続き
今まで散々僕に暴力や暴言を浴びせてきていた君が
突然部屋に入ってきた
怖いという気持ちとは裏腹に少しだけ
本当に少しだけ……
嬉しく感じる僕がいた
桃
青……自傷行為…してたのッッ?
見られた時点で「していない」とも言えない
ほんの少し頷いた
桃
そっか…ッ
桃
傷の手当……してもいいかなッ?
意味がわからなかった
泣きそうな顔でそんなことを言ってきた
なんで君が泣きそうなのか
なんで君が僕の部屋に突然入ってきたのか
なんで君が手当をしたいと言い出すのか
僕にはさっぱり分からなかった
聞きたかった……でも怖い
口答えをしてまた殴られてしまうのが怖かった
青
……ッッ
桃
いい…かなッ?
桃
殴らないから…嫌だったら教えてッ?
青
ッ
また『あの時』みたいに優しく話してくれる
ここで聞いてみようと思った
青
な…んでッ?
桃
えッ?
予想外の返答に君は少し混乱していた
桃
えぇ…とッ
桃
俺が青のことそんなに追い詰めてて…
桃
ちょっとでも……ッお前の心にッ寄り添えたらなって……ッッ
桃
バカみてぇだよなッッ
桃
ポロポロッ
桃
あれッ?泣くつもりじゃッッ
本当に馬鹿みたいな理由だと思った
でも僕はそれだけで嬉しくてッ
青
ありがと…う……ッッ
青
その気持ちだけでッッ僕…は、嬉し…、よ?
桃
ッッ!
君は嬉しそうな顔をした
君のその顔が好き──







