テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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LINE１３２１

第1話 - あ

2023年11月16日

#スカッと

タナカトシキ

ハルヒト

お前コヒナタちゃんのこと好きだろ

アオシ

え？

ハルヒト

クラスのレディーガガ、書道部のコヒナタちゃん

アオシ

マドンナだろ

アオシ

コヒナタちゃんはそんな世の中に対して強いメッセージ性までは持ち合わせてないから

ハルヒト

まるでマドンナが何も考えてないみたいなこというなよ

アオシ

でたよ、ネットによくいる揚げ足職人

アオシ

そんなこと一言も言ってないだろ

ハルヒト

で、どうなんだよ好きなんだろ？

アオシ

まあ

アオシ

好きだよ

ハルヒト

やっぱりな、おれクラスの後ろの席だからわかるけどよ

ハルヒト

お前のあのコヒナタちゃんを見つめるあのあっつい視線を見れば誰でも気がつくよ

ハルヒト

熱を帯びすぎてコヒナタちゃんのセーターちょっと煙上げてたぞ

アオシ

俺の目は虫眼鏡なの？

アオシ

ふざけてるなお前

ハルヒト

ごめんごめんw

ハルヒト

いやでもそれぐらいお前の視線には熱が入ってたよって言いたかったんだよ

アオシ

それは恥ずいな

ハルヒト

まじで結構気持ち悪いぜ？

アオシ

え？

ハルヒト

授業中もさ、コヒナタちゃんが自分の右斜め前だからって

ハルヒト

それをいいことに一日中気持ち悪い熱い視線を送ってたりさ

アオシ

なんか言葉の棘が強いな

ハルヒト

どうせブラの紐が見える日を心待ちにしてんだろ？

アオシ

そんなわけないだろ

アオシ

てかその発想キモすぎるな

ハルヒト

そうキモすぎるんだよ

ハルヒト

あの清楚でお淑やかな書道部のコヒナタちゃんをさ

ハルヒト

泥臭くて汗だらけのサッカー部のお前が汚してくれるなよ

アオシ

泥だらけで汗臭いだろ

アオシ

てかおいおい、

アオシ

それはなんでもいいすぎだろ

アオシ

好きな人バレした後に罵倒されるなんて俺何したんだよ

ハルヒト

あんな可愛い子をさ、俺らサッカー部どもの汚れた視線で汚しちゃいけないんだって

アオシ

お前もみてんのかよ！

アオシ

え？なにお前もコヒナタちゃんのことが好きなの？

ハルヒト

うん

アオシ

えええええ

アオシ

え、なにそういうこと？

アオシ

俺たちどっちもコヒナタちゃんのことが好きだけど

アオシ

彼女を汚さないようにお互い手を出すのはやめようぜってこと？

ハルヒト

いや違う

アオシ

違うのかい

ハルヒト

全然違うよお馬鹿さん

アオシ

むかつくな

アオシ

じゃあ一体何がいいたいんだよ

アオシ

てかおまえ今日部活サボっただろ

アオシ

明日の練習試合の集合時間わかってんのかよ

ハルヒト

え、明日練習試合なん

ハルヒト

まあいいや、僕予定あるからやすみまーす

アオシ

おけ

ハルヒト

え？

ハルヒト

いいの？

アオシ

なに

ハルヒト

いやふつうに

ハルヒト

引き止めたりとか

ハルヒト

チームにとって大丈夫？それ

アオシ

いやお前ベンチにも入ってないじゃん

アオシ

後輩にポジション取られたじゃん

ハルヒト

そうですね

ハルヒト

そうでしたわ

アオシ

お前も休むなら俺も休むわ

アオシ

何、なんの予定あるの明日

ハルヒト

だよね、君もベンチ落ちしてたよね

アオシ

今日も後輩の玉拾いしてきたよ

ハルヒト

明日はね、

ハルヒト

ごめん、コヒナタちゃんとデートなんだよね

アオシ

は！？

アオシ

いやちょっとまて！

アオシ

どういうことだよ！

ハルヒト

一緒に文房具を買いに行くことになったんですよね〜

ハルヒト

君がコヒナタちゃんのセーターを焦がしてる間に俺は既に駒を進めていたんですね

アオシ

お前さっきは二人で手を出さないようにしようみたいなこと言ってたじゃん！

ハルヒト

言ってない

アオシ

言ってたじゃん！

ハルヒト

俺はパソコン部も兼部してるから貴様よりも汚れていない、

ハルヒト

コヒナタちゃんと同じ文化部の清楚な性質があるからセーフなのだよ

アオシ

何が清楚な気質だよ

アオシ

むしろジメっと性質がプラスされてさらにきついと思うぞ

ハルヒト

まあそういうわけだから、ごめんなさいね〜おほほほほ！

アオシ

クソが！先に越されるとは思わなかった！

アオシ

こんなニキビ坊主に！

ハルヒト

なんでそんなこというの

ハルヒト

普通に本人が気にしてることを冷やかすのはちがうだろ

アオシ

え？ごめん

ハルヒト

ニキビのこといじるのはやめろよ

ハルヒト

二つの意味で

アオシ

余裕あるじゃねーか

ハルヒト

とにかく

ハルヒト

俺が明日コヒナタちゃんとデート楽しんでくるからよ

ハルヒト

感想ぐらいは聞かせてあげるよ〜ん

アオシ

明日俺どんな気持ちでゴール決めればいいんだよ…

ハルヒト

ちゃっかり試合でんなベンチ外

ハルヒト

後何気にゴール決めてるし

〜次の日〜

ハルヒト

おいーっす！

ハルヒト

たのしかったーーー！

アオシ

くそがよ

アオシ

抜け駆けしやがって

ハルヒト

抜け駆け？

ハルヒト

ノンノンノン

ハルヒト

君が行動しなかっただーけ

ハルヒト

そうだろ？

アオシ

うざいなこいつ

ハルヒト

おまえしらないだろ

ハルヒト

コヒナタちゃん

ハルヒト

白だぜ

アオシ

は？

アオシ

なにが？

ハルヒト

いちご柄の白

アオシ

は？まてよ

アオシ

まさかみてしまったのか

アオシ

ふざけるな

アオシ

コヒナタちゃんの何がいちご柄の白だったんだよ！

ハルヒト

シ

アオシ

シ？

ハルヒト

シャープペンシル♡

アオシ

は？

アオシ

おまえ、

アオシ

羨ましすぎる

ハルヒト

だろ？コヒナタちゃんが新しいシャープペンシル買うところまじかでみちゃいました

アオシ

ふざけんなよこの幸せ者が…

ハルヒト

これからあのシャープペンシルがコヒナタちゃんに使い込まれると思うと

アオシ

なんか興奮するな

ハルヒト

だろ？

アオシ

この前お前が言ってた俺らがコヒナタちゃんのことを汚しちゃいけないっていうのは正論だったな

アオシ

俺らの会話キモすぎる

アオシ

あぶないあぶない、片足つっこんでたわ

ハルヒト

それでさ

ハルヒト

今日でわかったんだけど

ハルヒト

俺たち結構脈アリっぽいのよ

アオシ

え？

ハルヒト

だからさ、お前もう手を引いてくんない？

ハルヒト

二人の物語にお前は邪魔なんだよね

アオシ

なんだ二人の物語って

ハルヒト

まあ強いていうなら彦星と織姫かな

アオシ

絶不調じゃねえか

アオシ

あの二人はどっちかというと不幸側のエピソードじゃないの

ハルヒト

そういうことでさ、もうお前はコヒナタちゃんにはアプローチしないでくれ

アオシ

なんでそうなるんだよ

アオシ

別にまだ付き合ってるわけじゃないんでしょ？

アオシ

俺もまだ滑り込める可能性はあるじゃん

アオシ

天の川を背泳ぎで泳ぐ権利はあるじゃん

ハルヒト

なんでローカルの泳法で戦うんだよ

ハルヒト

だめだめ

ハルヒト

彼女を困らすだけだもん

ハルヒト

潔く諦めてくれよ

ハルヒト

またデートの約束立てちゃったもんね〜

アオシ

はーなにそれ

アオシ

なんかめっちゃ悲しいわ

アオシ

こんな失恋の仕方ある？

ハルヒト

しょうがないじゃん

ハルヒト

俺の方がいい感じだからさ、

ハルヒト

もうコヒナタちゃんとも関わらないでくんね？

アオシ

べつに元々関わりねーよ

アオシ

喋ったこともねーし

アオシ

ただなんか

アオシ

俺ちょっと寂しいよ

アオシ

お前友達と思ってたのに結構冷たいんだな

ハルヒト

しょうがないだろ

ハルヒト

あの子は俺のもんだからさ、お前にはゆずれねえわww

ハルヒト

わるいけどもう彼女に熱い視線を送るのもやめてくれ

ハルヒト

席も俺と変われ

アオシ

それは無理だろ

〜三日後〜

コヒナタ

アオシくんごめんね急に

コヒナタ

私同じクラスのコヒナタだけど

アオシ

え？

アオシ

夢？

コヒナタ

ううん、コヒナタ

アオシ

いや

アオシ

え？

アオシ

なんでコヒナタさんが俺のライン知ってるの

コヒナタ

ごめんね！勝手にクラスラインから追加しちゃった！

コヒナタ

話したことないのに急に困ったよねごめん

アオシ

いやいや

アオシ

全然ありがとうございますはい

コヒナタ

ありがとうございます？

アオシ

急にどうしたの？

コヒナタ

そうそう

コヒナタ

アオシくんってハルヒトと仲良いよね？

アオシ

ああそのことか

アオシ

うん、一応中学から同じ中学だし部活も同じだからね

アオシ

というかもう名前を呼び捨てしあうような仲になったんだ

コヒナタ

これはね！

コヒナタ

これはこの前ハルヒトに誘われて一緒に文房具屋さんに買い物に行ったの

コヒナタ

その時に仲良くなってね、下の名前で呼ぶようになったんだ

アオシ

ハルヒトから聞いたよ

アオシ

もしかして俺にハルヒトの事色々聞きたい感じかな？

コヒナタ

違う違う！

コヒナタ

今度遊園地に行こうってハルヒトに誘われたからね

コヒナタ

よかったらアオシくんもどうかなって！

アオシ

え？

アオシ

いいの？二人で行かなくて

アオシ

てかなんで俺？

コヒナタ

アオシくんハルヒトとも仲良いし、私もユカとか誘うつもりだったから人数的にもちょうどいいかなって！

アオシ

ハルヒトと二人じゃなくていいの？せっかくの七夕なのに

コヒナタ

？

コヒナタ

全然今七月じゃないけど？

アオシ

ごめんこっちの話

コヒナタ

それにね

コヒナタ

なんかいうの恥ずかしいけどさ

コヒナタ

私はアオシくんとも呼び捨てで呼び合う関係になりたいなって思ってるよ

アオシ

え？

コヒナタ

とにかくちょっと考えておいてね！

コヒナタ

また月曜日学校で！

〜1週間後〜

ハルヒト

まじ意味わからん

ハルヒト

まじで意味がわからんわ

ハルヒト

なんでお前まで遊園地についてくるわけ？

ハルヒト

他のクラスの女子まで来てたし

ハルヒト

それはそれで楽しかったけど、なんで二人きりじゃないん

ハルヒト

まじで気合い入れてったのにさああああああ

アオシ

お前トップハム・ハット卿みたいあ格好してたな

ハルヒト

誰だよそれ

アオシ

知らないならいいや

アオシ

しょうがないだろ俺も直々に招待されたんだからな

アオシ

あのコヒナタ様に

ハルヒト

意味わからんわー

ハルヒト

二人のデートっていうことが伝わってなかったのかな

ハルヒト

しかも今回は女子と男子に別れちゃって全然話せなかったし

アオシ

それでさ、お前に一つ報告があるんだけど

ハルヒト

なんだよ

アオシ

おれヒナノと付き合うことになりました

ハルヒト

あらあらソーナノ

ハルヒト

それはおめでたいことナノ

アオシ

ありがとう、俺お前の分もあいつのこと幸せにするから

ハルヒト

それはありがたいことナノ

アオシ

ああ

ハルヒト

ん？

ハルヒト

まって

ハルヒト

それはどういうことナノ

アオシ

コヒナタヒナノと付き合うことになりました

アオシ

今日の帰り道、駅で別れる前に呼び止められてさ

アオシ

告白されちゃった

アオシ

俺びっくりしちゃったナノ

ハルヒト

は！？

ハルヒト

へ？

ハルヒト

ちょっと待ってくれよ！

ハルヒト

夢？

アオシ

ヒナノナノ

ハルヒト

どういうことだよ！

ハルヒト

なんでそんな急に！

アオシ

なんか〜

アオシ

実は高一の時から〜

アオシ

俺のこと気になってたみたいで〜

アオシ

きっかけは〜

アオシ

俺が〜教室の花瓶を変えてるのを見かけたのがきっかけなんだって〜

アオシ

ほら〜俺風情を楽しむ感性の持ち主じゃん〜

ハルヒト

あれお前母の日にあげる花を教室からパチったからそこらへんに生えてたやつ代わりに刺してただけだろ

アオシ

まあ真実はそこまで重要ではないから

ハルヒト

なんだよこの展開ふざけんなって

ハルヒト

まじでないわ

アオシ

ごめんな、あんなに俺に勝ち確アピールしてたのに

アオシ

こんなに気持ちいい展開があったとはな

ハルヒト

買い物中にあんな可愛い笑顔見せられたらそんなん

ハルヒト

俺のこと好きだって思うじゃん

アオシ

あの笑顔はたしかに童貞の君には刺激が強すぎたかもしれんなあ

アオシ

ただな少年

アオシ

あの笑顔はあくまで世間一般の人々用の仮初の笑顔なのだよ

ハルヒト

は？

アオシ

俺だけに見せてくれたあの照れの入った顔…

アオシ

かああああわいかったなああああ！

ハルヒト

くそおおお！

ハルヒト

めちゃくちゃ悔しいの何これ

アオシ

お前は天の川をバタフライで泳いできた刺客に追いつかれたのだよ

ハルヒト

泳ぎ方が前よりテストステロンが増えてやがる！

アオシ

どんな気持ち？

ハルヒト

へ？

アオシ

今どんな気持ち？

アオシ

過去の俺らのトーク履歴を見返してみなよ

アオシ

自分の恥ずかしい大口が全部滑稽に見えるはずだよ

ハルヒト

くそが！

ハルヒト

過去の俺だまれ！

アオシ

俺結構寂しかったんだぜ？

アオシ

今まで長い間仲良くしてきたのに急に冷たく突き放されてさ

アオシ

俺たちの友情ってそんなもんだったのかよ！

ハルヒト

ごめんな…

ハルヒト

なんか俺ちょっと色々コヒナタさんに対して精一杯になってておかしくなってたわ

ハルヒト

ごめんな、これからも仲良くしてくれるか？

アオシ

ああもちろんだ

ハルヒト

ありがとう…

ハルヒト

やっぱりお前は最高の友達だ

アオシ

その代わりお前のことはこれから敗北者と呼ばさせてもらう

ハルヒト

このクソガキが！

〜後日談〜

アオシ

その後ヒナノとの交際が続き、さまざまなところへ一緒に遊びに行きました

アオシ

付き合って１年経った時、俺の彼女への気の使えなさや時間にルーズなことが原因で振られてしまい

アオシ

結局別れてしまいました

アオシ

今は敗北者とふたりで毎日放課後に公園で一生だべる生活を送っています

アオシ

やっぱり彼女より友達ですね

アオシ

ちなみにサッカー部はやめました

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タナカトシキ

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