テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
冷「…」
目も見えない、音も聞こえない。
冷は静かな暗闇に閉じ込められていた。
そして…
急に誰かに抱えられる感覚がした。
冷は警察署に居た。
近所の人が冷の悲鳴を聞き通報したらしい。
警察は家に残されてた冷の姿を見てすぐに保護した。
冷「ユラユラ」
冷はなにが起きているか分からず、足をゆらゆらさせて大人しく椅子に座っていた。
冷は親戚の家で引き取られることになった。
父と母は終身刑となった。
児童虐待、薬物乱用、その他にも罪状が多々出てきた。
それを知らされるのは冷が18歳になった頃。
その頃には点字を使って会話が出来ていたからだ。
冷「トントン」
保護者「冷?どうしたの?」
冷(父と母に会いたいです)
保護者「え?」
冷(ダメですか?)
保護者(もう…生きてないの…)
冷(本当ですか?)
保護者「…」
父と母は警官が目を離している間に自殺したらしい。
それでも冷は会いたいと願った。
冷「…」
冷「おと…う…さ…ん」
冷「お…かあ…さん」
感覚を思い出しながら冷は言葉を発した。
冷が耳と目を失って最初に話したのは。
「お父さん」「お母さん」だった。
冷はまだ両親が好きだった。
両親を失う事によって冷は…
グサッザクッ
冷「…」
冷(足りない…)
冷(もっと…痛いの…)
冷(誰も…僕を愛してくれないッ…泣)
愛を与えてくれた両親が居なくなり。
冷は自分で自分を愛すようになった。
お願い…もう…嫌だ…
誰も僕を愛してくれない…
どうして愛してくれないの…
冷「あ…い…して…る…」
冷は24歳で両親の墓の前で自殺した。
しかもすぐ死なず
何度も何度も自分の腹を刺した。
その時の冷は…
笑っていた
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!