捲った時 その行動に深く後悔した
そこには様々な見るも無惨な姿になった人達... いや、人では無いナニカのデータ、写真が乗ってあった
フラム
フラム
ラン
ユアル
ラン
シャーヤ
ラン
シャーヤ
ランさんはくすりと笑い 「必要な事だからだ」と言う シロを含めてそこの全員は混乱している
するとランさんはシロに近付いて シロが座っているソファの前に跪く
するとマスクを外した顔が露になった 火傷で爛れた皮膚は正直気味が悪かった
そのままランさんはシロの右手を優しく取ると 軽く、甲に口付けをした
ユアル
シャーヤ
フラム
シャル
ラン
ラン
ラン
ラン
シロ
シロ
シロ
コメント
21件
シロちゃんッッ~!?!? ヤバィ~!!!!!!
シロちゃんがぁ!!!!シロちゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 闇堕ちしちゃったぁぁぁぁ…(´・ω・`)
シロちゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!! いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!クズービア!!!!!おい!!お前のブツやらなんやら切り落としてだるまにしてやろうか!!!!