ml受け

この世界には人間と獣人が暮らしている

子どもの獣人はペットのような扱いをされることが主だが

大人の獣人は一人で独立して生きている人が多い

俺の家にいるのはメルト

白いふわさらの耳としっぽとが生えた猫の獣人

今年で2歳の男の猫獣人

俺の昔からの友達らぴす

人間と獣人の共学の高校で出会い、

人間同士仲良くしてきた

らぴすの獣人

確か名前は……みかさ

ピンク色のふわふわの犬の獣人らしい

会ったことはないが、何度か話を聞いている

犬だから不安だが、メルトよりも年下らしいので少し安心

ピンポーン

そんなこんなでらぴすが来たようだ

元気いっぱい

メルトとは正反対

こんな律儀に挨拶するもんなんだ、獣人って

俺そういうの教えてないからなぁ

ぎゅっと抱きついてくる

メルトはほんとに人見知りだ

知らない人が自分のテリトリーに入る瞬間を嫌う

俺の時もだいぶ苦労した

久しぶりに会ったらぴすとの話で盛り上がり

メルトとみかさは少し放ったらかしでいた

らぴすと心音は二人で話している

みかさは密かに、仲良し大作戦を決行することにした

まずはそろーり近づいた

とても怖がっている

でも離れようとはしないメルト

心音の友達の獣人と仲良くはなりたいと思っているのかもしれない

みかさはそっと手を出す

メルトはその手を握った

ぶんぶんぶん！とみかさのしっぽが揺れる

ぴゅーんと心音の所へ行ってしまった

心音はメルトとみかさを交互に見つめ

みかさはしゅんとしている

メルトは心音の脚の隙間からみかさを見て

と一言

そのことで頭がいっぱいのみかさは

らぴすの足元でしっぽをぶんぶんふりふり！

だんだん猫じゃらしに見えてきたメルト

ふりふりふりふりなしっぽのタイミングを狙って…

みかさの体の半分くらいあるおっきなしっぽに抱きつき

顔を埋めるメルト

嬉しくなったみかさ

心音の家で夕飯を食べていくことになったが

心音は料理が激的に下手だ

俺も普段作ることはないが、

もう、その、ダークマターができるほど下手だ

いつの間にか仲良くなったみかさとメルトがやって来る

盛ってあげたカレー皿を見て絶句する心音

よしゃ仲間！メルトは気が合う絶対に

みんなでいただきますをしたあと

ガツガツと食いつくみかさ

おしとやかに食べるメルト

こうも食べ方が違うものか

犬と猫って違うなぁ

えらいなぁちゃんと言えて

みかさは俺が催促せんと言わんし

メルトがそのまま椅子から降りたので

ソファに移動すんのかな、とか思ってた

けど

そのまま心音はメルトの頬に手を置き

キスをした

頬じゃない

額じゃない

ガッツリ唇に

未知の世界すぎる

俺がみかさとキスとか、絶対いややぞ？

みかさはなんか心ここに在らずって感じやし…

メルトからのキスをもらおうとしてるし…

もうなんなんコイツら…

なんかもう、どうでもいいわ

着地点見失った没