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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

梵天社員a

この野郎…!!

ズドォンッ!!

梵天社員a

ぐぁ…ッッ!?

マイキーに銃口を向ける梵天社員a。 しかし、引き金を引く前に頭に蹴りが炸裂した。

マイキー

…そっちは片付いたか?

鏡三途

ああ、結構手こずったがな

鏡鶴蝶

お前ら、怪我はないか?

ココ

今のところは平気だ

マイキー

一人も逃がすなよ、蘭達が夢を連れ出す時に妨害されちゃ困る

鏡三途

分かってる

鏡マイキー

随分と、楽しそうだな

マイキー

!?

ドッ!!

突如として背後に現れた鏡マイキーは、マイキーに反応する暇さえ与えることなく、渾身の蹴りを入れた。

鏡三途

マイキー…!

マイキーは何とか防御するも、後ろに大きく飛ばされた。

鏡マイキー

ガードしたか、まあそれくらいできるよな

鏡マイキー

お前は俺なんだから

マイキー

テメェ…

鏡ココ

前は反応できなくて、普通に気絶してたのにな

鏡ココ

どうやらこの数時間で、劇的に成長したらしい

すると廊下の奥から、遅れて鏡ココが現れた。

ココ

…!

鏡鶴蝶

ココ…

鏡ココ

よう鶴蝶、まさかお前まで裏切るなんてな

鏡ココ

俺は悲しいぜ?

鏡鶴蝶

…お前だって、もう分かってるだろ?

鏡鶴蝶

こんなこと間違ってるって

鏡鶴蝶

今からでも遅くない、俺たちと協力してくれ

鏡鶴蝶

夢を助けよう…!

鏡ココ

ふざけてんのか?

鏡ココ

そんなことするわけねぇだろ

鏡鶴蝶

…ッ…!

鏡ココ

やっとここまで来たんだ、もう少しで夢が帰ってくる

鏡ココ

こんなところで終わらせてたまるか

鏡鶴蝶

ココ…

鏡マイキー

ココ、俺は3人とやる

鏡マイキー

お前は自分の分身片付いたら、手伝いに来い

鏡ココ

1人で3人も相手に出来んのか?

鏡マイキー

心配するな、ヘマはしねぇよ

鏡マイキー

それにあいつとタイマンじゃ、準備運動にもならねぇしな

そう言って鏡マイキーは、マイキーに目をやった。

バァンッ!!

鶴蝶

…ッ…!

ひとつの銃弾が鶴蝶の目尻を掠り、かすかに赤い血を垂らす。

望月

大丈夫か、鶴蝶

鶴蝶

ああ、少し掠った程度だ

武臣

お前ら気をつけろ、来るぞ…

鏡望月

どうした、もう終わりか?

鏡武臣

なんだよ…そっちの鶴蝶は、銃弾が掠った程度で怯むのか?

銃弾が放たれた方向、そこには鏡望月と鏡武臣が立ち塞がっていた。

武臣

"そっちの"鶴蝶ねぇ…

武臣

お前らはいつまで、鶴蝶が自分らの仲間のままだって信じ続けるつもりだ?

鏡望月

…何が言いたい?

武臣

鏡の鶴蝶も、鏡の三途も、もう俺らの仲間だ

武臣

2人とも…夢のために、命削って戦ってくれてんだよ

武臣

夢を取り戻すために、夢を苦しめるお前らと一緒にするな

そう言って武臣は銃を向けながら、2人を睨みつけた。

鏡武臣

苦しめるなんて、人聞きが悪ぃな

鏡武臣

それに、お前らは知ってんのかよ

鏡武臣

あの日、何があったのか…

鶴蝶

…ッ…それは…

鏡武臣

三途か鶴蝶が話したかもしれないが、それは聞いただけにすぎない

鏡武臣

大切なものを失う悲しみは、当事者にしか分からない

鏡武臣

お前らは何も知らない…ッッ!!

そう言って唇を震わせながら、微かに目に涙を浮かべた。

鏡望月

…俺らはお前らと協力する気も、和解する気もない

鏡望月

死ぬ気でこい

鶴蝶

(この2人を倒さないと先に進めない)

鶴蝶

(くそっ…早く夢を助けないといけないのに…!)

望月

鶴蝶、そこにいろよ

鶴蝶

え…?

武臣

ここは俺らに任せとけ

鶴蝶

何言ってんだ!俺も…

武臣

心配すんなって、それに

武臣

俺の分身が泣きそうになってるの見て、ちょっとお話しねぇとなって思ってよ

望月

お前は怪我もしてねぇし、ジジイの俺らと違って体力もあるから力温存しとけ

武臣

ジジイいじりやめろ、色々と刺さんだよ

望月

はいはい、悪かったな

武臣

ったく…

武臣

まあそういうことだから、お前は見物人な

武臣

もし死んだら、夢に俺らこと話してやってくれ

武臣

ちょーカッコよかったってよ

そう言って武臣は、タバコを取りだし火をつける。

状況に見合わない行動、しかし不思議と疑問は感じなかった。

座り込んだまま動かない自分の体。 瞳に映るのは、2つの広く大きな背中だけだった。

冷えきった暗い部屋、割れた窓から風が入り込みカーテンを揺らす。

差し込む月明かりに照らされたのは、男が男に銃を突きつける影。

鏡竜胆

ここまでたどり着いたことは褒めてやるよ

竜胆

お前に褒められても嬉しくねぇよ

鏡竜胆

はっ、そうかよ

鏡竜胆

まあいい、ハナから褒める気なんてさらさらねぇし

鏡竜胆

そんなことより、さっさと夢から離れろ

鏡竜胆

頭に風穴開けられたいってんなら、そのままでもかまわねぇけど

竜胆

……………分かった

そういうと竜胆は夢から離れ、両手を上げたまま立ち上がった。

鏡竜胆

やけに従順だな、気持ち悪ぃ

竜胆

テメェが離れろっつったんだろ、それに…

竜胆

お前のクソエイムが原因で、夢に弾が当たったら困るだろ?

鏡竜胆

こんな状況でも人を煽る余裕があるんだな

鏡竜胆

一発じゃ終わらせねぇぞ

竜胆

はっ、煽り耐性0かよ…w

今にも舌打ちしてしまいそうな顔をする鏡竜胆を見て、竜胆はバカにするように嘲笑した。

りん、ちゃん…

竜胆&鏡竜胆

突然聞こえたか細い声。 静寂に包まれた部屋に、それは微かに響いた。

りんちゃん、………りん、ちゃ…

竜胆

夢…?

ここ…どこ、だれ………どこ…

いたい、くらいよ…さみしいよ

あいたい、みんなに…あいたいよ

竜胆

夢、もしかして記憶が…?

やだッッ…!!(バチンッ

すると竜胆が近づいたその時、夢が突然そう叫び伸ばされた手を叩いた。

竜胆

!?

こないでッ!!こないでよッッ!!

こわいよ…たすけッて”……ら、ちゃん…!!

竜胆

夢、どうし…

らんちゃんッ……らんちゃん”…ッッ!!

鏡竜胆

(まさかバッドか…!?)

鏡竜胆

(薬切れ…混乱してる…)

鏡竜胆

(兄貴…でも、兄貴はいま…)

錯乱した夢を前に、2人はただ戸惑い見つめることしか出来なかった。

そんなめで、みないで……こわいかお、しないで…ッ…

わらったかお…すきだよ、いつもみたいに、わらいかけてよ…

さいごまで、しんじるから……きらいになったり、しないから…

まだ…ともだちでいたいよ、いーちゃん…

竜胆

…!

わたしのなまえ、よんでよ…

そばにいて、いっしょに…いて…ッ…

ギュッ…

錯乱しひとり泣き叫ぶ夢。 そんな彼女を竜胆は反射的に抱きしめた。

竜胆

…夢

らん、ちゃん…

竜胆

うん…

らんちゃん……いーちゃんが…

竜胆

大丈夫…

わたし、まもれなくて…

竜胆

お前のせいじゃない…

ら、ちゃん…

竜胆

……うん

………………りん、ちゃん…

途端、夢の意識が消え…目がそっと閉じられた。

竜胆は夢をゆっくりと寝かせると、ベッドから静かに降りた。

竜胆

…おい

竜胆

なんで撃たなかった?

鏡竜胆

…!

竜胆

完全に無防備だったはずだ

竜胆

夢に気を取られて、お前に背中を向けていたのに

竜胆

絶好のチャンスだろ?

鏡竜胆

それは…

竜胆

怖かったのか?

鏡竜胆

え…?

竜胆

自分じゃ何も出来ないからって、誰かに頼りたかったのか?

鏡竜胆

…ッ………

図星をつかれ、鏡竜胆は思わず体をピクっと動かした。

竜胆

…正直、俺も怖かったよ

竜胆

何をすればいいか分からなくて、夢が何を思ってるのか分からなくて

竜胆

あの言葉聞くまで、ずっと硬直してた

鏡竜胆

あの言葉…?

竜胆

…お前らの世界では、生きてるけど

竜胆

俺らの世界では、花笠樹は夢の目の前で死んだんだ

鏡竜胆

竜胆

表面上では明るく振舞ってたけど、きっと心の中ではずっとトラウマだったんだろうな

竜胆

それを俺は、今の今まで気づけなかったんだ

悲しげにそう言うと、竜胆は夢の目元の涙を拭った。

竜胆

きっと兄貴なら…兄ちゃんなら…

竜胆

すぐに察して、落ち着かせられてた

竜胆

兄ちゃんは夢のこと、誰よりも理解してるんだ

竜胆

和田とはいい勝負しそうだけど…

そう言って竜胆は乾いた笑いを浮かべると、ベッドに腰を下ろし前かがみになった。

そしてしばらくの間ののち、躊躇い気味に口を開いた。

竜胆

俺さ…好きなんだ、夢のこと…

鏡竜胆

…!

竜胆

明るいけど、少し落ち込みやすい所も

竜胆

強いけど、たまに弱い所も

竜胆

家族や友達、自分が大切に思う人を第一に考えるところも

竜胆

全部好きで、ただ大好きで…

竜胆

もし結ばれたら、どれだけ幸せだろうってすごく思った

竜胆

でも、ッ…夢が好きなのは兄貴で…

竜胆

俺は…友達としか思われてなくて…

竜胆

悔しかった、でも今は…自分がどうしようもなく不甲斐ない

竜胆

夢のこと好きなくせに、夢のこと何も知らなくて…ッ

竜胆

好きな人が泣いてたのに、そんな時でさえ兄貴に頼ろうとして…

竜胆

最悪だ、何もかも全部…

竜胆は手を目元にあてがいながら、思い切り歯を食いしばり泣き沈んだ。

それを黙って見ていた鏡竜胆。 しかし暫くして、彼は竜胆の隣に腰を落とした。

鏡竜胆

…………俺も、

鏡竜胆

俺も、夢が好きだ…

竜胆

…!

鏡竜胆

もういないけど、でも…まだ好きだ

鏡竜胆

諦められなかった、諦めたくなかった

鏡竜胆

どんな手を使ってでも、取り戻したいと思った

鏡竜胆

………不甲斐ないのは俺も同じだ

鏡竜胆

あの日俺は、夢を助けに行かなかった

鏡竜胆

兄貴なら助けてくれる、そう思ってたからだ

鏡竜胆

でも帰ってきたのは、虚ろな目をした血まみれの兄貴と、そんな兄貴に抱えられた夢の遺体だった

鏡竜胆

あの時、兄貴を止められていたら…ちゃんと計画を練られていたら…

鏡竜胆

俺が兄貴だけに頼らなければ…

鏡竜胆

きっと、もっといい未来だったはずだ

鏡竜胆

楽しくて…賑やかで……お前らみたいに、幸せな…ッ…

そう言って目に涙を浮かべ、声を震わせる鏡竜胆。

そんな彼を横目に、竜胆はおもむろに口を開く。

竜胆

これから、どうしたい…?

鏡竜胆

え…?

竜胆

俺は夢を助けて、兄貴たちと元の世界に帰る

竜胆

でも、お前を放っておきたくない

竜胆

最初はお前らのこと、卑劣で外道な奴らだと思ってた

竜胆

でもお前や鏡三途、鏡鶴蝶の話を聞いて

竜胆

本当は俺たちと同じように、夢のことが大切で大好きなだけなんじゃないかって思った

竜胆

教えてくれ、お前の口から聞きたい

竜胆

お前は、どうしたい?

鏡竜胆

俺は…

To Be Continued…

ヲタ女と反社【君に捧ぐ想い】

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コメント

50

ユーザー

最近毎日続きが楽しみで毎日読んでます(+伏線回収)

ユーザー

やばい続きが気になる(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

ユーザー

続きはいつ出されますか?楽しみにしてます💗

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