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12年前

零治が棺桶の中で目を瞑っている瑞稀の傍で泣き崩れている。

そんな光景を少し離れたところで零斗は祖父の一之と手を繋ぎ涙も流さずに零治を見ている零斗を龍哉は見ていた。

獅子黄 龍哉(たつや)

(自分の母親が死んでも泣かへんのか…
冷たいやっちゃなぁ。)

その頃11歳だった龍哉は何も分かっていなかった。

まだ5歳になったばかりの零斗の抱えた重荷を…

現在

そして、どこからか騒がしい声が聞こえていた。

獅子黄 龍哉(たつや)

それにしても、なんや騒がしいのぉ

???

三千世界!!!

庭の方からそんな声が聞こえてくる。

舎弟

え?ゾロ?

2人は庭先へと向かう。

庭先に来ると男が木刀を振り回していた

獅子黄 龍哉(たつや)

気にせんでええで?
うちのドアホな護衛やさかい

龍哉が舎弟にそう言うと、聞こえていたのか龍哉の護衛がこちらに叫ぶ

???

若頭!なんちゅう事言いはるんですか!?
気にしてくださいよ!
ゾロでっせ!?
ゾロの三千世界知らんとか時代遅れやなぁ。

護衛は煽るように言う。

獅子黄 龍哉(たつや)

流希愛、そんなんで俺がキレるとおもてんのか?
相手にするんも面倒いわ。
それにや、お前こそ時代遅れやぞ?
今のゾロは三千世界は使わへん。

鈴木 流希愛(るきあ) 21歳 獅子黄組 組員 兼 若頭護衛

鈴木 流希愛

え!?若頭、なんで知ってはるんですか!?

獅子黄 龍哉(たつや)

そりゃ、読んでるからなぁ

龍哉は腕を組みながら言う

舎弟

俺もっす。
面白いっすよね。

獅子黄 龍哉(たつや)

まぁ、飽きんと読めるんは間違いないやろな。

鈴木 流希愛

な、なんやねん!
いっつも話に乗ってくれへんから見てないんかと思いましたやん!

獅子黄 龍哉(たつや)

お前の相手するんが面倒いだけや。
てか自分、ちょっとは大人しいせぇや。
他人の家で世話になってる身やで?

舎弟

ははは…
組長も気を使うなって言ってましたし、
大丈夫ですよ。

獅子黄 龍哉(たつや)

おヤッさんが、そう言うてくれとっても、
ある程度の礼儀は必要やろ

舎弟

(めっちゃいい人すぎるだろ…)

舎弟2

しかもイケメンだしィ〜

舎弟3

彼女いんのかなぁ〜…

急に現れた他の舎弟達が長くいる舎弟の後ろでコソコソはなしている。

舎弟

お前ら本気で狙う気やめろ。
飢えてんのか?

舎弟2

そんな事言ったって組に居たら彼女なんて出来ませんて。

舎弟3

でも組長は早くに結婚してたよな。

舎弟2

10代の時だよな、組長と姐さんが一緒になったの。

舎弟

あの2人は珍しいんだよ。

獅子黄 龍哉(たつや)

まぁ、そうやろうなぁ、
俺も彼女出来たことないしなぁ。

龍哉がコソコソ話に加わってくる。

『『『え!?まじすか!?』』』

3人は驚き、大声が出る。

獅子黄 龍哉(たつや)

そないに驚く程の事でもないやろ。

舎弟2

いやいや、驚きますって!

舎弟3

めちゃくちゃモテそうなのに!

獅子黄 龍哉(たつや)

まぁ正直なとこ、顔と金目的で近ずいてくる女はぎょうさん居ったけどなぁ。

舎弟

ほれ、モテてる。

獅子黄 龍哉(たつや)

今んなったら、女っちゅうもんは信用ならんわ。

舎弟2

あ!女を敵に回すタイプだ!

舎弟3

よろしくないっすよ!

鈴木 流希愛

そーや!そーや!

流希愛までが便乗しだす。

獅子黄 龍哉(たつや)

あのなぁ、言わせて貰うけど、結婚が全てやないねん。

龍哉は呆れながら言う。

舎弟3

人って、そう言いながら結婚するんすよね〜

鈴木 流希愛

分かるで!
思いもよらんとこでくっついたりすんねん。

流希愛は『うんうん』と頷きながら言う。

獅子黄 龍哉(たつや)

なんやねん。
俺が結婚しよーが
せんとこうが自分らに関係ないやろ。

『『『『それはそう』』』』

獅子黄 龍哉(たつや)

…なんやねん、こいつら…

場面は零斗視点へ移る。

零斗は駅まで猛ダッシュし、ホームで電車を待っている。

朝、時間が無かったため、いつもは小さく束ねているピンク色の短いウルフカットの髪も下ろし、マフラーで口元まで覆っている状態だ。

更には寝起きのため、まだ眠たいのか金色の瞳も欠伸の涙でゆれている。

零斗がホームの柱にもたれ掛かり、電車を待っていると、20代の女性2人が声をかけてくる。

女性1

あの…
おひとりですか?

女性は頬を赤らめている。

三隅 零斗

ん?あ、はい。

零斗は眠たそうな声で答える。

女性2

もし良かったら、この後お茶でも一緒にいかがですか…?

もう1人の女性が問うてくる。

三隅 零斗

すみません、俺今から学校あるんで。

零斗がそう言うと同時に電車が来て、零斗は乗り込む。

2人の女性はホームで立ち止まってこちらを見ている。

その2人に零斗は電車の中から会釈をする。

それから扉は閉まり、走り出す。

すると、零斗の後ろから声をかけてくるものがいた。

???

おいコラ、モテモテ野郎

零斗が不機嫌そうに『あ?』と振り向くと千晴が立っていた。

三隅 零斗

千晴?お前学校は?

亜久津 千晴(ちはる)

それがさぁ〜、聞いてくれよ。
なんか今日、起きらんなくてさぁ

千晴がガッカリしたように言う。

三隅 零斗

あ〜、いつも通りか。

零斗はサラッと受け流す。

亜久津 千晴(ちはる)

誰がいつも通りじゃ!!

千晴がツッコむ。

亜久津 千晴(ちはる)

あ、でもそういえば、
お前が遅刻なんて珍しいな。

千晴は我に戻り零斗に尋ねる

三隅 零斗

あ〜…俺も思った。
いつもなら朝のジョギングするために余裕持って起きてんのに、
今日は起きたら10時だったわ。

2人は雑談を続けながら空いている座席に座る。

そしてしばらく話し、零斗が告げる。

三隅 零斗

学校の最寄りまで寝るから着いたら起こして

亜久津 千晴(ちはる)

は?まだ寝んの?

三隅 零斗

なんか今日、すんげぇ眠い
頼むぞ

亜久津 千晴(ちはる)

ラジャッ!

そして30分が経つ。

亜久津 千晴(ちはる)

おい零斗。
もう着くぜ。

三隅 零斗

ん…?…ん〜

零斗は返事をし、ゆっくり目を開け、 欠伸をする。

そして、欠伸を終え、目を開くと、対抗座席の女子と目が合い、

一瞬、気まずそうに目を逸らしたあと、 そっと視線を合わせ、優しく微笑む。

そして、その攻撃をもろに食らった女子は赤面させる。

その光景を目の辺りにした千晴は口をキュッと閉じる。

そして、最寄りで降り、ホームに着く。

すると

亜久津 千晴(ちはる)

そういうとこがモテんだよぉ!!

千晴は悔しそうに叫ぶ。

三隅 零斗

うっせぇなぁ!
周りの迷惑考えろ!!

零斗が怒鳴る。

亜久津 千晴(ちはる)

モテるやつには非モテの気持ちなんてわかんねぇだろ!クソがァ!
なんで俺はモテねぇんだよ!!

三隅 零斗

そーゆーとこだろ。

零斗は歩きながら相手にするのも面倒臭いというような態度で言う。

亜久津 千晴(ちはる)

いいよな!
お前はモテモテでさぁ!
少しくらい残り香くれよ!

三隅 零斗

なんだよ、残り香って💦

2人は学校に着く。

そして千晴は光希と傑に電車の中での出来事を話す。

月宮 光希(みつき)

お前、モテない事ってないわけ?

三隅 零斗

いや、別にモテたくてモテてるわけじゃねぇし。

亜久津 千晴(ちはる)

言ってみてぇよ!
そういう言葉!

白虎 傑

自覚なしが1番タチが悪いんだよなぁ

亜久津 千晴(ちはる)

てか零斗がモテんの顔だけじゃねぇからな?

三隅 零斗

は?別に思わせぶりな態度取ってねぇだろ。

その言葉を聞き、3人は大きな溜息を吐く。

三隅 零斗

なんで溜息だよ!

白虎 傑

あのなぁ…
お前は自覚ねぇかもだけど、
すげぇ惚れられるような態度取ってっから

亜久津 千晴(ちはる)

そーそー!
今朝だって、目合った人に優しく微笑みかけるしさぁ!

月宮 光希(みつき)

お前の被害者出す頻度高ぇわ

三隅 零斗

被害者って!
俺が悪いことしてるみてぇじゃねぇか!

白虎 傑

ほぼ変わんねぇだろ。

三隅 零斗

お前ら、まじで覚えとけよ…

零斗は眉をピクピクさせる。

そう話しているとクラスの男子達の話し声が聞こえてくる。

男子

そういえばさぁ、2組にめっちゃ美人の転校生来たんだろ?

男子2

俺も聞いたわ!

男子3

俺は見たぜ!
まじ女神みたいだった。

そんな話を少し離れた場所から聞いている4人。

月宮 光希(みつき)

そういえば、今朝から話題になってたわ。

白虎 傑

1部では
『この学園の美男美女は"三隅零斗"と、その転校生』って言ってる奴も居るって。

三隅 零斗

いや、わざわざ俺を巻き込むなよ…

亜久津 千晴(ちはる)

めっちゃ気になるんだけど!

白虎 傑

俺も見たけど、なんだろうな。
この顔を毎日見てるから、そこまで驚かなかったな。

月宮 光希(みつき)

なるほど、
これほどではないんだな。

亜久津 千晴(ちはる)

まじか…
この顔を超えたらもっと興味湧くんだけどなぁ

3人は零斗と顔を見ながら、自身の顎に手を当てる。

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