河合真琴
鞍宮先生、今日の坂田さんはやけに様子がおかしかったわよね
鞍宮葬
坂田…嗚呼、あの患者さんか。
あの人はね、行き過ぎた薬の服用に
よって意識が混濁状態にあったんだ
あの人はね、行き過ぎた薬の服用に
よって意識が混濁状態にあったんだ
鞍宮葬
だからおかしかったのかもしれない。…でも浮き彫りになった情報はデータにまとめる必要があるから、どんな様子だったか詳しく聞かせてくれないかな?
河合真琴
ええ、えっと…たしか私が見た時は手足がガクガク震えてて、言葉もまともに発せない状態だったの。
河合真琴
でもそんな状態でも正確に、家の人から持たされた橙色のイヤホンで首を絞めようとしてた。
鞍宮葬
なるほど
河合真琴
今日は私が気付いたから止めに入れたけど、もしB室の通りに誰も人が通り掛からなかったらと思うと…駄目だわ、震えが止まらない…
鞍宮葬
落ち着いて…河合さん。坂田さんは混濁状態だけど、確実に息をしてる
鞍宮葬
きっとあのまま行けば薬の効果が抜けて時期に良くなるはず。だから今はじっとその時を待つんだよ
河合真琴
…ありがとう、鞍宮先生。
河合真琴
確かにあんなにいつもパワフルな坂田さんが、簡単に冷たくなっちゃうだなんてそんなはず無いわよね。
鞍宮葬
ううん、それは違うよ河合さん。
鞍宮葬
人はね、存外呆気なく死んでいってしまうものなんだ。花だって、鴉だって、野良猫だってそう。人間も
所詮は動物の類に過ぎない
所詮は動物の類に過ぎない
鞍宮葬
だからいつもパワフルな人だったとしても…死ぬ時は勝手に死ぬよ。
河合真琴
…鞍宮先生?
鞍宮葬
ごめん、…少し言い過ぎたかな
河合真琴
いや…大丈夫よ。鞍宮先生も、態々意地悪がしたくてこんな真剣なこと言わないでしょう?
鞍宮葬
うん、そうだね…それだけは違いなく言えるんだ。
鞍宮葬
なんせ私が先生を始めた理由がそれに詰まってるからね。
河合真琴
そっか、鞍宮先生…元は貴方も
" すきなひと " が原因で此処の
先生になったのよね。
" すきなひと " が原因で此処の
先生になったのよね。
鞍宮葬
…よく覚えてるね河合さんは
河合真琴
ふふ、私の記憶力舐めてもらっちゃ困る困る…ところで鞍宮先生。この間の貸しまさか忘れてないでしょうね?
鞍宮葬
全く皆記憶力がいいんだから此処の子は。でもラーメン一杯で気取られちゃ、ちょっと困るな
鞍宮葬
だってこの間の河合さんが壊した施設のドライヤー、修理代込みで一万は掛けたんだから。
河合真琴
ヒョッ…それは、えーっと、、
鞍宮葬
しかも、ここのドライヤーは修理費が高いから注意して扱ってくれと言った矢先に…だよね?
河合真琴
あ、あぁ…
鞍宮葬
さあて、今日の昼ごはんは何にしようか。