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14話「本音」

ないこ

俺……りうらのこと…

少し間を空け もう一度口を開く

ないこ

わかんない…

悲しそうな申し訳なさそうな そんな表情をしながらそういうないくん

りうら

分かんないってどういうこと?

ないこ

…今のりうらは怖くないし嫌いじゃないけどさっきまでは怖かったし…変だし…好きとまでは言えない

ないこ

でも、優しくされるとちょっと嬉しいし…ほわほわした気持ちになる…

りうら

…そっか

ほわほわした気持ち…か

ないくんにしては凄い可愛らしい表現をするなんて思いながら俺は微笑みないくんの頭を撫でた

ないこ

んわ…ッ

ふわふわする頭を優しく撫でる そうすると若干嬉しそうな少し複雑そうな曖昧な顔をされる

ないこ

そんな事したって俺はりうらのこと簡単には好きになれないよ

絶対にとは言わないんだな

じゃあいつかはりうらの事好きになってあいつの事忘れてくれるのかな

なんて淡い期待を抱いてしまう

りうら

うん…分かってるよ

ないこside

ないこ

……

やっぱりりうらの事は分からない

あんなに俺に酷いことをしてきた癖に 優しくしてくるのも意味が分からない

りうら

ないくんそろそろ寝る?
もう今日は疲れちゃったよね

ないこ

うん、寝ようかな…

悪い人ならしっかり 最後まで悪い人でいて欲しい

何だかりうらの気持ちに答えられない事に罪悪感を感じ初めてきてしまっているし…

りうら

そうだ、お風呂出てからないくん何も飲んでないし脱水症状にならないように寝る前に水飲もっか

そういい水を取りに行くりうら

ないこ

あ、うん…ありがとう

怖いことはされたくないけど 優しくされるのもちょっと嫌だな

これ以上罪悪感を感じたくないし…

りうら

お待たせないくん

考え事をして気づいたらりうらは水を持って部屋に戻って来ていた

ないこ

ありがとうりうら

水を受け取りそれを飲む

…うん、やっぱり 変な味はしないし匂いもしない

変な薬も盛られていない

普通の水だ

油断させて変なものを飲ませ 酷いことをする作戦かとも思ったがそうではないようだ

…疑った己が恥ずかしい

りうら

それじゃないくんまた明日ね
おやすみ

ないこ

うん、おやすみ

りうらは電気を切り部屋を出ていった

ガチャリと鍵をかけられる音が聞こた為朝が来るまできっとこの部屋からは出れない

…まぁ、何だか今は逃げたいとも逃げようとする気力もないし鍵を掛けられても大丈夫なんだけどね

俺はふかふかのベットの中に入り 目を閉じる

久しぶりにベットで寝れる幸せを噛み締める

段々と眠くなり意識が遠くなる

そのまま俺は眠りについた

ないこ

……あれ、ここは…?

辺りを見渡してもどこも真っ暗で何も見えない

ないこ

…あれ……まろ…?

少し歩いた所にまろらしき人が見えた為俺はまろの名前を呼びながら走った

いふ

……ないこ?

ないこ

まろ…!まろだよね…?

久しぶりにまろの顔を見れた安心感で俺は思わず抱きつき泣いてしまう

いふ

…ちょ、離れてやッ!

突然まろに押され後ろへと転んでしまう

ないこ

へ……?ま、まろ…?

最初はびっくりして思わず固まってしまったが段々と現状を理解して悲しさでいっぱいになりボロボロと涙が溢れてしまう

ないこ

なんで……まろッ…俺の事嫌いになっちゃったの…ッ?

ないこ

まってよッ……ねぇッ!

俺の事なんて見向きもせず歩き進めてしまうまろを必死に追いかける

いふ

っさいな…着いてくんなやッ!!

初めてまろに怒鳴られた

ないこ

ぁ……

足が動かない

追いかけたいのに追いかけれない

どんどん置いてかれてしまう

次第にはまろが見えなくなり 一人ぼっちになってしまう

ないこ

や……やだ……まろッ……

ないこ

1人は怖いよ…置いてかないでよッ……!

その場でしゃがみこみ泣きながらまろの名前を呼ぶ

ないこ

怖いよ…誰か……助けてよッ……

ないこ

誰か…

ないこ

…りうらッ

何故か俺の頭の中に浮かんだのは りうらだった

ないこ

りうら…助けてりうらッ……!
怖いよ…1人は怖いよ…ッ!

好きなのはまろの筈なのに

まろに突き放されりうらを呼ぶのは都合が良すぎると自分でも分かってるのに何故かりうらの名前を呼んでしまう

何故かりうらに会いたい

またあの優しい顔で 温かい手で頭を撫でて欲しい

ないこ

りぅ……ら…ッ

お願い助けてりうら

本の中の君と会いたくて

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コメント

1

ユーザー

悪夢辛そうだけど泣いてる桃ちゃんが可愛いって思ってしまっているのは私の心が腐っているからでしょうか… 今回も最高でした!😭👏🏻✨

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