すち
まただ…
ひまちゃんは病院に運ばれた
わかってるんだ。
また彼の病気が悪化してることを。
ひまちゃんが一番辛いはずなのに
なんで無理ばかりするんだろう。
すち
…ひまちゃーん?
暇72
…
すち
…ごめんってば…
暇72
……うぅっ、…
すち
泣かないでよ…
暇72
…ちがっ、……ぅ…
すち
…ごめん、
暇72
す、ちは…わるく、ないっ……
すち
…え?
暇72
すち、は!わるく…ないっ!
すち
…なんで?
暇72
お、れが…ッ、わるい、からっ!…
暇72
あや、まん…ないでッ…
あのときも、そうだったんだろう。
昔一度、暇ちゃんと喧嘩したことがあった。
あれは絶対に俺が悪いことをしてたのに
ひまちゃんは俺を庇った。
庇ったっていうか… 俺が悪いって、いってた。
蘇る記憶の俺は 少し声がうわずってて、
多分もうすぐ泣きそうだったんだと思う。
多分、そうだ。
ひまちゃんは、昔から、 俺をよく庇っていたらしい。
それらの記憶がいま、蘇る。
すち
…おねがい。
無事であってくれ、。
俺はもっと彼といたい。
ただ少し体力を使いすぎただけ、
そうであってくれ…
また、だ。
また、ここに、お医者さんと二人きり
何回目だよ、ほんとに。
流石の俺でも頭が真っ白だ。
もうなにも、考えたくない。
先生
…“櫻田藍”さん。
お医者さんの、低い声が聞こえる。
嗚呼、聞きたくない。
ほら、やっぱりー…
先生
“樋前夏樹”さんのことですが…
先生
やはり、病気は進行していて、…
先生
また、余命もー…
泣くなんて、男じゃない。
声をあげて泣くなんて、俺らしくない
まだあいつは生きてんだ。
まだ、まだ一緒に過ごせんのに…
LAN
…、う、
何を、諦めているんだー…。
先生の、悲しそうな顔が見える。
伏せられた瞳。
俺はそれを見ていた。
揺れる視界の中で。
もう意味わかんねーよ。
冗談きついって…
俺の、今いる…
唯一の家族が…。
口が震える。
言葉が出ない。
食いしばっても、それは無駄らしい。
LAN
…ッなんで…っ
なんであいつだけが、 こんな辛い思いしなきゃ いけねーんだよ…
LAN
…先生…
先生
…はい。
LAN
これは…みんなに
LAN
報告、…しないでも、いいです、かね…
先生
…え………






