テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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こんなつもりじゃ無かった

第1話 - こんなつもりじゃ無かった

2020年06月03日

#恋愛

#三角関係

#病気

#セフレ

#大学生

ジュダル

高森　ノン

うぅん、、ん

高森　ノン

よく寝たぁ、もう夕方か

高森　ノン

ねぇ、はるきぃ起きてー

坂本　春樹

もう、起きてる

春樹は窓側を向いていた体をノンの方に向けた。狭い部屋にベットが軋む音がした

坂本　春樹

フーーッ

春樹はそのまま加えていたタバコの煙をノンに吹き掛けた

高森　ノン

煙たい

坂本　春樹

俺のTシャツどこ？

高森　ノン

洗濯機の上

高森　ノン

どこか行くの？

坂本　春樹

コンビニ。腹減ったからなんか買う。

高森　ノン

おっいいね〜

高森　ノン

ビール買ってきてぇー、いつものやつ〜
あと、サラミも

坂本　春樹

チッ

高森　ノン

あざーす

な1人になった部屋をノンはぼうっと見つめた

高森　ノン

（顔もいいし声もいい、なにより距離感
　がちょうどいい）

高森　ノン

（私に興味がないから私の秘密を知ろう　としない）

2人は二ヶ月前にノンの家の近くのクラブで知り合った。そこのクラブは男女が知り合うための場所として有名だったから、2人がそのあとホテルに消えていったのもごく自然な流れだった。

高森　ノン

（ここまで続くとは思わなかったなぁ）

高森　ノン

（まぁ、彼氏じゃないんだけど。）

春樹とノンは月に2、3度あって 'そうゆうこと’ をするだけの関係だった

高森　ノン

私にとって春樹は都合のいい男

高森　ノン

春樹にとって‥

高森　ノン

春樹にとって私はどうでもいい女…？

翌日　大学にて

多田　萌

昨日、彼氏とカラオケ行ったんだけど、アイツ意外と歌うまくてさ、「これがギャップ萌えか」って分かった笑

高森　ノン

いーなぁ、萌の彼氏は優しくて頭も良くて歌も上手いなんて

多田　萌

高森も付き合ってる人いるでしょ？
イケメンの学部違うけど同じ大学の人だよね？

高森　ノン

春樹はそうゆんじゃないよ笑
それに春樹は特定の人を作らないって言ってたし、アイツには後6人ぐらい私みたいな人がいるよー

多田　萌

そうなの！？前一緒にコンビニ入っていくの見かけたから付き合ってるのかと思ってた。

多田　萌

じゃあ、恋愛感情とかは無い感じなんだ

高森　ノン

…うん！

高森　ノン

お互いにちょうどいいって感じの関係なんだよねー笑

多田　萌

えーなんか不健康〜

多田　萌

（高森は少女漫画みたいな恋が好きで、前ま
　でそうゆう関係に否定的だったのに疲れた　のかな、、？）

その後しばらく他愛もない話をしていると2人組の男子が近づいてきた

間宮　良

よっ！高森！

高森　ノン

おっ、良じゃん！
今から学食？

間宮　良

うん、お前らは？
一緒に食わねぇ？

高森　ノン

あー、ごめん！もう2人で食べちゃったぁー

間宮　良

そっかー、残念
ま、また一緒食おうぜ！
じゃーなっ

高森　ノン

ばいばーい！

多田　萌

今のって高森の幼なじみの間宮君だよね？
カッコ良くて明るそうだし、間宮君はどうなの？？

高森　ノン

アイツは付き合いが長すぎてそんなの考えたことないや、幼稚園から一緒だからなぁ

高森　ノン

（アイツは私の秘密を知ってる唯一の友達、　　彼氏にするのは勿体無い）

学食で友達と定食を食べながら良はノンについて考えていた

間宮　良

（ノンを昔は、適当な所があるやつだと思ってな）

間宮　良

（提出物を全然出さなかったり、時間通りに集合場所に来ないことがよくあったし、他にも貸した本がなかなか帰ってこなかったり、人の誕生日を全然覚えてなかったり。）

間宮　良

（そんなノンに周りは愛想を尽かしてアイツからだんだんと離れていった。）

〜回想〜

高森　ノン

うぅ、うぇ、うっ

間宮　良

おい、ノン？
そんなところで泣いてどうしたんだ？

高森　ノン

あのっねっ　、うっ、さっき目の前でネコがぁっ轢かれてっ死んじゃったぁ、、

ネコが死んでしまったのをノンが見つけた小5の夏には、彼女を励ましてくれるような友達は俺以外に居なくなっていて、ノンは近くの公園の隅でずっと蹲って泣いていた。

間宮　良

大丈夫、だいじょうぶだから

それ以外になんと声をかければいいかわからなくて、ずっとそればかり言っていた。ノンはしばらくすると泣き止んで「ごめん、ありがとう」と言って帰って行った。

それから一週間が経った。

間宮　良

なぁ、ネコのことはもう大丈夫なのか？

高森　ノン

えっ？

間宮　良

あっ、、えっとー、（やべぇ、さすがにまだ触れちゃ不味かったか、、）

高森　ノン

ネコって何？

間宮　良

えっ？

高森　ノン

何のこと？

間宮　良

お前、一週間前にネコが死んじゃったって泣いてたじゃん、、、

高森　ノン

えっ？何の話？
泣いてないよ？？

間宮　良

えっ、、、、

最初は揶揄ってるのかと思ったけど、話していくうちに本当に覚えてないんだと分かった。

それから今までのノンの適当だと思っていた行動が病気によるものなんじゃないかと思い始めて、ノンの母親に相談した。

ノンの母親は全て分かっていたみたいで、子供の俺には難しい病名は覚えられなかったけど、ノンが出来事をすぐに忘れてしまいやすい病気だということと、ノンが「自分が病気だ」という事を今覚えさせている途中だという事を教えてもらった。

間宮　良

ノン、水曜日に算数のプリント持ってくるんだぞ！

高森　ノン

はいはい、分かってるって！
それもう先週から50回ぐらい聞いたよ

ノンの病気を知った日から俺はノンが覚えられるように色々手伝った。ノンは一回聞いたことはすぐに忘れてしまうけど、何回も言うことで覚えられることもあった。

中学に上がる頃にはノンも自分の病気との付き合い方を完全に把握していて、広く浅い交友関係を持っていた。

ピーンポーン

高森　ノン

こんな時間に、、誰？

「ガチャッ」ノンはドアを開けた

高森　ノン

‥‥春樹⁉︎

高森　ノン

どうしたの？こんな遅くに

坂本　春樹

どうしたのって、今日俺の家で約束してたろ

高森　ノン

そうだっけ？

高森　ノン

でも、私が約束忘れるなんていつもの事じゃん。それに春樹、私が約束忘れたら他の女の子といつも遊ぶでしょ？

高森　ノン

なのに、今日はなんでわざわざここまで、、

坂本　春樹

なんとなく、今日はお前といたかったから

高森　ノン

、、、、そうなんだ

高森　ノン

てか寒いでしょ？入って！

坂本　春樹

あぁ

高森　ノン

ねぇ、昨日は誰といたの？

坂本　春樹

覚えてねぇ、すごく酔ってて誰かと一緒にいたことは覚えてるけど朝起きたら1人だった

高森　ノン

へぇー、こんなイケメン置いて帰っちゃう子もいるんだ、朝起きてショックだった？笑

坂本　春樹

結構あるよ、そーゆーこと。

坂本　春樹

まぁ、こんなに約束をすっぽかすのはお前ぐらいだけど笑

高森　ノン

えー！逆に珍しくていーじゃん！！

坂本　春樹

まぁたしかに

坂本　春樹

ノンといると楽だな

高森　ノン

それって、他の子はみんな春樹の一番になろうとするから？

坂本　春樹

あぁ、お前だけは今の関係を保ってくれる。

坂本　春樹

なぁ、なんで俺とこんな関係続けてるんだ？

坂本　春樹

他に、恋人とか、、作らないのか？

高森　ノン

うん、このぐらいが丁度いい

高森　ノン

（人と深く関わるのが怖い）

高森　ノン

（約束も相手の言葉もすぐに忘れていつも上手くいかない。だから、、）

高森　ノン

このままの関係でいい

坂本　春樹

人と深く関わるのが怖い？

高森　ノン

えっ？（声に、出してないよね…？）

坂本　春樹

ははっ、やっぱノンはそうゆうのなさそうだよな。いろんな人と仲良くしてるし、明るいもんな。

高森　ノン

、、、、うん。

高森　ノン

（びっくりした。）

坂本　春樹

俺はさ、人と深い関係になるの凄い怖い。

高森　ノン

えっ

坂本　春樹

俺、母さんと2人で暮らしてたんだけど

坂本　春樹

夜になると仕事に行って、

坂本　春樹

休みの日は、小さい頃から知らない男が良く家に来てたんだ。

坂本　春樹

たまに一人で帰ってくる時があって、そん時はすごく荒れてて、俺を殴ったりしてた。
母さんは男の愛人だったから、向こうにとっては一番じゃなかったんだ。

高森　ノン

うん、、、

坂本　春樹

母さんは結局男の1番になれずに俺が高一の時に性病で死んだ

坂本　春樹

ほとんど会話も無く、愛も無い親子だったからさ、別に悲しいとかはなかったけど

坂本　春樹

母さんをすごく、、惨めだと思った。

坂本　春樹

俺はこうなりたく無いって、思った。

高森　ノン

（春樹が自分のこと、こんなに話してくれたの初めてだ。）

高森　ノン

（春樹は愛に飢えていて、でも人と愛し合う事に怯えているんだ、、）

坂本　春樹

変な話して、、ごめん

坂本　春樹

誰かに言ってみたかった。
いや、ノンに聞いて欲しかった、
だってお前、軽く聞いてくれそうじゃん笑

高森　ノン

（春樹、無理して笑ってるけど声が震えてるこんな話人にするの、初めてだったんだ）

高森　ノン

流石の私でも軽く聞かないよ
春樹が初めて真面目な話してくれたんだから

坂本　春樹

うん。ありがと

坂本　春樹

話してちょっとスッキリした。
覚えてても仕方ないし、忘れてくれ

高森　ノン

嫌だ。

高森　ノン

忘れたく無い、、、、、、、、、

高森　ノン

けど、

高森　ノン

きっと‥‥忘れちゃう

坂本　春樹

ノン？

坂本　春樹

なんで…泣いて、

高森　ノン

ごめん…

高森　ノン

春樹は私がすごく人付き合いが上手いように見えてる見たいだけど、そんなんじゃ無い

高森　ノン

上辺だけの友達がほとんどで、私も人と深く関わるのが怖い。

高森　ノン

春樹が思ってるよりずっと、私たちは似てる

　ノンは自分の病気のこと、それによって春樹が話してくれた事を明日には忘れてしまう事を話した。

坂本　春樹

…

高森　ノン

（全部話しちゃった。自分は話したことも聞いたことも忘れるのに）

高森　ノン

（こんな話して受け入れてくれる訳ないのに春樹も困って黙ってる、なんか言わないと）

高森　ノン

勢いで言っちゃったけど
春樹だけこんな話覚えてても仕方ないし、
忘れてくれていいから、ごめ

坂本　春樹

ノン、お前は何回も話せばだんだん覚えれるんだろ？

坂本　春樹

なら、俺が何回でも話すから、お前は忘れてもいい。
俺は忘れないから、大丈夫。

高森　ノン

春樹…

高森　ノン

本当に、ありがとう。

それから春樹は過去の話を何度もして、その度にノンも自分の病気の話を何回もした春樹は何度も何度も、ノンの同じ話を聞いたけどいつも真剣に聞いていた。

それでも二人の関係が大きく変わることは無かったけれど、身体を重ねた後に2人の間に会話が増えていた。

そんな関係が半年も続き、ノンは春樹と秘密を共有したことを記憶することが出来た

間宮　良

あ！ノン、おはよー

高森　ノン

良！はよー、今から大学？

間宮　良

うん、お前も？一緒いこーぜ。

高森　ノン

いこーいこー！

高森　ノン

良、最近バイトどう？

間宮　良

また一つバイト増やしてさー、ほんともう死にそう笑笑

学校までの道は結構ある 2人は色んな話をした。

高森　ノン

この前ね、萌がねーーー

間宮　良

ふはっ！まじか！

高森　ノン

テレビ俳優の〇〇がさぁーー

間宮　良

まじで！？それやばくね？笑

ノンは自分が覚えている数少ない話をよく話すから、良は同じ話を何回も聞いていたが初めて聞くフリをしてくれていた。

高森　ノン

あのね、私の病気のこと春樹にも言ったんだ

高森　ノン

良以外に初めて秘密を言える人ができて、すごく気が楽になった。

間宮　良

そうなんだ‥‥

間宮　良

ノンが、楽になったなら良かったって俺も思うし、嬉しい。

間宮　良

（もう何度も聞いたよ。この話、、、）

間宮　良

（ノン、すごく嬉しそうだ）

高森　ノン

ありがとう。良に1人でこんな面倒くさい秘密共有させてて、負担かかってたの知ってる

高森　ノン

これからは春樹も大切なことは何回も言ってくれるから、良に少しでも迷惑かけずに済めばいいんだけど。

間宮　良

うん。別に迷惑じゃねーけどな笑（それももう何回も聞いた、本当に迷惑なんて思ってないし、負担を感じたこともなかった）

高森　ノン

良は優しいなっ笑

間宮　良

まーな！（優しくなんかない。ノンがせっかく前に進んでるのに素直に喜べないなんて、俺は最低だ）

高森　ノン

ふー、やっと着いた
学校まで、意外と長いよねー

間宮　良

横断歩道多いしなー

キーンコーンカーンコーン

高森　ノン

やばっ、一限もう始まる！
良、またね！

間宮　良

おー

間宮　良

（ノンはきっと春樹が好きなんだ。）

間宮　良

（でも春樹はセフレだぞ、、俺の方が、俺だったらそんなことしないし、真っ直ぐにノンを見れる。）

間宮　良

（昔一度、俺はノンに告白したことがある。
確か、高校2年の冬。その時は「ごめん、良は友達として大切だから付き合えない」って振られてる。）

間宮　良

（ノンはもうそんなこと覚えてないし、俺もその話を一切してない）

間宮　良

（もし、俺が「お前は告白を受け入れたよ」って嘘をついても、ノンは忘れる。）

間宮　良

（けれど、何回もいい続けたら？）

間宮　良

（ノンは信じる、、、）

春樹とノンはその日も一夜を共にしていた

坂本　春樹

ふーーー

高森　ノン

タバコ臭い

高森　ノン

春樹さ、最近会う頻度増えたよね。

坂本　春樹

うん。

坂本　春樹

だって、お前、すぐに忘れるからいっぱい話さねーと

高森　ノン

怖くないの？

高森　ノン

私と仲良くなりすぎることが

坂本　春樹

うん。怖くない
俺さ、

ブルルルルブルルル

高森　ノン

ごめん、電話だ。
ちょっと待ってね

坂本　春樹

うん。大丈夫だよ

暫くしてノンは戻ってきた

坂本　春樹

大丈夫だった、、？

高森　ノン

う、、うん。

坂本　春樹

あのさ、さっきの話なんだけど

高森　ノン

うん

坂本　春樹

俺、他の子と寝るのやめた

坂本　春樹

人と深く関わるのが怖かったけど、ノンと沢山話して

坂本　春樹

それが、楽しくて、気がついたらノンが好きになってた。だから、、、

坂本　春樹

俺と、付き合って欲しい。

高森　ノン

‼︎

高森　ノン

（本当に嬉しい）

高森　ノン

（だけど、私は、、、、）

数分前

間宮　良

もしもし？ノン？

高森　ノン

もしもし、良？どうした？

間宮　良

あのさ、先週俺が告白したとき
オッケーしてくれて、すげー嬉しかった。

高森　ノン

、、、⁉︎

間宮　良

覚えて、ないかな、、

高森　ノン

、、、ごめん。
良に告白されたのも、それに応えたのも覚えてない。

高森　ノン

（私、良の告白を了承したの…？）

間宮　良

いや、覚えてないならごめんな！
無理に思い出さなくていい。

高森　ノン

（わたし、、、春樹が好き、、なのに良の告白をオッケーした？）

高森　ノン

（春樹と恋人になれそうにないから、私は良で気を紛らわそうとした、、？）

高森　ノン

（それなのに、私は何にも覚えてなくて、大事な良を傷つけて、、、最低だ。）

高森　ノン

（例え覚えて無くても、自分が話した言葉には責任持たないと）

高森　ノン

良、ごめん。そんな大切なことなのに私メモもして無くて、覚えてなかった。
今から毎日見えるとこに書くから。

間宮　良

それって、付き合ってくれるってこと？

高森　ノン

う、、、うん

間宮　良

ありがとう、嬉しい。
今日はもう遅いから切るね

高森　ノン

（どうしよう。オッケーしちゃったけど良のことは好きだけどそうゆう好きじゃないし、責任感で付き合って、もっと良を傷つけるだけなんじゃ、、、？）

坂本　春樹

ノン、、？

高森　ノン

ごめん。春樹

高森　ノン

春樹とは付き合えない。

坂本　春樹

そっか、、

坂本　春樹

大丈夫。ノンがこのままの関係がいいって言うなら、今まで通り、この関係でもいい。

高森　ノン

ごめん、、、

高森　ノン

それももう出来ない。

高森　ノン

ごめん。

高森　ノン

今日はもう帰るね、、！

坂本　春樹

ノン、、、？

それから一週間が経った

間宮　良

ノン、おはよう。

高森　ノン

良、待った？

間宮　良

待ってないよ、早く行こうぜ！

高森　ノン

うん。ごめん。

2人はあの日から付き合い続けていて、毎日一緒に大学へ行っていた。

間宮　良

お前昨日も俺の家にシャーペン忘れてたぜ、
一昨日は帽子忘れてたし、いくらなんでも忘れすぎだろ！笑

高森　ノン

ごめん、持ってきてくれたんだ。

間宮　良

だってシャーペンないとノート取れない
だろ笑

高森　ノン

そうだよね、ごめん。

間宮　良

（ノン、全然笑ってない）

間宮　良

（それに前より凄く謝るようになった。
気持ちがないのに俺と付き合ってる罪悪感がそうさせたんだ。）

間宮　良

（あんな顔にさせてしまったのは他でもない俺だ、、、）

間宮　良

（ノンを騙して付き合って、幸せにするどころか、無理やり笑わせて）

高森　ノン

良？だいじょうぶ？

間宮　良

うん。

間宮　良

だいじょうぶ。

高森　ノン

ずっとぼうっとして、ほんとにだ

坂本　春樹

ノン！

高森　ノン

春樹⁉︎

間宮　良

、、、⁉︎

坂本　春樹

連絡もつかなくなって
すげー心配してた。

坂本　春樹

よかった。

坂本　春樹

事故とか怪我とかしてなくて。

高森　ノン

うん。ごめん、連絡しづらくて

高森　ノン

気持ちの整理がついたらするつもりだったんだ

坂本　春樹

いや、変なことに巻き込まれてなくて良かった。

間宮　良

（あぁ、ノンは俺といるより春樹といる方が幸せなんだ。幼なじみで、ずっと見てきたから顔を見れば、簡単にわかる）

間宮　良

（春樹も、本気でノンのことを心配してる。
2人が付き合えばきっと幸せになれるんだろう）

坂本　春樹

邪魔してごめんな、
でも会えてよかった。

高森　ノン

うん。あとでちゃんと連絡するね。

坂本　春樹

うん。

間宮　良

（ノンはまだ春樹に何も話せてないんだ。）

間宮　良

（ノンのこんな顔を見てしまって現実を突きつけられて、これ以上ノンを縛り続けるのはもう無理だ。）

間宮　良

（もう、限界なんだ。）

間宮　良

ノン、

高森　ノン

？

間宮　良

さっき、ノンが春樹と話すのを見て
俺わかったんだ。

高森　ノン

なにが、、、？

間宮　良

ノンは春樹が好きなんだよ。

高森　ノン

、、良？

間宮　良

そんな気持ちのノンを俺が無理やり縛ることは出来ない。

間宮　良

今まで付き合ってくれて、

間宮　良

ありがとう

高森　ノン

‥‥

高森　ノン

ごめん

高森　ノン

わたし、多分春樹が好きだった時に良に告白されて、

高森　ノン

でも春樹は自分のこと好きじゃないから寂しさを紛わすために良と付き合う事にしたんだと思う。

間宮　良

うん。

高森　ノン

わたし、最低

高森　ノン

良を傷つけてしまって本当にごめんなさい。

間宮　良

ノンの気持ちに気づきながら

間宮　良

俺も付き合い続けてた。

間宮　良

付き合えたのが、あまりにも嬉しくて
ノンの気持ちに気づかないフリしてた

高森　ノン

良は悪くない

間宮　良

（俺は、最低なやつだからノンと付き合えないし、これ以上気持ちのない恋愛をノンに無理やり続けさせたくもない。）

間宮　良

（でも、小学生の時からずっと、ずっとノンの秘密を守って、ずっと協力し続けてきた）

間宮　良

（だから、いきなり出てきた春樹がノンの秘密を知ってどんどん2人がどんどん仲良くなってくのを見てられなかった。）

間宮　良

（だからこれは俺がノンにする最初で最後のわがまま）

間宮　良

（ノンが告白も受けてないし、了承もしてない事を俺は最後まで言わない。）

間宮　良

（言わなかったら、きっとノンは俺への罪悪感で春樹とは付き合えない）

間宮　良

（ごめん…）

間宮　良

（ノンも、、、春樹も、、ごめん）

高森　ノン

もしもし、春樹？

坂本　春樹

ノン？

高森　ノン

ごめんね

ノンは良とのことを春樹に全て話した。

高森　ノン

だから、、付き合えない。

高森　ノン

凄く最低なことをしたし、良も春樹も傷つけたから。

坂本　春樹

わかった。

坂本　春樹

でも、ノンと会えて良かったよ

坂本　春樹

人と深く関わる勇気を貰えた。

高森　ノン

ありがとう。

坂本　春樹

いや、俺の方こそありがとう。

10年後

春樹は、人と深く関われるようになっていた。ノンと出会って、変われたから。 1人の女性と真剣に付き合っていた。

坂本　春樹

〇〇さん、俺と結婚してください。

〇〇

はい！よろしくお願いします

坂本　春樹

ありがとう

坂本　春樹

（こうやって今、婚約出来たのもノンのおかげだなぁー、ノン元気かなぁ？）

良もまた、失恋を乗り越えて前に進んでいた。

間宮　良

（ノンの前から姿を消した10年前から彼女に一度も会ってない。でも、あの経験があったから俺は今たくましく生きていける。
ありがとう、ノン）

では、罪悪感と自己嫌悪と病気だけが残ったノンはどうなったか。

男

ノンちゃん、今日は妻も娘も居ないから
ウチにおいで

高森　ノン

いくいくー！

高森　ノン

私と遊ぶの楽でいいでしょ？

高森　ノン

やましいことも、イケナイことも、全部すぐに忘れちゃうから。

1人だけ10年前と同じまま

この作品はいかがでしたか？

1件

とても面白かったです！最初は、良が健気で、良に報われて欲しい一心でしたが、途中で春樹の過去を知ってしまい、感情がそっちに逸れてしまいました。ノンは、二人のどちらからもモテて、最初は羨ましかったですが、終始振り回されていて可哀想だと思いました。ラストに、二人のどちらかと付き合って綺麗にまとまるよりも、こんな風にドロドロな結末を迎える方がリアル味があってゾワッとしました。

ジュダル

プロフィール