LAN
いるま
六兆年と一夜物語
名も無い時代の集落の 名も無い少年の 誰も知らないおとぎばなし
大人
お前は忌み子だ
大人
お前は鬼の子だ
大人
だから罰を受けるんだ
悲しいことは何もないけど 夕焼けが綺麗な時、 手をひかれた
LAN
知らない
LAN
僕は何も知らない
LAN
叱られた後のやさしさも
LAN
手の温もりも
LAN
でも
LAN
本当は本当は
LAN
本当に「寒いんだ」
吐き出すような暴力 蔑んだ目の毎日に 「きみ」はそこに立ってた
LAN
「君の名前が知りたいな」
ごめんね 名前も舌もないんだ
僕の居場所は何処にも無いのに
いるま
「一緒に帰ろう」グイッ
LAN
!
LAN
知らない
LAN
僕は何も知らない
LAN
君はもう子供じゃないことも
LAN
慣れない人の
LAN
手の温もりは
LAN
ただ本当に
LAN
本当のことなんだ
LAN
何で
LAN
何で君はやめないの?
LAN
見つかれば殺されちゃうのに
日が暮れて 夜が明けて 遊び疲れて捕まった
LAN
こんな世界
LAN
僕と君以外
LAN
「皆居なくなればいいのにな」
「 」
LAN
知らない声が聞こえて
LAN
君と僕以外の全人類
LAN
抗う間もなく
LAN
手を引かれ
夕焼けの中に吸い込まれて 消えてった
LAN
知らない
LAN
僕は何も知らない
LAN
これからのことも
LAN
君の名も
LAN
知らないあの耳鳴りは
夕焼けの中に吸い込まれて 消えてった