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僕の好きな人は
サラダにも
トーストにも
パンケーキにも
フルーツにも
メープルシロップをかける。
黄
照れながらそう言った君に
そうなんだ、なんて曖昧な返事をして
また君を見つめる。
レモンよりも濃い綺麗な黄色の髪に
山吹色に透き通る目。
色白な肌。
まるで君自体が メープルシロップみたい、なんて。
青
何か月も悩んで
僕はやっと決意した。
君に告白すると。
まだ真夏の暑さが残る夕方、
適当な理由をつけて呼び出し
もうすでに身構えている君と向き合い
少し息を吸う。
君の目を見つめて、 少し吹く風に想いをのせた。
青
青
あんなに悩んだくせして
言葉は至ってシンプル。
照れ隠しも一切しない。
あとは、君からの返事を待つだけ。
黄
君も身構えていたくせに
意外にもシンプルな返事だった。
似たもの同士なのかもしれないと 思った瞬間、
なんだか笑いが込み上げてきて、
ふっ、と思わず笑みが溢れた。
「何笑ってるんですか/」と 照れながらいう君が
もうすでに僕の恋人だなんて
まだ信じられないな。
僕の恋人は
サラダにも
トーストにも
パンケーキにも
フルーツにも
メープルシロップをかける。
そして僕は
そんな君に
メープルシロップよりも 甘いキスをする。
青
黄
これは君への 僕からのメープルシロップ。
なんてね。
『メープルシロップ』