TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

LINE1262

一覧ページ

「LINE1262」のメインビジュアル

LINE1262

1 - あ

♥

41

2023年10月24日

シェアするシェアする
報告する

マオ

アオイ部長、お久しぶりです。

アオイ

おや、マオさん。久しぶりだね。

アオイ

退職以来だな。元気でやってる?

マオ

ええ、なんとかやってます。。。

アオイ

半年前にお子さんが産まれたんだっけね。

アオイ

お子さんも順調かな?

マオ

はい。娘は順調に育ってます。

マオ

もう歯が生えてきたんですよ。

アオイ

そうか、それはかわいい盛りだろうな。

アオイ

お母さんは大変な時期だろうけど。

マオ

ええ、子育ては大変ですが、赤ちゃんはかわいいですね。

アオイ

ウチも1歳の息子がいるから分かるよ。

アオイ

親は目が離せない時期だよな。

マオ

ええ。

マオ

実は、今日は相談があってLINEしたんです。

アオイ

相談?なんだい。

アオイ

もしかして再就職かな?

アオイ

ウチは人手不足だからな。

アオイ

戻ってきてくれるなら、歓迎するよ。

マオ

ありがとうございます。

マオ

そのお言葉、心にとめておきます。

アオイ

ん?ということは再就職のコトじゃないんだね。

マオ

ええ。ちょっと違うんです。

マオ

長くなるので、こんど1時間ほどお時間をいただけませんか。

マオ

それも、できれば平日がいいです。

マオ

部長にお見せしたいモノもあるので。

アオイ

意味深だな。。。

アオイ

じゃあ、今週の水曜日の夕方でいいかな。

アオイ

ちょうど出張先がマオさんの家の方面だから、

アオイ

フレックスで仕事を切り上げて、話を聞くよ。

マオ

ありがとうございます。

マオ

子供も連れて行きますが、良いですか。

マオ

預けられる人がいないので。。。

アオイ

もちろん構わないよ。

アオイ

では16時に駅前の喫茶店でいいかな?

マオ

はい。よろしくお願いいたします。

アオイ

こちらこそ。じゃあ、また。

~自己紹介~

マオ

はじめまして、私はマオ、27歳の専業主婦です。

マオ

とある大手企業に勤めていましたが、同僚だった夫と結婚し、一人娘を授かりました。

マオ

出産を機に会社を辞めたのですが、毎日子育てに奮闘しています。

マオ

本当は辞めたくなかったのですが、

マオ

同僚からの嫌がらせが酷くて、耐えられなくなったのです。

マオ

夫は、育児に参加することはほとんど無く、ワンオペでの育児です。

マオ

しかもどういうわけか、生活費をくれません。

マオ

出産時の入院費は私が自分で出しました。

マオ

娘のためのオムツやお洋服なども、すべて私が用意したのです。

マオ

極めつけは、娘の出生届を役所に出してくれなかったことです。

マオ

私が、退院したその足で、タクシーで役所に行って提出したんですよ。。。

マオ

会陰切開の痛みもあったので、とても大変でした。

マオ

もちろん夫の付き添いは無し。助産師さんたちにも心配されたほどです。

マオ

娘は良く寝る育てやすい赤ちゃんで、それがせめてもの救いです。

マオ

それでも頑張って家事と育児をこなしていましたが、

マオ

最近、夫の様子がおかしいのです。

マオ

日曜日に仕事だといって1人で出かけたり、

マオ

シャツにベッタリと口紅をつけて帰ってきたりするのです。

マオ

もう、考えられるコトはひとつしかありません。

マオ

養ってもらっている身なので、今までは黙っていましたが、

マオ

ここまでバカにされたら、反撃するしかありません。

マオ

そして私は、ある人に協力をあおぐことにしたのです。。。

~とある平日の夜~

ジュン

おい、なんでこんなにオムツを買ってんだ。

ジュン

トイレが狭くなって使いづらいじゃん。

マオ

しかたないでしょ、置き場所がないんだから。

マオ

近くのドラッグストアで安売りしてたから、

マオ

まとめ買いしたのよ。

ジュン

だからって3個も買うんじゃねーよ。

ジュン

つか、オムツなんて布にしろ!

ジュン

いちいち紙おむつに金払うなんて、無駄だと思わないのか?

マオ

イヤよ。

マオ

ただでさえも洗い物が多くて手荒れがひどいのに、

マオ

布おむつになんて替えたら、余計に手が荒れちゃうわ。

ジュン

はあ?なにをお嬢サマぶってんの?

ジュン

お前の手なんて誰もみてないぞ?

ジュン

ちょっと荒れてたって、誰も気にしねーよ。

マオ

人目がどうとか、そういう問題じゃないの。

マオ

あかぎれやヒビがひどくて、水がしみるの!

ジュン

あほらし。繊細ぶっちゃって。

ジュン

ゴリラみたいに頑丈なのが、お前の取り柄だろ?

マオ

誰がゴリラよ。。。

マオ

これでも学生時代は読者モデルもしてたのよ。

マオ

身長だって普通に162cmだし。

マオ

そんなふうに雑に扱われると傷つくわ。

ジュン

お前なんか、本物のモデルだったツカサさんに比べれば、

ジュン

ただのモブでしかないんだよ。

マオ

え?なんで急にツカサさんの話を?

マオ

それって私たちの問題に関係ある?

ジュン

モノの例えだよ!

ジュン

いちいちつっかかるな。

マオ

だいたい、紙おむつ代も出してくれないクセに

マオ

エラそうに布おむつにしろとかいってくる、その了見はなに?

ジュン

俺はお前のために言ってんだよ。

ジュン

だって、子育てのためにイチイチ貯金を切り崩してたら

ジュン

お前が困るだろうと思ってさぁ。

マオ

何をいってるの。。。

マオ

私に、仕事をやめるよう言ってきたのはジュンだよね。

ジュン

ああ。そのほうが子供にとっては良いだろうからな。

マオ

私は辞めたくなかったのに。

ジュン

お前なんか、あの職場で何の役に立っていたっていうんだよ。

ジュン

単に、部長のお気に入りだったってだけの話で、

ジュン

いても居なくても同じようなもんだったよ。

マオ

なんですって。。。

ジュン

あ、聞いたコトない?みんな言ってたんだぜ。

ジュン

マオが辞めたら仕事がスムーズに進むようになったってさw

マオ

それ、誰から聞いた話?

ジュン

いや、みんなだよ。

マオ

みんな?

マオ

それを言っていたのは、ツカサじゃないの?

マオ

彼女、さんざん私に嫌がらせをしてきたからね。

マオ

あんな奴の言ってるコトを真に受けるんだね。

ジュン

おいおい、誤解だよ。

ジュン

まあ、でも節約はしたほうがいいぞ。

ジュン

子供を産んだのはお前なんだから、しっかり育てろよ?

ジュン

俺は、お前に家事さえやってもらえれば、それで充分なんだから。

マオ

ちょっとくらいは生活費をだしてよ。

マオ

まったく何も出さないのって、明らかにおかしいと思うわ。

マオ

ちょっと、読んでる?

マオ

また既読無視よ。。。

~元同僚とのLINE~

ツカサ

マオ、元気い?

ツカサ

私のSNS、いつも見てくれてるよねえ。

ツカサ

地味な専業主婦のアンタには、キラキラすぎてまぶしいかな?

ツカサ

ウチは夫が社長の息子で御曹司。

ツカサ

年収も1千万越えのエリートだからさ。

ツカサ

庶民のアンタには手の届かない生活を見せられるのは

ツカサ

ちょっと苦痛かなぁ?

マオ

いえ別に。

マオ

アオイ部長にはよく世話になったし、

マオ

結婚式では司会もさせてもらったしね。

マオ

だからといって、別にうらやましいとは思ってないわよ。

ツカサ

うっそー。

ツカサ

アンタさあ、学生時代に読モやってたなんて嘘でしょ?

マオ

何でそう思うの?

ツカサ

だって、私なんてホンモノのモデルだったでしょ。

ツカサ

女優の仕事もやってたから分かるけど、

ツカサ

アンタみたいな、顔しか取り柄のない女、

ツカサ

ぜったいに需要が無かったと思うんだよね!

マオ

余計なお世話よ。

マオ

パソコンの使い方もロクに知らないで

マオ

事務作業をミスってばかりだった人に言われたくないわ。

ツカサ

私は仕事なんて出来なくっても平気なの!

ツカサ

この顔と夜のテクニックで、部長をオトしたんだから。

マオ

へ~。

マオ

堂々といえるなんて、よほどの自信家ね。

ツカサ

子供も作って、結婚まで持ち込めたしね♪

マオ

相手がそんなに高収入なら、働いてる必要ないんじゃないの?

マオ

なんで会社員になったの

ツカサ

ネタ作りのためよ!

マオ

はあ。

ツカサ

子育てしながら働いていると、SNSで発信しやすいのよ。

ツカサ

子供のことでもネタが書けるし、

ツカサ

仕事のことでもネタが書けるでしょ。

ツカサ

ブログのアフェリエイトで稼いでるってわけ。

マオ

そう。

マオ

興味ないけどね。

ツカサ

ところでアンタの旦那、そろそろ昇進しそうね。

ツカサ

係長になるみたいだけど。

マオ

まだ決定ではないわ。

マオ

それも私には興味ない。

ツカサ

あら、ずいぶん無関心ね。

ツカサ

愛する旦那様が昇進するんだから、

ツカサ

もっと喜んであげたら?

マオ

どうでもいいことよ。

マオ

いいたいことはそれだけ?

ツカサ

まあ、そうね。

マオ

だったらもうこの話はおわり。

マオ

興味ないことで時間をつぶしたくないの

ツカサ

生意気ね。

マオ

私、もう会社を辞めたのよ。

マオ

いいかげん絡んでくるのはやめてね。

ツカサ

冷たいわねぇ。あんなに可愛がってあげたのに。

ツカサ

って、もう見てないのか。

ツカサ

つまんないの。ヒマだから遊んでやろうとおもったのにさ。

~2週間後~

マオ

ジュン、昨日ウチに誰か呼んだでしょ。

ジュン

え?なに言ってんの。

ジュン

俺は昨日、在宅勤務で家にいたけど、ずっと1人だったぞ。

マオ

1人ねぇ。確かに、アナタが

マオ

「お前たちがいると仕事に集中出来ないからって」

マオ

とつぜん、私と娘のアカリを家からしめ出したから

マオ

日中は1人で過ごしてたわよね。

マオ

おかげで、こっちは夕方まで

マオ

車の中や児童館で時間をつぶすハメになったけど。

ジュン

そんな時に頼れるママ友もいないのかよ。

ジュン

お前って、マジで人望も無いんだな。

マオ

なんなのその結論。

マオ

急に子連れで押しかけて、迷惑がらない人がどこにいると思う?

ジュン

俺が仕事に専念するために、気を配るのが妻の務めだろう?

ジュン

文句言われる筋合いはねーよ。

マオ

もうそんなことはどうでもいいわ。

マオ

昨日、誰がウチに来たのかって話をしてたのよ!

ジュン

誰も来てないっつーの。

マオ

本当にそうかしら。

マオ

実は、アナタとある人の動向を、調べていたの。

マオ

それも、知り合いに協力を頼んでね…。

ジュン

は?急になに?

マオ

昨日の在宅勤務は、1人じゃなかったでしょ?

マオ

同僚のツカサを家に連れ込んでいたわよね?

ジュン

へ?

ジュン

な、なんのことを言ってるんだ。

ジュン

そんな証拠がどこにあるんだよ?

マオ

(画像送信)

マオ

この写真の背景、どこだかわかるよね。

ジュン

え?ウチのリビングじゃないか。

マオ

これさ、ツカサのSNSから拾った写真。

マオ

コメントには

マオ

同僚の家で一緒に在宅勤務中♪ついでに休み時間にイチャイチャしちゃった♡

マオ

って書いてあるんだけど!?

ジュン

ちょ、ちょっと待てよ!

ジュン

こんなモノで俺をおどかすのか?

マオ

これは脅しなんかじゃないわ。宣戦布告よ。

ジュン

へ?なんのためにそんな事を…。

マオ

決まってるでしょう。

マオ

慰謝料を貰うためよ。

ジュン

慰謝料?まさかお前、離婚する気なのか?

マオ

そうよ。

マオ

逆にアンタと結婚してて、良いコトなんてなにかあったっけ?

マオ

子供が産まれても一切生活費を出さないし

ジュン

う。

マオ

出生届も出しに行ってくれなかったし。

ジュン

えっと。

マオ

おまけに生活費も一切だしてくれないし!

ジュン

あ、あの…。

マオ

あと、このSNSの写真の主の旦那様

マオ

つまりアオイ部長ね。

ジュン

あ、アオイ部長って、会社社長の子息の息子さんだよな。

マオ

そうよ。実は彼にも、同じ情報を共有しているの。

ジュン

な、なんだって!?

マオ

あなたの行動があまりにもおかしいから、

マオ

アオイ部長に相談して、お互いの情報を共有することにしていたのよ。

マオ

そうすれば、情報量が2倍になるわけだから。

マオ

不倫の証拠も集めやすくなったわ。探偵を雇う必要もないくらいにね!

ジュン

そこまでやるか!

ジュン

っていうか、部長にそんなヤバい情報を流したら、

ジュン

俺の昇進の話がダメになっちまうよ!

ジュン

そんなコトになったら、お前だって困るだろう?

マオ

別に困んないわよ。

マオ

だって今までだって、びた一文も生活費をくれなかったじゃない。

マオ

こんなんだったら、シングルマザーになったほうがよっぽどマシよ。

マオ

毎日毎日、アンタなんかに罵倒されるよりはね!

ジュン

いや、俺の口が悪いのは、昔からのことだろう?

ジュン

お金だって、俺の分は蓄えにまわしたほうがいいだろうし。

マオ

貯金にまわせるほどのお金はなかったんじゃないの 

ジュン

え?

マオ

ツカサに色々貢いでいるでしょ?

マオ

平日の高級ランチとか、誕プレとかね。

マオ

私には結婚以来、誕プレなんてくれなかったくせに。

ジュン

だまれ!お前が悪いんだ。

ジュン

ツカサに比べたら、お前は夜も積極的じゃないし、

ジュン

テクニックもイマイチで、ヤっててもつまんなかったんだよ!

マオ

私が育児に疲れていて、その気が無いのに付き合ってあげてたってことに

マオ

気づいていなかったの?

ジュン

へ。。。?

ジュン

おまえ、演技してたの?

マオ

そうよ。私に言わせれば、下手くそなのはあなたのほうよ。

ジュン

な、なんてことを言うんだ、お前は。

マオ

あのさ、いいことを教えてあげる。

マオ

ツカサが実は昔、〇V女優だったってこと、知ってる?

ジュン

え、ウソ!

マオ

プロみたいなものなんだから、上手なのは当たり前よね。

マオ

ま、そんなことよりも…

マオ

不倫の証拠は、他にも色々あるからね。

ジュン

まだあるのか!

マオ

それを内容証明で、ツカサとジュンあてにそれぞれ送ったわよ。

ジュン

内容証明?

マオ

届いたらしっかり目を通しておいてね。

マオ

慰謝料の額とかも書いてあるから。

マオ

あ、ちなみにね。

ジュン

ま、まだなにかあるのか。

マオ

アオイ部長もまったく同じタイミングで、内容証明を送るそうよ。

マオ

同時に動いたほうが、何かと都合がいいからね。

ジュン

ええ?お前らタッグを組んで、俺をつぶす気か!

マオ

いままでの仕返しよ。

マオ

せいぜい後悔するといいわ。自分のバカさかげんにね。

ジュン

そんな!せめてお前の慰謝料請求は無しにしてくれよ。

ジュン

生活費もちゃんと払うし、これからは大事にするからさあ。

マオ

信用しない、信用しない。

マオ

アンタなんか、父親としても夫としても、いないほうがマシなレベルよ。

マオ

私たち、実家に帰るわ。だからさようなら!

ジュン

マオ、そんなこと言わないでくれ。

ジュン

お願いだから、家を出て行かないでくれ…。

~その後~

マオ

私とジュンは、その後無事に離婚が成立しました。

マオ

同じタイミングで、アオイ部長も離婚が成立したそうです。

マオ

私の娘はもちろん私が、アオイ部長の息子さんはアオイ部長が引き取り、

マオ

どちらも親権を得る形で、離婚したのです。

マオ

慰謝料は、それぞれの配偶者から貰いました。

マオ

ジュンは、生活費を出し渋っていた割には貯金が少なく、

マオ

足りない分の慰謝料を消費者金融から借りる形で、払ったようです。

マオ

部長の妻に手を出したワケですから、もちろん昇進の話はナシになりました。

マオ

そして地方の下請企業に左遷され、こき使われながら働いているそうです。

マオ

ツカサはというと、会社に居づらくなってとうとう退職し、

マオ

なんと人妻枠で〇Vに再デビューしてました。

マオ

あんまり売れてないみたいですけどね。

マオ

まともな労働をあれだけバカにしていたので、バチが当たったんだと思います。

マオ

私は、アオイ部長にお願いして、もとの会社に再就職することになりました。

マオ

これからシングルマザーとして、しっかり娘を育てていこうと思います!
loading

この作品はいかがでしたか?

41

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚