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話すことないからどーぞ

うち、有栖初兎は2年間父さんの仕事の都合で九州に住んどった。

もともと関東に住んどったから、仲のいい友達たちと離れるのはすごい寂しかったけど、中3やったうちに一人暮らしって言う選択肢はなく

泣く泣くみんなと離れることに。

そして今日、やっと住み慣れた地に戻ってきた。

初兎

わ〜!

初兎

久しぶりの我が家やぁ…!

初兎

やっぱこの家が1番落ち着くな

そうやなぁ

ふふっ、そうね

姉さんはしゃぎすぎだよ

父さん、母さん、そして弟の龍

当たり前やけど何も変わってなくて安心したなぁ…

でもうちはまたすぐに出ていくことになるんやけど…

なぁ初兎、本当に乾学園に行くの…?

初兎

うん!もちろん!

でも…

なんでよりにもよって乾学園なんや…

あそこは男子比が多い上に全寮制なんやぞ…!

父さん、寂しいっ…

初兎

え、ええっ…泣かんでよ父さん…!(苦笑)

乾学園なんか、そりゃ有名な進学校やけど…

ここらじゃ有名な暴走族の巣窟らしいやんか…!

確かに俺も姉さんがあの高校に行くのは反対だな…

初兎

あはは…

確かに父さんが言うことは間違っとらん。

うちが通うことになる乾学園は、表…つまり公には県内トップの進学校やけど

実はいわゆる『不良』と呼ばれる生徒が多い。

裏では『暴走族の監獄』なんて言われとるらしい。

そんな危ないとこに、こんな可愛い初兎を入学させるやなんて…!(泣)

って、父さんってばまた可愛い可愛いって…。

それは自分の子供だから思うことで、うちに可愛さなんてこれっぽっちもない。

ひ弱なわけでもないし、可愛いわけがないんに…。

初兎

心配してくれんのは嬉しいけど、うちは大丈夫やで!

まぁ姉さんなら誰にも負けないでしょ

初兎が強い子なのは十分分かっとるが、そうは言うてもなぁ…

一体何が不安なんやろう?

うちは幼い頃から、父さんに言われて空手に柔道、護身術も習っとった。

おかげで父さん以外に負けたことなんか一度もないし、男の子並みにたくましく育ったと思う。

初兎

どうしても乾学園に行きたいねん…あかん?

うっ…‼︎か、かわいい…!

また変なこと言っとるけど、お願いすれば、父さんはNOとは言えんのをうちは知っとる。

昔から父さんはうちと龍にはこれでもかというくらい甘い。

し、仕方ないなぁ…

寂しいけど、初兎のお願いを断るわけにはいかんからな…(泣)

初兎

ありがと!父さん大好き!

えへへ、父さんが優しくてよかったっ…。

しょ、初兎…!

父さんも大好きだ!

…で、でも、いくつか約束してくれんか?

初兎

約束?

首を傾げると、父さんは

ちょっと待ってくれ…!

と言って別の部屋へと走って行った。

すぐに戻ってきた父さんが手に持っとったのは…小さな箱。

父さんは、それをうちの前でパカっと開いた。

万が一の時に用意していたんやけど…

高校にはこれをつけて通ってくれ

初兎

…え?何、これ?

箱の中に入っていたのは…。

ボサボサの黒髪ウィッグ…に、おっきいメガネ。

あと…カラーコンタクト?

さっぱり状況が分からず、再び首を傾げる。

父さんは、まるで苦渋の選択を強いられた人のように顔を歪め、口を開いた。

そんな可愛い姿であんな危険な場所になんかやれんから…

せめてこれをつけて学生生活を送ること!

これが…父さんからの絶対条件や!

確かにうちは白髪で目は紫だから、一見悪目立ちしてしまう。

カラコンとウィッグに、メガネも…か。

…でも、少し面白そうかもしれんっ…。

初兎

分かった

初兎

ちゃんと付けていくな

うちが、この高校に通いたかった理由。

それは、この学校には遠距離恋愛中の恋人である、まろちゃんこと、猫宮いふがおるから。

ちなみに、まろちゃんはうちが帰ってきたことも、乾学園に転入することも知らん。

びっくりさせようと思って、秘密にしとるんよね。

変装して…さらにびっくりさせるんもいいかもしれん…。

まろちゃん、うちやって気づいてくれるかな…ふふっ。

初兎

ちょっと試してくるな!

洗面所に向かい、変装セットを全て付けてみると、うちの面影は全くもって無くなってしまった。

初兎

うわっ…これは誰だか分からんかもしれんっ…!

初兎

ど、どう?

父さん、母さん、龍の前に立つと、みんなはうちを見て目を見開いた。

す、すごいやん…!

初兎の可愛さが完全に隠された!

あらま、ここまで変わっちゃうのね〜…

これなら大丈夫かしら

確かに言われないとお姉ちゃんって分からないね、これは

まろちゃん、気づいてくれるかなぁ…あはは…ちょっと不安…。

まろ

『初兎がどこにおったって、俺が見つけたるから』

ふと、昔まろちゃんに言われたセリフが脳裏をよぎった。

…うん、きっと大丈夫や。

まろちゃんならきっとすぐにうちやって見破って、びっくりしたって笑ってくれるはず。

"fatalのみんな"も、気づいてくれたらええな…。

早く、みんなに会いたい。

待っててなまろちゃん。

初兎

ふふっ…

うちは恋人の顔を浮かべ、にっこり微笑んだ。

波乱万丈な学園生活が待っているとは、知る由もなく。

総長さま、溺愛中につき。

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コメント

3

ユーザー

初コメ失礼します このお話著作権侵害なんじゃないですか? パクりは辞めてください。迷惑です。

ユーザー

8話まであるよね

ユーザー

総長様溺愛中につきおもろいよ!

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