うたい
柚子の魔人が吹き出した酸性液によって、べるの背中の翼が激しい痛みと共にドロドロと溶ける。
七鐘別流
苦しんで居るように見えたべるが、唐突にうたいの手首を噛む。
すると、翼はまるで毛が生え変わるかのように背中から落ち、すぐに新しい翼が伸びる。
うたい
七鐘別流
あふぇりる
柚子の魔人は、巨体を振り回すように走り、うたい達に拳を振り上げる。
あふぇりる
あふぇりるの声と同時にうたいは圧から解放されたバネのように一気に飛び出す。その速度は常人が目で追えないほど出会った。
あふぇりるが巻き付いたことによってさらに強化された膂力とスピード。その出力を右拳に集約した一撃が、柚子の魔人に突き刺さる。
うたい
うたいの一撃は、酸性液が結晶化した盾によって阻まれる。しかも、柚子の魔人の拳はうたいに向かって振り下ろされる。
七鐘別流
振り下ろされた拳がうたい達に突き刺さるより前に、別流の居合に似た血の斬撃が魔人の腕を肩から切り落とす。その速度は、先ほどのあふぇりるの力を借りた一撃を大きく上回っていた。
腕を一本失った魔人は、怯んで後退りしてしまう。
七鐘別流
うたい
七鐘別流
その言葉と共に、大型の柚子の魔人を守るように取り囲んでいた比較的小さい魔人達が全て細切れになっていた。
うたい
あふぇりる
「「早すぎて、全く見えなかった…」」 その声を掻き消すように、血を纏った蹴りが魔人の胸に突き刺さる。
うたいとあふぇりるは気づく。別流の纏う雰囲気が、氷のように冷たくなっていることに。
七鐘別流
腕をボコボコと再生させようとした柚子の魔人の肩に細かい血の棘がつき刺さり、再生を阻害する。
血の棘が突き刺さった痛みからか、切り落とされたのとは逆の手から酸性液を撒き散らし、別流を遠ざけようとする。
七鐘別流
すでに、別流によって壁をぶち抜いて建物の外に蹴り飛ばされているが。
七鐘別流
別流の羽を血が覆い、それをブースターのように吹き出すことによって実現する立体的な機動で、空を跳ね回るように魔人の全身を切り刻む。
三河英二
一般人が、へなへなと座り込む。 別流の纏う気配は殺意以外の何者でもなく、ただ目の前の対象を殺すための訓練された冷静な動きが、確実に魔人を追い込む。
大型の柚子の魔人
柚子の魔人は別流を転ばせようとするが、空を飛ばれてしまっては転ばせることが出来ない。
魔人は、右腕があった場所から酸性液を吹き出し、別流を無理やり遠ざける。
七鐘別流
うたい
あふぇりる
あふぇりるは別流が離れてしまった隙を埋めるため体を鞭のように伸ばし、柚子の魔人の切られていない腕を縛って逃がさない。
ちなみにうたいは詠想祈術「双葉」を使って瓦礫から必死に一般人から守っていた。
七鐘別流
七鐘別流
空中であふぇりるに堅く縛られ、逃げることができない柚子の魔人は、ビルの床をも貫く巨大な血液の槍に胸を貫かれ、纏う霊力が崩壊する。
少女
崩壊した霊力の中から、卵が割れて黄身がこぼれ落ちるように少女が落下する。
七鐘別流
うたい
うたいに巻き付いていたあふぇりるが収縮し、そのエネルギーを足に集約して発散。その鉄砲玉を超えるような速度は、落ちようとする少女をキャッチする。
うたい
少女
え、飛んでる!?
七鐘別流
別流の言葉に従い、浮遊の力を活かしてぶち抜かれた壁からビルの中に入る。
七鐘別流
そう前置きした後、別流は懐から1枚の名刺を取り出す。
「宮内省管轄特殊行動部隊 ODMN 七鐘 別流」
七鐘別流
少女
七鐘別流
少女
七鐘別流
七鐘別流
その時に、「よく分からないけど苦しい」ってのも良くないから、おどろくさん…うちのリーダーが考案した措置。
少女
七鐘別流
少女は、名刺を受け取った。 そのまま「ODMN」の専用車で監禁されていた人と一緒に運ばれていった。
あふぇりる
あふぇりる
あふぇりるが三河を指す。
七鐘別流
七鐘別流
七鐘別流
七鐘別流
1.悪いアヤカシ。 明確に人類に敵意・悪意を持って攻撃的コンタクトを仕掛けてくる相手。 最近だと、凸さんを襲った「九十九」が該当する。
2.ニュートラルなアヤカシ。 人間に対して積極的にコンタクトを仕掛けないタイプ。さっきの「すねこすり」もそれに該当して、基本は「ODMN」も放置してる。
3.良いアヤカシ。 人間に対して友好的で、人間と対話ができ、我々のサポートをしてくれるアヤカシ。 …なんだけど、これまで前例はいない。
七鐘別流
七鐘別流
七鐘別流
あふぇりる
七鐘別流
あふぇりる
七鐘別流
あふぇりる
翌日、ODMNに、あふぇりるが加入する ことをODMNリーダー@おどろくが受理。ODMN戦闘員が計7人になる。