テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
白い花の匂いが、部屋いっぱいに広がっていた。
線香の煙は細く、天井に溶けていくみたいで、どこか現実味がなかった。
棺の中の少女は、驚くほど静かだった。
まるで少し長い眠りに入っただけみたいで、今にも目を開けて「遅刻しちゃった」と笑いそうだった。
十四歳。
制服がまだ似合う年齢で、未来の話をするはずだった年齢で、彼女はここにいる。
参列者の誰もが、声を抑えて泣いていた。
嗚咽をこらえる音、鼻をすする音、震える肩。
泣いていない人も、ただ俯いて、何かを後悔するように手を握りしめていた。
遺影の中の彼女は、少し照れたような笑顔だった。
その笑顔が、余計に胸を締めつける。
――こんなふうに笑える日が、確かにあったのだと突きつけられるから。
「気づいてあげられなかった」
妃翠
次回0歳の時の妃翠
良かったらお気に入り追加やいいねやコメントをして貰えると嬉しいです
ランキングに入りたいので協力してくれると嬉しいです
マジでお願いします