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本当に楽しめないのだろうか
いや
違う
桃は間違いなくここに存在して
幽霊として生きている
別れを迎えるその日まで
楽しむ権利は絶対にあるはずなんだ
紫
紫
紫
紫
紫
紫
紫
桃
桃はへにゃっとした笑顔を向けた
俺はどうもこの表情に弱いようで
思わず視線を外してしまう
夏の暑さとは異なる熱が
全身に渦巻いた
桃
桃
桃
桃
紫
紫
桃
桃
桃
桃が小指を差し出す
俺も合わせるように小指を近づけると
桃の表情はさらに綻ぶ
存在しないはずの温もりが
小指に伝わった気がした
俺たちは目撃情報のあった橋へ向かい
ドッペちゃを観察していた
桃色のパーカー姿でご機嫌そうに歩くドッペちゃは
周りの風景を興味深そうに撮影中だった
翠
翠
紫
翠
翠
紫
桃
翠は桃の冷ややかなツッコミを浴びながら
持参した双眼鏡を覗いて笑う
人相の悪さも相まって
獲物を物色する人攫いにしか見えない
その感想は通行人も同様らしく
通行人
や
通行人
などといった呟きが耳に届く
桃
桃
翠
桃
翠
翠