主
てるとくん
てるとくん
てるとくん
誰かの大きな声と、体が揺さぶられる感覚で目が覚めた。
ゆきむら。
てるとくん
てるとくん
ゆきむら。
てるとくん
てるとはそれだけ言うと部屋から出ていく。
僕は寝転びながら天井を見た。
そのまま目を閉じたら、昨日の悲鳴が頭のなかで響いた。
これ以上聞きたくなくてまた、目を開けたらそこには先程と変わらない見慣れた天井があった。
モソモソと動きながらベッドから起きた。寝巻きのまま階段を降りる。
リビングのドアを開けても、誰もいなかった。 机の上に湯気の立ち上る朝ごはんが3つ、置かれてるだけ。
この家で、朝ごはんを作れるのはてるとだけだ。
しゆんは、朝起きれない。 僕は論外。 てるとだけが、毎朝早起きをして僕たちの朝ごはんを作っていた。
ゆきむら。
手を合わせて誰もいないリビングで一人食べ始める。
少しして、てると達が降りてきた。
しゆん
ゆきむら。
しゆん
ゆきむら。
てるとくん
しゆん
てるとくん
しゆん
ゆきむら。
こうやって、僕らの日常は始まる。
この日常が壊れるのも、時間の問題。
壊れるまで、あと、数時間。
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