私を育てることになった。30代前後に見えるこの人は、売れないカメラマンらしい。
けれども家は、結構大きい。
沙絢
...
沙絢
(汚い。)
この人
おい、そんな目で見るな。
この人
汚いなんて思わないもんがちだ。
沙絢
それを言ってる時点であなたが汚いと思っていることがわかるのに、ですか?
この人
あ。
そう言ったら、この人は頭を掻きながら
この人
気にすんな。
と、言ってきた。
沙絢
...暇な時、片付けしていいですか?
この人
ははっ。女子には、きついか。
この人
そういやぁ、名前、なんだったっけ?
沙絢
沙絢です。
沙絢
えっと、貴方は?
この人
あぁ、俺は宮野和樹だ。
この人
お前も明日から宮野、だ。
沙絢
そうですね。
この人
てか、高校生って聞いてたからもっと生意気だと、思ってたw
沙絢
はぁ
この人
じゃ、俺仕事だから。
この人
適当に
沙絢
(顔は整っているけど、なんかモテなさそう。[憐れみ])
この人
...(なんか、失礼なこと言われた気がする。)
沙絢
片付けでも、しようかな。
ガサゴソ。
沙絢
(カップラーメンとかのゴミ、多い。)
沙絢
(今日の夜ご飯ジャンクフードかなぁ。)
沙絢
(私が作ってもいいなら、作らせてもらいたい。)
ガサゴソ。
沙絢
?あ、
沙絢
写真だ。
沙絢
黒猫の。
沙絢
(可愛い。それになんか私に似てる気がするような、しないような。)
この人
その写真、気に入ったか?
沙絢
!!!、は、い。
この人
ならやるよ。それ
沙絢
ありがとう、ございます。
この人
敬語、なくていい。
この人
家族、なんだからな。
ぽん。
私の頭にこの人、いや、和樹さんの手が乗る。
沙絢
(久しぶりだな。撫でられるの。)
和樹
(喜んでる、な。最初にあった時よりいい顔してやがる。)