エアル
できるだけこの空気を無くそうと 独り言を呟きながら研磨を取り出す
シャッシャッとなる音がクセになる
この空気を今すぐ無くしたいのに もっと重くなるような話をしてしまう
エアル
トゥール
フォス
フォスはフルフルと首を 横に振るだけだった
エアル
研磨と刀を置き トゥールとフォスに向き合う
フォス
向き合って見たフォスの顔は 今にも泣きそうな顔をしていた
トゥールは自分の顔を 見られたくないのか、下に俯いている
フォス
トゥール
俺は何も言わず2人を 優しく抱き込んだ
エアル
エアル
エアル
フォス
トゥール
エアル
抱え込み直すように腕に グッと力を入れ顔を近づける
───ずっと…愛してるよ
そこら辺の虫にも聞こえることの無い小さな声を…彼女らは聞き取った
それは声が近かったからだろうか ズズっと鼻をすする音が聞こえる
その音が聞こえなくなるまで 腕の中で2人の頭をおさめていた
鼻をすする音が聞こえなくなり 聞こえるのは梅雨時期に入って 降り始めた雨の音だけとなった
俺はゆっくり押し返すように頭を離す
エアル
ワザと呑気な声を出して ぽかんとしている2人の顔を見る
エアル
普段あまり見ない2人のアホ面を見て思わず吹き出す
最後に両手を使って2人の頭を くしゃくしゃっと撫でると 2人は意識を取り戻した
フォス
トゥール
エアル
ぱっと手を離し 研磨と刀を再度持ち シャッシャッとまた音を立てる
フォス
トゥール
そんなこと言う2人の顔は なんだか嬉しそうだった
エアル
エアル
丁度刀磨きが終わって俺は 「はい、1上がり〜」と言って 愛刀を鞘にしまう
雨の音を聞いていたせいか いつの間にか来た眠気に 素直に従おうとあくびする
エアル
フォス
エアル
布団を取り出し倒れるように落ちる
ぼふっといい音がした
エアル
エアル
そんなことを思っていると 布団に2つ影ができた
眠ろうと目を閉じていたところに 2人分の重みが来る
エアル
フォス
トゥール
エアル
少し大きめの布団に3人が川の字で 寝るということになった
そっから「寝る」や「眠い」と 言っていたくせに 恋バナやら枕投げやらをしだした
フォス
トゥール
エアル
フォス
エアル
トゥール
エアル
エアル
フォス
トゥール
エアル
フォス
トゥール
エアル
どっと疲れた
こんな女子会みたいなのは 久しぶりかもしれない
楽しかった…だが
今ものすっっっごく暑い
途中で怪談話をしやがって 2人とも見事にビビり散らして フォスが「近くで寝ていい…?」って言ってきて
まぁ、近くだったらいいかって 思ってたらそれにトゥールも 混ざって来て
そしたら近くどころか 引っ付いてきやがった
正直言ってくっそあちぃ
離れてほしい…
フォス
エアル
フォス
エアル
余計に力入れてきた
フォス
トゥールも無言で 力入ってる気がするし…
…これが幸せなのか
まぁ…あと少しくらいは 引っ付いて寝てろ…
計画実行まで…全然時間が あるんだから
全部終わったら
また皆で晩酌しよう
コメント
9件
修学旅行の夜かな?笑