TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

分かれたあと、零斗は少しお高めの長財布を買い、プレゼント用にラッピングしてもらい、店を出る。

すると、走ってきた小学生の女の子とぶつかる。

三隅 零斗

おっと…

小学生

いたっ!

2人は正面衝突してしまい、 女の子は鼻を抑えている。

三隅 零斗

あ…えっと…
ごめんな?
これやるから泣かないで。

零斗は女の子の視線に合わせ、バックの中から飴を取り出し、女の子の掌に置く。

小学生

く、くれるの?

女の子は涙目になりながら問う。

三隅 零斗

うん。
ぶつかって痛い思いさせちゃったから…
ごめんね?

零斗は優しく声を掛ける。

すると女の子の母親らしい人が慌てた様子で駆け寄ってくる。

母親

あ!すみません!
うちの子がぶつかってしまって。

三隅 零斗

あ、いえ。
こちらこそ前を見てなくて…

小学生

ママ!!
お兄ちゃんがね!飴ちゃんくれたんだ!

三隅 零斗

お、お兄ちゃん…

また、男扱いをされたことに軽くショックを受けている。

母親

え!?
よろしかったんでしょうか…
こちらの不注意でしたのに。

三隅 零斗

全然大丈夫です!
びっくりして泣いちゃってたので。

母親

本当にすみません…
ありがとうございます。

それから少しして、親子は会釈をし、去っていく。

零斗はその親子の楽しそうな光景を見つめながら少し悲しそうな顔をしている。

梅津 亮(あきら)

……

その光景を偶然、横から亮が心配そうに見ていた。

そして、

梅津 亮(あきら)

なんて顔してんだ。

零斗の肩に腕を回し、優しい笑みを零斗に向ける。

三隅 零斗

わっ…!
亮さん!?ビビった!

そっと真弥も合流する。

梅津 亮(あきら)

そんな暗い顔してないで何か美味いもんでも食いに行くか!

亮は零斗を元気づけるようにニッと笑って見せる。

零斗は驚き、目を見開いていたが、

満面の笑みで『うん!』とかえす。

そして食事を済ませ、舎弟を迎えに呼び

現在は帰りの車の中

舎弟

久しぶりの3人での買い物どうでした?

運転している舎弟が問う。

梅津 亮(あきら)

ん?なかなか良かったぜ。

平井 真弥

そうですね。
俺もゆっくり出来ました。
ありがとうございます

後部座席で亮、助手席で真弥が話す。

梅津 亮(あきら)

その結果がこれだ。

亮は小さく微笑み、隣に座る零斗を見る。

そこには、うとうとし、今にも爆睡しそうな零斗の姿が…

そうこう言って居ると零斗が眠りに付き、 頭が窓の方へ傾きかけた時、

亮が頭を自分側へと引き寄せる。

舎弟

ははっ、亮さん、ホントの父親みたいっすね。

舎弟がバックミラーで2人を見て笑う。

梅津 亮(あきら)

まぁ、こいつが生まれた時から知ってるし、
姐さんが死んでからは、
ほぼ俺が父親代わりだしな。

平井 真弥

…姐さんって、組長の奥さん、零斗さんの母親ですよね?

舎弟

姐さんが居た時は、お嬢は組長と姐さんとずっと一緒でしたね。

少し、困った顔で話す。

平井 真弥

姐さんってどんな人だったんですか?

真弥は後ろを軽く振り向きながら尋ねる。

梅津 亮(あきら)

…あの人の話は俺らが語っていいもんじゃねぇんだよ。

亮は窓の外を見ながら答える。

平井 真弥

…すみません…失礼な質問でした。

そして沈黙が落ちた

またしゃべり出したのは亮だった

梅津 亮(あきら)

図体はどんどん成長しても、寝顔はガキの頃のまんまだな…

亮は爆睡している零斗の寝顔を見ながらつぶやく。

車を降り、亮は眠っている零斗を背負い、家に入る。

すると、零治が出迎える。

三隅 零治

帰ったか。

梅津 亮(あきら)

おう、悪ぃな遅くなっちまって。

現在の時刻23:30。

三隅 零治

久しぶりに楽しめたんだろ。
それならいい。

平井 真弥

組長、これお土産です。

真弥は零治に紙袋ごと手渡す。

三隅 零治

お、ありがとうな。
もう遅せぇから風呂はいって休め。

平井 真弥

うっす…

零治がそう言うと真弥は自室へ向かっていく。

2人はそれを見送ったあと話しだす。

三隅 零治

寝てんのか。

梅津 亮(あきら)

車ん中で爆睡だ。

亮は小さく笑う。

三隅 零治

重かったろ。
部屋までは俺が連れてくわ。

梅津 亮(あきら)

いい、いい。
このまま背負ってくから。

三隅 零治

お前ばっかいいカッコさせられねぇよ。
俺はこいつの親父なんだ。
今まで親父らしいことしてやれてねぇ。
眠ってる娘を背負うくらいさせてくれ。

亮の背で爆睡している零斗の頭を優しく撫でる。

梅津 亮(あきら)

ま、そうだな。
そろそろ返していかねぇとだしな。

三隅 零治

ああ…
今まで俺は、瑞稀や零斗に色んなもんを貰ってばっかだからな。
今までしてやれなかったぶん
これからは返していくつもりだ。

そう言うと亮から零斗を受け取り抱き抱える。

亮はふたりを見て口を開く

梅津 亮(あきら)

やっぱお前ら親子だな。
同じ顔してやがる。

ケラケラと笑う。

三隅 零治

こいつは根っから俺の顔だからな。
瑞稀に似たのは"アイツ"の方か。

零治は"アイツ"と人物の存在をチラつかせる

梅津 亮(あきら)

確かに、アイツは姐さん顔だな。
てかアイツ、元気にやってんのか?

三隅 零治

随分、連絡を取ってないからな。
信じるしかねぇだろ。

梅津 亮(あきら)

そうだな。
だがな、零治。
零斗にアイツとの接触は取らせない方がいいぜ?
零斗が危険だ。

三隅 零治

わかってる。
わかっては居るが…
そう簡単に『うん』とは言えねぇだろうが…

梅津 亮(あきら)

ま、そりゃそうか。

2人は零治の腕の中で眠る零斗を見つめる。

月曜日の朝

零斗は凄い寝相で寝ている。

三隅 零斗

…ンがッ!

零斗は目を覚まし、枕元にある目覚まし時計に目をやる。

すると時計は午前10時を回っていた。

三隅 零斗

……10時…?

零斗は体を起こしながら呟く。

三隅 零斗

…は!?10時!?
学校始まってんじゃん!

零斗は驚きのあまり、目が覚める。

そして急いで着替え、慌てて部屋を飛び出す。

部屋を飛び出ると廊下を歩いていた舎弟と遭遇する

舎弟2

あ、お嬢。
おはようございます!

舎弟が慌てる零斗に挨拶をする。

三隅 零斗

『おはよう』じゃねぇよ!
なんで起こさねぇんだ!

零斗はカーディガンを着ながら言う

舎弟2

だって組長と亮さんが『ゆっくり寝かせとけ』って…

三隅 零斗

あのジジイども馬鹿だろ!

零斗はスクールバッグを背負いながら玄関へと走る。

舎弟2

え!?お嬢!朝メシは!?

三隅 零斗

食ってる暇ねぇわ!
既に遅刻してんだ!

零斗が廊下を走っていると前から龍哉、

そして、組に長くから居る舎弟が歩いてくる。

三隅 零斗

どけ!どけ!どけ!

零斗は龍哉と舎弟の間を突っ切っていく。

走り去る零斗を見ながら龍哉が口を開く

獅子黄 龍哉(たつや)

なんや、あんなに急いで。

舎弟

お嬢、今日学校なんすよ。

舎弟が説明する。

獅子黄 龍哉(たつや)

この業界で生きとってちゃんと学校行くんか。
律儀なやっちゃなぁ

舎弟

組長のためなんです。

獅子黄 龍哉(たつや)

おやっさんの?

龍哉は舎弟に視線を移し、話を聞く。

舎弟

…龍哉さんもご存知の通り、
姐さん…つまり組長の嫁さんの瑞稀さんが亡くなった時、色々あってお嬢は心を閉ざした時期があったんですが、

舎弟

組長の姿を見て、自分がしっかりしなきゃってなったみたいで。

それを聞いた龍哉は無言で、

姿を消した零斗が走って行った先へ真っ直ぐに目をやり、

12年前の零斗の母の葬式の事を思い出していた。

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚