この作品はいかがでしたか?
401
この作品はいかがでしたか?
401
ノグチ カノン
21時を数分回り、最後のお客さんを見送り閉店作業をしようと外に出る。
秋が一瞬で過ぎて、間髪いれずに訪れた冬の風が体を包んだ。
ノグチ カノン
ノグチ カノン
なんて馬鹿なことを言う。
ノグチ カノン
20数年の経験でわかる。
こういう時は大概ダメなのだ。
ノグチ カノン
ノグチ カノン
出していた看板をしまおうと後ろを振り向くと
??
??
息を切らしながら走ってくる彼がいた。
びっくりしすぎると人が言葉がでないって本当だ、
丁度今頭に浮かんでいた人が目の前に現れて、
何もリアクションが取れない。
クロオ テツロウ
ノグチ カノン
驚いて声が出ない私に、
少し呼吸が乱れたまま聞いてくる彼。
素直に答えてしまう。
クロオ テツロウ
ノグチ カノン
クロオ テツロウ
そう怪しくニヤッと笑った彼。
いつもの爽やかな笑顔ではないその顔に、
心臓が変な音を立てる。
と、同時に自分の顔が綻ぶのが分かった。
ノグチ カノン
ノグチ カノン
ノグチ カノン
そう答えると一瞬びっくりした顔をして、
その後すぐほっとしたようにうなだれた。
クロオ テツロウ
クロオ テツロウ
そう言いながら彼はポケットから名刺を一枚取り出し
私に差し出した。
ノグチ カノン
受け取ったそれには、日本バレーボール協会と書かれ
下には “黒尾鉄朗”と書いてある。
クロオ テツロウ
クロオ テツロウ
そう言って指差すビルは、本当に店からすぐ近くのビル。
ノグチ カノン
クロオ テツロウ
クロオ テツロウ
クロオ テツロウ
寒い夜なのに少し汗をかいている彼が、ネクタイを緩めながらシャツをパタパタさせていて
そんな姿にさえ心が揺れる私はもうだいぶ重症だ。
ノグチ カノン
ノグチ カノン
クロオ テツロウ
ノグチ カノン
そう彼を招き入れ、ドアプレートをcloseにした。
____………。
ノグチ カノン
そう聞きながら彼のために準備していたカップを用意する。
クロオ テツロウ
ノグチ カノン
ノグチ カノン
淹れたカフェオレを彼の前に置いた。
クロオ テツロウ
クロオ テツロウ
ノグチ カノン
ノグチ カノン
クロオ テツロウ
この不思議な状況に少しだけ戸惑いながらも、洗い物をしていると、
そんな声がテーブルから聞こえる。
ノグチ カノン
ノグチ カノン
ノグチ カノン
クロオ テツロウ
クロオ テツロウ
ノグチ カノン
間抜けな声で間抜けな顔で出したと思う。
ノグチ カノン
ノグチ カノン
彼の言ったことを頭で繰り返した。
ノグチ カノン
喜びたい気持ちと自惚れてはいけないという気持ちが頭の中で乱闘だ、
でも恋する私はやっぱり期待してしまっていた。
クロオ テツロウ
クロオ テツロウ
なんて勿体つけながら、口角を上げる彼。
こんな顔もするのかと胸が痛くなる。
ノグチ カノン
ノグチ カノン
ノグチ カノン
彼の名前と彼の少し知れた日、
私たちの関係が動き出した。
Fin.
コメント
2件
最高です😭💕💕💕