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#☔K
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こさめ 、寝ちゃってたんだ 。
そんなことに気がついた時には 既に 時間は午後6時を 過ぎていて 、 こさめは思わず 『 やっちゃったぁ 、 』と 小さく声を零す 。
カーテン越しに 差し込む光は 赤く染まっていて 、 部屋の中は若干 暗くなっていた 。
つい いつもの癖で スマホ画面を開くと 、 真っ黒で塗りつぶされた画面が 一気にぱっ 、と 明るくなった 。
部屋の暗さに比べ スマホ画面が明るすぎたのか 思わずこさめは 目を細める 。
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慣れた手つきで スマホ画面に指を滑らし 、 SNSを開く 。
すると 、1件だけ 通知が表示されていたのだ 。
... いるさん 、?
っあ 、そうだ 。
寝落ちする前に いるさんにDM送ってたんだった 。
まだ寝ぼけているのか 、 つい記憶が曖昧に なってしまっていた 。
深く沈んでいた心が ふわぁっ 、と浮き上がってくる感覚 を 感じながら 、 こさめはいるさんからの DMへと画面を スライドさせた 。
『 このぬいぐるみ 、 実はゲームセンターで取ったやつ なんですけど 他にも 色んなぬいぐるみあって なに取ろうか迷っちゃいました 笑 』
『 全部可愛かったんですけど やっぱ俺は最終的に くま選んじゃいます ... 』
そんな 、こさめの DMの内容へと返答する 文面が並べられたあとで
『 あと 、こさくん大丈夫ですか 、? 』
『 昨日も投稿無かったし 、 やっぱ最近 こさくん 元気ないように見えます 、』
『 つい 大丈夫かなって 心配になっちゃって 』
いるさんからの 言葉に 思わず心臓が どくん 、っと音を立てた 。
こさめ 、元気に振る舞えてなかった ?
唯一 仲良くしてくれる いるさんにも心配かけちゃった ?
思わず 指先に力がこもり 、 スマホを握る手に じわじわと熱が広がっていく 。
どくん 、どくん 、と 少しずつ加速していく心音を 聞きながら 、こさめの 心は どんどん深くへと 沈んでいって 。
でも 、いるさんからのDMの 最後に綴られていた 言葉に こさめの 心は 少し軽くなったような気がした 。
『 無理に 、とは言いませんが 悩んでることがあるのなら 俺に聞かせて欲しいです 。 』
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... いい 、のかなぁ 。
少し迷ったあとで 、 『 あの 』 と こさめは文字を続けた 。
『 少しでもいいので 悩み聞いて 貰えませんか ? 』
ここまで甘えたら 迷惑だろうか 、なんて 思いながらも 胸に突き上げた欲求に 抗えず 、こさめは結局 メッセージを送ってしまっていた 。
『 いいですよ 、なんでも 聞かせてください 』
即レスだった 。
間を置かず続いたメッセージに 胸がきゅ 、っとする 。
『 ありがとうございます 、! いるさん 、あの _ 』
いるさんの優しい言葉に 縋るように 、 こさめは夢中で文章を 打ち込んでいた 。
こさめの “ 本当の ” 高校生活について 。
幼い頃に 好きだった ヘアアレンジも親に『 似合わない 』 と否定されて 、 ずっと自分に自信が持てないこと 。
こんな地味なこさめから 話しかけられても迷惑だろうと 思ってしまって 、 なかなかクラスメイトに 声をかけられないこと 。
そうしてもたもたしている間に クラスではグループが 出来上がってしまって 、 こさめはもうどこにも 入れそうにないこと 。
今のクラスになって 2ヶ月ほどたっているのに 、 未だに友達がいないこと 。
『 SNS上では 友達も 沢山いるように振舞ってたんですけど 実際は 全然違うんです 。 』
『 本当は全然 、 きらきらもしてない ただの 高校生なんです 』
それでも 、SNS上で きらきらとした男子高校生を 演じている間は 、 なんとなく救われていた 。
ここには こさめを 好きになってくれる人がいて 、 こさめと仲良くやり取り してくれる人がいるんだって 。
だけど
『 時々 、虚しくなるんです 。 』
『 だって 、SNSにいる こさは 、本当の自分じゃないから 。 』
そこでどんなに “ 好き ” と言って貰えても 、 それは 、こさめ自身を 好きになってもらえた わけではないから 。
本当のこさめは 地味で 、いつも教室の隅にいて 、 慣れないヘアアレンジを 見せる友達もいなくて 、
なつくんの隣にいたら 違和感がありすぎて許されないような 。
そんな人間であることは 、 どうしたって変わらないから 。
『 いるさんが同じ高校だったらな 、 って ずっと 、よく 考えてました 。 』
『 いるさんとなら 本当の友達になれそうだし 、 そうしたらきっと 学校でも 寂しくないのになって 』
文字を打ち込みながら 、 あぁ 、そうだった 、と思う 。
きっとこさめが 最初にSNSにのめり込んだきっかけも 起点はそこだった 。
いるさんと出会って 、 ますますこの場所が離れがたく なったのも 。
学校でいるさんと やり取りをしていれば 、 寂しさを紛らわす ことができた 。
一人ぼっちではないと思えた 。
そうしたらそのうち 、 もうこれだけでいいんじゃないか って思うようになった 。
_ リアルの友達なんていらない 。
ネットにさえ 友達がいれば 、もう それだけでいい 。
だってその方が 、 きっと楽だ 。
なにもかもさらけ出して 付き合わなければいけない 、 そんな リアルの友達なんかより 。
適当に隠して 、 取り繕って 、 綺麗な自分だけを見せられる 、 ネットの友達の方が 。
そう 、思っていたのに 、なのに 。
『 やっぱり 、ちゃんとした リアルの友達にもなりたくて 。 』
本当のこさめを 知ってくれている 、本当の “ 友達 ” に 。
どうしてもこさめは 、 なりたかったんだ 、って 。
『 じゃあ 、なろう 。 』
『 俺と友達になろ 、こさくん 。 』
連載投稿できてない間 、 短編集のほうでちょくちょく 浮上してたんですけど 、 そこで応援の言葉を沢山くださって 書かなきゃなぁ ... って なったので 、久々すぎますが 書きました ... ! やっぱ応援の言葉って 偉大ですよね ... ( ? もうほんとに 作品に対する コメントがなくても 、 応援の言葉さえあれば 生きてける気がするので( 応援コメだけでもくれるとありがたいです ()
コメント
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💬 失礼 します 𓂃 いつも 素敵な 投稿 ありがとう ございます 。 この 連載 の ために 沢山 頑張れるし 色々と 勉強 に なったりもしてます 。 これからも 応援してます 、 ずっと 頑張ってください !!
続き楽しみ!