主
主
主
主
別れ。
それは、とても突然の事だった。
葛葉
俺はよくこの教会に訪れていた。 その理由として、仲の良い友がいるからというのが挙げられる。
俺は今日、数日間を空けて、教会を訪れた。
まぁ、軽く吸血鬼の集まり的なのがあったんだ。 それで、数日来れなかった。
久々に見る顔、早く色々話したいと、少しだけ胸を躍らせていた時。
……パァン!!
…と、教会の中で、何か大きな音が響いた。
葛葉
俺は教会の敷地の入口でポツリと声を漏らした。
何だ、今の音。まさか……いや、そんな訳。
大きくなっていく心音をうざったらしく思いながら、 俺は教会の中へと走って行く。
様子の確認の為にも俺は、教会の扉をゆっくりと開けて 中を覗いた。
葛葉
目の前の光景に、名前を呼ぼうと思った声も止まった。
男性
叶
男性
男性2
そこには、複数人の男女と叶の姿があった。
それだけならまだ良かった。 それだけなら。
彼らは数々の意味不明な理論で罵倒を叶へ向けて放っていた。
叶からは、血が滴っていて、この入口にまで血の匂いがした。
その瞬間に、俺は全て理解出来た。
あぁ、彼奴ら。撃ちやがったのか。叶を。
それに気付いた頃には、俺の体は既に動いていた。
爪を尖らせて、秒も無しに、いつの間にか、 その愚民共の頭を貫いて殺していた。
返り血を浴びて、それすら気にせず、俺はその場で立ち尽くしていた。
叶
叶の困惑した声が聞こえる。
葛葉
そこでようやく、俺は自我を取り戻した。
叶
叶は、その場に座り込んで、呆れが滲んだ笑みを浮かべてそう言った。
違う、そうじゃない。それよりも、
葛葉
俺はカッと声を荒らげてそう言った。
叶
葛葉
葛葉
叶
葛葉
叶
眉を下げて、叶は笑った。
何で笑うんだよ、死ぬんだぞ?
葛葉
叶
葛葉
俺の提案をズバと切った彼に、俺はキレ気味で驚いて問うた。
叶
叶
葛葉
葛葉
叶
苦笑いを零す彼に、俺は尚更あの人間共に腹が立った。
これだから人間は駄目なんだ。
自分の都合が良いように解釈して…復讐だの敵討ちだの言って、
叶
葛葉
ふつふつと確実に湧く憎悪の感情に顔を歪めていたら、 叶が話し掛けてきた。
俺は屈んで、叶と視線を合わせる。
叶
叶は、返り血が付いた俺の頬に触れて、そう言ってきた。
葛葉
叶
葛葉
叶
葛葉
叶
葛葉
叶は柔らかく、優しい笑顔を浮かべていた。
でも、それで俺も笑うなんていうことは無かった。
叶
葛葉
俺がそう返事をしたら、心底安心したような顔をして、叶は瞼を閉じた。
そしたら、ガクンと力が抜けたみたいに、 俺の方に叶の体がもたれかかってきた。
葛葉
それに向けて、俺が名前を呼んでも、返事は返ってこない。
葛葉
俺は声を震わせて、もう一度呼んだ。
葛葉
葛葉
葛葉
葛葉
葛葉
葛葉
空気の音が聞こえてくるくらいに静かなこの教会で、 俺はポツポツ言葉を吐いた。
視界が歪んで、治ったかと思ったらまた歪んで、
そんな繰り返しだ。
ようやく絞り出された大きな一粒の涙は、叶の頬に落ちた。
葛葉
葛葉
葛葉
葛葉
コメント
3件
すごく好きです😭😭♥️
続きってあります?