狐地 桜(幼少期)
へんなものがみえるの!
そんなわけねぇだろ
目立ちたいの?必死すぎ ︎ ︎︎︎︎︎︎ ︎︎︎︎︎
冗談きついって…
__昔から、変な者がみえた。
それは恐らく、
妖
と呼ばれる物の類。
私は昔から“それ”がみえたせいで
家族からも、
クラスメイトからも
周りの人間全員から蔑まれた。
母親
桜!またクラスの子を脅かしたのね?!
父親
コラ桜
父親
つまらない妄想ばかりしてないで、勉強をしなさい
母親
そうよ!
母親
凪桜を見習いなさい!
凪桜( ナギサ ) 。
私の義理の妹。
母が再婚した時の連れ子だ。
昔は仲が良かった。
筈、なのに。
凪桜
お姉ちゃん……
凪桜
何言ってんの?
現実は、こうやって冷たい目で見られるだけ。
もう限界だった。
日に日にやつれる私を気味悪いと思ったのか、
家族は私を親戚のおばさんの所に引き渡した。
でも、
親戚のおばさん
さ、桜ちゃん…?あまり…
親戚のおばさん
変なことは、言わない事…
親戚のおばさん
ね…?
……やっぱり、ここでも同じだった。
誰も、私を信じてくれない。
息苦しい数年間を、なんとか過ごした。
-五年後-
親戚のおばさん
桜ちゃん…今日から一人暮らしになるけど、大丈夫かい?
信じてもらえないなら、もういっそ何も言わないようにしよう。
家に住まわしてもらい、ご飯を食べさせてくれる。
それだけで、感謝するべきことだと。
案の定。言わなくなったらおばさんは私を実の娘のように育ててくれた。
狐地 桜
…大丈夫です
狐地 桜
学校も変わりますけど…
狐地 桜
やれるだけ、やってみます
親戚のおばさん
えぇ。いつでも帰ってきなさいね
狐地 桜
…さよなら
ようやく今日から一人暮らし。
学校は変わるものの、別に関係ない。
…もしかしたら、同じような人に出会えるかも、なんて。
淡い期待を抱くだけ無駄だ。
私は、踏み出した。







