悠楓
渚月
悠楓
渚月
悠楓 渚月
おれ、屋上で靴を脱ぎかけた時に
三つ編みの先客に、声をかけてしまった。
悠楓
口をついて出ただけ。 ホントはどうでもよかった。
先を越されるのが、なんとなく癪だった。
三つ編みの子は、語る。 どっかで聞いたようなこと
三つ編みの子
三つ編みの子
悠楓
悠楓
悠楓
三つ編みの子
って、三つ編みの子は、消えていった。
さぁ、今日こそはと靴を脱ぎかけたらそこに
背の低い女の子 また声をかけてしまった。
背の低い子は、語る。クラスでの孤独を
背の低い子
って
悠楓
悠楓
悠楓
背の低い子
と泣いて 背の低い子は、消えてった。
そうやって、何人かに声をかけて 追い返して
おれ自身の痛みは誰にも言えないまま
初めて見つけたんだ。 似たような悩みの子
何人目かにあったんだ 黄色いカーディガンの子
黄色いカーディガンの子
と 言った。
口をついて出ただけ。 ホントはどうでもよかった。
思ってもいないこと でも、声をかけてしまった。
悠楓
ああ、どうしよう この子は止められない
おれには止める資格が無い。 それでも、ここからは消えてよ。
君を見ていると苦しいんだ。
黄色いカーディガンの子
目を伏せたまま消えてった。
悠楓
今日こそは、誰もいない。 おれひとりだけ
誰にも邪魔されない 邪魔してはくれない。
カーディガンは脱いで 三つ編みをほどいて
悠楓
今から飛びます。
悠楓
渚月
悠楓
渚月
悠楓
渚月
悠楓 渚月
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