中原 中也
中也が目覚めると、椅子に座って横に居る太宰が目に映った。
首を少し傾けて、目を瞑って居る。
暖かく、話す相手も居なかったため一緒に寝て仕舞ったのだろう。
中原 中也
寝具から身を起こし、ふとそんな事を思って仕舞う。
途端、自身の思考に赤面した。
中原 中也
体重を掛けた場所がぎしっと音を立てると、目の前の太宰が目を開けた。
太宰 治
中原 中也
間抜けな相槌が口をついた。
太宰 治
中也は時計を見る。
まだ一時間目の途中_と云ってもそろそろ終わるが_だった。
大して時間は経って居ない様だ。
太宰 治
太宰はぐっと背伸びをして云う。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
太宰は中也の意見を聞きたいのか、ちらりと目を合わせる。
中原 中也
中原 中也
眠気が取れてから沸々と浮かぶ怒りに、思わず声色が荒くなる。
太宰 治
太宰 治
中也の眼の下を一瞥して太宰が云う。
中原 中也
中原 中也
太宰 治
太宰は何か続けようとしたが、直ぐに口を噤む。
太宰 治
目を伏せ乍ら発した言葉は、自身に言い聞かせる様な声だった。
仕切り直した様に次に云われた言葉に、中也が戸惑う。
太宰 治
太宰 治
___重力。
其の言葉に、妙に親近感を覚える。
同時に頭の中を言葉が流れていったが、掴むことは出来なかった。
中原 中也
太宰 治
中原 中也
太宰 治
そう云い太宰が取ったのは、竹刀。
体育館倉庫からパクってきちゃった、と微笑む太宰。
太宰 治
成程、と中也が頷く。
確かに此れならば、全力で振り下ろさない限り致命傷にはならないだろう。
太宰 治
太宰 治
態とらしく云う太宰に中也が苦笑する。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
中原 中也
此処迄来て、中也の心を不安が掠める。
本当に、頭領を出し抜けるのだろうか。
太宰 治
中原 中也
まるで心を読んだかの様に太宰が言葉を発す。
太宰 治
ゆっくりと、はっきりと。
中也は渡された竹刀をぎゅっと握りしめた。
二日後の金曜日、深夜23:00。中也は携帯電話を耳に当てて居た。
電話を通した、太宰の声が聞こえる。
太宰 治
中原 中也
太宰 治
中原 中也
太宰 治
計画を教えて貰った日から今日迄、内心ハラハラし乍らも何時もと同じ様に過ごした。
其の間、新たな殺しの依頼は一つも入らなかった。
太宰 治
中原 中也
太宰 治
中原 中也
死ぬかもしれないのは、分かってる。
太宰が自分を連れて行く事に、異常な程の罪悪感を抱いて居るのも、分かってる。
先刻から_隠して居るのだろうが_太宰の声がワントーン、何時もより低い。
中原 中也
中原 中也
数秒、仄かな息遣いのみが返ってくる。
太宰 治
太宰 治
中原 中也
中原 中也
太宰 治
太宰 治
コメント
7件
えつち展開来ますかね!!???
僕,体調悪いんですけど星希さんの投稿で、元気にさせてます。