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蘭side
校門の前まで来ると 恋醒の読み通り 雨脚が強くなった。
傘に雨粒が当たる音に 対抗するように私は 盛大に溜息をはく。
桃瀬らん
桜黄みこと
桜黄みこと
美琴の相槌を聞き さーっと血の気が引いていく。
せっかく澄絺の名前を 出さずにいたのに これでは台無しだ。
私が言葉を探している間に 「それにしても」と 恋醒が口を開いた。
雨乃こさめ
桜黄みこと
美琴が立ち止まったのに 気付かず恋醒はいつもの ように少し間延びした口調で言う。
雨乃こさめ
桃瀬らん
反射的に口を開いたものの 自分こそ無神経な発言をしている 気がして私は慌てて語尾を濁した。
取り繕うくらいなら 苦笑いで収めておいたほうが マシだったかもしれない。
桃瀬らん
美琴は再び歩き出していたけど 傘に遮られて表情までは見えない。
本人を置き去りにして 恋醒が更に続ける。
雨乃こさめ
桃瀬らん
言われてみれば納得の理由で 私は傘を少し突き上げた。
桃瀬らん
幼馴染4人でDVD鑑賞する時など 澄絺はいつも自分が持ち込んだ 作品ほどあれこれ言う。
私には理解し難いが好きだからこそ 何か言わずにはいられないらしい。
威榴真や夏都の言葉を借りるなら 「ただのツンデレ」だ。
桃瀬らん
少し遅れて歩く美琴にも 聞こえるように声を張り上げる。
しかし反応はなく私は心配になって つい振り返ってしまった。
桜黄みこと
何処か寂しそうに 笑う美琴を見て一瞬にして 稲妻のような電流が駆け巡った。
桃瀬らん
本人は無自覚なのかもしれないが 羨ましいと思ったのではないだろうか
準備室での会話を聞く限り 澄絺と恋醒は感覚を 共感しあってるようだった。
そして今も幼馴染の私より 余程理解していた。