俺にとっては長いような長くないような…そんな気分だった
あの日のメンバーで墓参りをしようとなって今、集まっている
烏野メンバー以外の人は都合が悪いらしく後日来るらしい
翔陽
…

大地
日向

翔陽
あ、大地さん

翔陽
お久しぶりです

大地
あぁ

大地
久しぶり

大地
まだみんな集まってないのか?

翔陽
そうですね

翔陽
でも多分もうすぐきますよ

飛雄
持ってく花…ってどれだ!?

忠
ばか!!

忠
それただの雑草!!

忠
地面からタンポポ引き抜くのやめて!!

忠
ちゃんと花は持ってきてるから!!

飛雄
そ、そうか

菅
おいおいなにやってんだよww

旭
まったく変わってないな~

夕
懐かしいっすね

夕
この雰囲気

龍
だな~…

やっちゃん
湊、月島くん

やっちゃん
私たち、みんなで

蛍(子供)
ちょっと湊!!

蛍(子供)
走んないで!

蛍(子供)
危ない!!

湊(子供)
えぇ~!!

湊(子供)
やだ~!

翔陽
…湊…?

忠
ツッキー…?

湊(子供)
??誰?

湊(子供)
蛍、この人たち知ってる?

湊(子供)
(ほんとは覚えてる)

蛍(子供)
知らな~い

蛍(子供)
(やっぱり…この日には絶対来てくれると思ってたよ)

やっちゃん
湊っ…月島くんっ…!!

菅
まっ、待て待て!!

菅
俺らのこと知らないって言ってるんだ!!

菅
不審に思われるだろ!?

飛雄
で、でもっ!!

飛雄
名前、一緒だし、見た目もほぼ一緒っすよ!!

翔陽
だな

翔陽
前の姿を身長ちじめただけみてぇ…

蛍(子供)
あはっ…ww

湊(子供)
ふっ…ww

蛍(子供)
なんてねw

湊(子供)
ちゃんと覚えてるよ

一同
え…

一同
てことは…

湊(子供)
…久しぶりだね

蛍(子供)
8年ぶり…かな?

一同
な、なんで…

翔陽
なんで生きてる!?

飛雄
あの時確かに死んだよな!?

忠
どどどどどういうこと!?

菅
ダメだべ…

菅
まったくわからん

旭
これは考えてわかるようなことじゃない…

大地
ひっ、久しぶりっ…だな!!

菅
声裏返ってるぜ…?

夕
み、湊…!!

龍
そ、その…!

夕
ごめんっ!

龍
悪かったと思ってる!!

湊(子供)
…??

湊(子供)
何のことですか??

夕
俺、ちゃんと謝れてなかったなと思って…

龍
だからもう一度ちゃんと謝りたくて…

湊(子供)
あぁ…そんなことですか

湊(子供)
全然大丈夫ですよ

湊(子供)
というか手紙読んでくれましたよね?

夕
お、おう…!

湊(子供)
俺、そこに誰も悪くないって書きましたよね?

龍
あぁ

湊(子供)
だからこれで終わりです

湊(子供)
謝るのもなし!

翔陽
2人は…なんで俺らと話せてるんだ…?

飛雄
??

飛雄
どういうことだ?

忠
そんなの生きてるからに決まってるじゃん?

翔陽
じゃあこいつらなんで…

菅
言われてみれば…確かに若干透けてるべ

湊(子供)
それはね~

湊(子供)
俺ら死んだじゃん?

蛍(子供)
それで何かわかんないけど神様みたいな人に気に入ってもらえたっぽくて

蛍(子供)
霊体の状態で自由に行動していいよってなったんだよね

湊(子供)
そうそう

湊(子供)
でもなぜか子供の姿になっちゃったっていうだけの話

湊(子供)
それで今日俺らの命日だからみんな来てくれると思ってここで待ってたんだ

やっちゃん
そう、だったんだ

湊(子供)
俺ら、言ったでしょ?

湊(子供)
ずっと見てるよって

蛍(子供)
ちゃんと見てたよ

蛍(子供)
みんな、すごく頑張ってる

翔陽
なぁ

翔陽
質問、いい?

湊(子供)
いいよ

翔陽
手紙の内容、ほとんど全部過去形になってなかったの、なんで?

菅
あ、それ俺も思ったべ!

旭
俺も

一同
実は俺も…

湊(子供)
なんでって言われてもなぁ?

湊(子供)
死んだから思いませんじゃないじゃん?

蛍(子供)
だね

蛍(子供)
現に今もあの手紙に書いたこと、実際に思ってるわけだし

湊(子供)
そうそう!!

そこから俺らは他愛のない話をたくさんし、気づいたら夕方になっていた
湊(子供)
もう…こんな時間か…

旭
もっと話したいところだが…

蛍(子供)
いや、さすがに帰ってください

蛍(子供)
明日も仕事あるんでしょ

湊(子供)
だね

湊(子供)
気を付けて帰ってくださいね

やっちゃん
ま、また会える…!?

湊(子供)
…うん!

湊(子供)
会えるよ。きっと

忠
じゃあ今日は帰るね

菅
またな!

旭
またね

飛雄
じゃあな!

大地
またな

翔陽
湊、月島

翔陽
またね

蛍(子供)
…

湊(子供)
…

蛍(子供)
うん…

湊(子供)
またね…!

湊(子供)
…楽しそうだったね

蛍(子供)
うん。みんな…幸せそうだ

湊(子供)
もう、見守る必要もないね

蛍(子供)
だね。そろそろ僕らも帰ろうか

湊(子供)
うん

湊(子供)
みんなにまたねって言ったけど…

蛍(子供)
仕方ないよ

蛍(子供)
あれは逆にまたねって言わないと詰められてたでしょ

湊(子供)
確かにそうだね

湊(子供)
じゃあ…みんな…

蛍(子供)
これでほんとのほんとにサヨナラだね

湊(子供)
ばいばい…みんな

後日俺らは湊と月島に会いたくて、墓や周り、
そのほかに二人が一緒にいそうな場所などをくまなく探したが
そこで俺は、湊と月島が最後に悲しそうな笑顔で
「さよなら」と言っていたことを思い出した
翔陽
あれが本当に…『最後』で『最期』だったんだなぁ…
