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Nakamu視点 全速力で木々の間を走り抜ける。 正直もう少しで体力が尽きそうだ。
中村 水樹
それは遡ること数時間前。 いつものように友達と遊んでいた。 今日は…おにごっこをしていたっけ。
中村 水樹
両親や学校の先生にも危険だから近づかないようにと幼い頃から今までキツく言われてきた。 少し、すぐに戻れるぐらいの深さなら、別に大丈夫だよね…? そう自分に言い聞かせて、人里から離れていった。 まさか、あんなことになるとは知らずに。
あたりが段々と暗くなっていく。 日暮れが近いのだろう。
中村 水樹
自分の声が木々の合間を潜り、不気味に木霊した。 そう言えば、此処は、何処だろうか。 キョロキョロと辺りを見回す。 すると、トントンっ、肩を誰かに叩かれた気がした。 もしかしたら、今日遊んでいた友達かもしれない!そう思い振り返る。
中村 水樹
なんか悪そうな妖怪?
そこには羽がありふわふわと浮かび上がっている、人間とは思えない生物がいた。 これは…妖精?妖怪? どちらにしろ何だか危険な気がする。
なんか悪そうな妖怪?
中村 水樹
なんか悪そうな妖怪?
中村 水樹
なんか悪そうな妖怪?
中村 水樹
なんか悪そうな妖怪?
ヤバい、やっぱりヤバいやつだった! 考えるよりも先に体が動き出した。
なんか悪そうな妖怪?
そして、冒頭に戻るわけ。
なんか悪そうな妖怪?
中村 水樹
なんか悪そうな妖怪?
中村 水樹
木陰に隠れていたが、バレてしまった。 もう、逃げられない。
なんか悪そうな妖怪?2
今度は花を沢山頭につけた赤っぽいピンク…分かりやすい言えば秋桜色の髪色をした、さっきまで俺のことを追っていたやつと同じような羽を持つ妖怪と思われる生物が来た。 あぁ、今からこの2人に食いちぎられるんだなぁ。 そう諦めた途端、
なんか悪そうな妖怪?2
なんか悪そうな妖怪?
なんか悪そうな妖怪?2
なんか悪そうな妖怪?
すると目の前からふわっと消えた。 にしても、この白尾にそんな意味があっただなんて、この前神主のお爺さんを助けてよかったな…今度感謝しないと。 にしても、
中村 水樹
奥深くまで来てしまったようだ。 帰る道すらも覚えていない。 どうしよう。 暗い、寒い、暗い、帰りたい。 こんなことになるなら、人里から離れなければよかった。
ガルルルルッ、
中村 水樹
野生の殺人妖怪の次は野生動物って、今日はどれだけついていないんだか。 ゆっくりと後退り、走り出す。 野生動物はきっと無惨にもズタズタにして内側から貪り食っていく。 酷く、酷い姿に早変わりだ。 こんなんならまだ、あの妖怪どもに食い殺される方が良かった。
中村 水樹
夢中で走っているとどうやら、湖まで来てしまったようだ。 あぁ、もうだめだ。やつらもすぐそこまで来ているから、今更引き返したところで結局結果は同じだ。
中村 水樹
死を覚悟して、目を瞑った。 すると、瞼越しでもわかるほど明るくて、暖かい光に包まれた。 ゆっくりと目を開けると、何やら俺を守るように立つ人影と、美しく青色に輝く桜がふわりと宙を舞っていた。 その光に怖気付いたのか、野生動物たちはその場から去っていった。 目の前にいる人が振り返る。 黒髪で青色の綺麗な瞳、左目に涙黒子が特徴の青年だった。
中村 水樹
命の恩人である彼に礼を言う。 でも何処か冷静だった自分が、この人が魔法のような術式を展開して野生動物を追い払った。もしかしたら、自分が取って食うためかもしれないと考えてしまった。 それに気づいたのか、彼は苦笑いを浮かべ、
青柳 時
と言った。 えっ?きゅ、吸血鬼…?本当に大丈夫なのかな? まあ、今はこの人を信じるしかない…か。現に命の恩人だし。
中村 水樹
青柳 時
中村 水樹
青柳 時
中村 水樹
青柳 時
中村 水樹
青柳 時
中村 水樹
青柳 時
中村 水樹
青柳 時
時さん曰く、此処にはよく来るらしくもし万が一何か危険な生物に襲われても守れるから、だそうだ。
中村 水樹
時と話すのはすごく楽しかった。 そして、時との別れもあっという間だった。
母
父
青柳 時
お母さんとお父さんの方を見て、時は悲しげにそう言った。
中村 水樹
青柳 時
ふわっと風が吹き、目を開けたときにはもう、時はいなかった。
母
父
お母さんとお父さんは俺の無事に涙していた。
中村 水樹
母
父
中村 水樹
名前、名前?確かに聞いたはずだ。でも、でも何故だか思い出せない。
中村 水樹
母
どんな人?とっても優しくて、聞き上手で、それでいて面白い…。外見は…外見は…。
中村 水樹
母
父
だめ、今、今思い出さなきゃ一生後悔する気がする。思い、出さなきゃ!
きんとき視点 いいよ、Nakamu。 無理に思い出そうとしないで? 俺のために泣かないで?心が、すごく、締め付けられて痛いんだ。 今日のNakamuとの時間は、思い出は、俺だけが知ってれば、覚えていればそれで十分なんだから。 忘れられるのなんか、慣れっ子なんだから。 だから、無理に思い出そうとしないでよ…お願いだから。
中村 水樹
青柳 時
中村 水樹
何故だか、視界がぼやけてきた。
母
父
覚えてもらえるって、こんなにも嬉しいことだったんだ。 思い出してもらえるって、誰かの中に存在するのって、こんなにも心が軽くなるんだ。
中村 水樹
四方八方に向かって手を振るNakamuに、俺からも手を振る。多分見えてはいないだろうけど。 そしてまた何処かで会う約束への同意の意を込めて、俺の得意な妖術である青い桜を舞い散らせた。 それをみてニコリと笑うNakamuと一緒に、俺もニコリと笑った。
また、いつか何処かで会えたら。
その約束が近いうちに果たされるだなんて思いもしなかった。
作者しゃん