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おどみん巫女パロ

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おどみん巫女パロ

11 - 第11話 「良いアヤカシと悪いアヤカシ」

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2025年02月07日

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うたい

べるさん!大丈夫!?

柚子の魔人が吹き出した酸性液によって、べるの背中の翼が激しい痛みと共にドロドロと溶ける。

七鐘別流

うう…がぶ。

苦しんで居るように見えたべるが、唐突にうたいの手首を噛む。

すると、翼はまるで毛が生え変わるかのように背中から落ち、すぐに新しい翼が伸びる。

うたい

うえっ!?

七鐘別流

ふふふ。獣人は回復能力にも優れてるから。覚えといて。

あふぇりる

なるほど…って!来てるよ!

柚子の魔人は、巨体を振り回すように走り、うたい達に拳を振り上げる。

あふぇりる

うたいさん!

あふぇりるの声と同時にうたいは圧から解放されたバネのように一気に飛び出す。その速度は常人が目で追えないほど出会った。

あふぇりるが巻き付いたことによってさらに強化された膂力とスピード。その出力を右拳に集約した一撃が、柚子の魔人に突き刺さる。

うたい

どうっすかね!?

うたいの一撃は、酸性液が結晶化した盾によって阻まれる。しかも、柚子の魔人の拳はうたいに向かって振り下ろされる。

七鐘別流

やっぱまだ甘いよね。君たち。

振り下ろされた拳がうたい達に突き刺さるより前に、別流の居合に似た血の斬撃が魔人の腕を肩から切り落とす。その速度は、先ほどのあふぇりるの力を借りた一撃を大きく上回っていた。

腕を一本失った魔人は、怯んで後退りしてしまう。

七鐘別流

今がチャンスかな。作戦説めーい。私があいつを最速で切り刻む。あふぇさんとうたいさんは捕まってる人を守って。

うたい

了解。あの男とあそこら辺にいっぱいいる弱い魔人を近づけなければいいってことだよね?

七鐘別流

いや、私から守って?

その言葉と共に、大型の柚子の魔人を守るように取り囲んでいた比較的小さい魔人達が全て細切れになっていた。

うたい

何これ…!

あふぇりる

多分、羽根みたいな、めちゃくちゃ細かい血液の刃が切り刻んだとか…かな…

「「早すぎて、全く見えなかった…」」 その声を掻き消すように、血を纏った蹴りが魔人の胸に突き刺さる。

うたいとあふぇりるは気づく。別流の纏う雰囲気が、氷のように冷たくなっていることに。

七鐘別流

血詛呪術「血飛沫」

腕をボコボコと再生させようとした柚子の魔人の肩に細かい血の棘がつき刺さり、再生を阻害する。

血の棘が突き刺さった痛みからか、切り落とされたのとは逆の手から酸性液を撒き散らし、別流を遠ざけようとする。

七鐘別流

遅っそ。

すでに、別流によって壁をぶち抜いて建物の外に蹴り飛ばされているが。

七鐘別流

血詛呪術「血翔」

別流の羽を血が覆い、それをブースターのように吹き出すことによって実現する立体的な機動で、空を跳ね回るように魔人の全身を切り刻む。

三河英二

一般人が、へなへなと座り込む。 別流の纏う気配は殺意以外の何者でもなく、ただ目の前の対象を殺すための訓練された冷静な動きが、確実に魔人を追い込む。

大型の柚子の魔人

ウオォ!

柚子の魔人は別流を転ばせようとするが、空を飛ばれてしまっては転ばせることが出来ない。

魔人は、右腕があった場所から酸性液を吹き出し、別流を無理やり遠ざける。

七鐘別流

チッ…

うたい

あふぇさん!

あふぇりる

りょーかい!「ホワイトウィップ」!

あふぇりるは別流が離れてしまった隙を埋めるため体を鞭のように伸ばし、柚子の魔人の切られていない腕を縛って逃がさない。

ちなみにうたいは詠想祈術「双葉」を使って瓦礫から必死に一般人から守っていた。

七鐘別流

ナイス!

七鐘別流

血詛呪術「貫血旋・横槍」!

空中であふぇりるに堅く縛られ、逃げることができない柚子の魔人は、ビルの床をも貫く巨大な血液の槍に胸を貫かれ、纏う霊力が崩壊する。

少女

崩壊した霊力の中から、卵が割れて黄身がこぼれ落ちるように少女が落下する。

七鐘別流

あっやべ!

うたい

はいはーい!あふぇさん、最後仕事するよ〜!

うたいに巻き付いていたあふぇりるが収縮し、そのエネルギーを足に集約して発散。その鉄砲玉を超えるような速度は、落ちようとする少女をキャッチする。

うたい

…大丈夫?

少女

う〜ん、はい…
え、飛んでる!?

七鐘別流

おーい、うたいさん!ちょっとその子こっち連れてきて!

別流の言葉に従い、浮遊の力を活かしてぶち抜かれた壁からビルの中に入る。

七鐘別流

ほんとはあんまり見られるのが良くないんだけど…

そう前置きした後、別流は懐から1枚の名刺を取り出す。

「宮内省管轄特殊行動部隊 ODMN 七鐘 別流」

七鐘別流

はいこれ。

少女

…?

七鐘別流

普通なら自動的に私たちの戦闘の記憶って消されちゃうんだけど、この名刺を受け取った人は特別に私たちのことを覚えていられる。その代わり、誰にもこのことを伝えることは出来ない…ってシステムなの。

少女

…はあ。

七鐘別流

別に私としても貰ってくれても、くれなくてもどっちでもいいんだけど、もしこれが原因でPTSDとかになった時にサポートを受けたりするから、持っといた方が…って感じ。

七鐘別流

記憶は消せても、心的外傷は残念ながら消せないこともあるからね。
その時に、「よく分からないけど苦しい」ってのも良くないから、おどろくさん…うちのリーダーが考案した措置。

少女

…貰っておいて、いいですか?

七鐘別流

はい、どうぞ。大きい病院でこれを見せたら対応してくれるよ。

少女は、名刺を受け取った。 そのまま「ODMN」の専用車で監禁されていた人と一緒に運ばれていった。

あふぇりる

…さて。

あふぇりる

こいつ、どうする?

あふぇりるが三河を指す。

七鐘別流

…悪いけど、それもこっちで決めさせてもらう。

七鐘別流

こいつに恨みがあることは私も聞いたし、今すぐにでもこいつを殺したい、って気持ちも理解出来る。

七鐘別流

でもさ、もし殺したら、今度は私たちがあなたを殺さなきゃいけなくなる。

七鐘別流

私たちは、アヤカシを3つの種類に分けてる。

1.悪いアヤカシ。 明確に人類に敵意・悪意を持って攻撃的コンタクトを仕掛けてくる相手。 最近だと、凸さんを襲った「九十九」が該当する。

2.ニュートラルなアヤカシ。 人間に対して積極的にコンタクトを仕掛けないタイプ。さっきの「すねこすり」もそれに該当して、基本は「ODMN」も放置してる。

3.良いアヤカシ。 人間に対して友好的で、人間と対話ができ、我々のサポートをしてくれるアヤカシ。 …なんだけど、これまで前例はいない。

七鐘別流

そして、良いアヤカシは条件付きで「ODMN」への加入が認められてる。

七鐘別流

そして、ODMN加入後は、人間と交渉する権利が認められている。

七鐘別流

だから、今運ばれていった瑠璃ちゃん。あの子の安全を、前より高いレベルで守ることができる。

あふぇりる

…!

七鐘別流

…お願い。私たちに、力を貸して?

あふぇりる

ODMNにいれば、瑠璃の安全が保証されるの?

七鐘別流

断言する。

あふぇりる

なら、頼む。瑠璃を、守ってくれ。もうあの子を、一人ぼっちにさせないでくれ。

翌日、ODMNに、あふぇりるが加入する ことをODMNリーダー@おどろくが受理。ODMN戦闘員が計7人になる。

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