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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

ウッド

くっ、があっ……

ウッドはアイオロスがいる〈ケメティエル〉の領域に無理矢理入り込む

ウッド

はぁはぁ…

視界の奥にはアイオロスがふわりと浮き、背後には領域の元となる〈ケメティエル〉が立っている

その頭上には死の花〈ベリアル〉、さらに上にクリファがあった

アイオロス

なんだと!

アイオロス

わたくしの〈ケメティエル〉に入り込むなんて…

ウッド

ようアイオロス女王

ウッド

世界を救いに来たぞ

アイオロス

世界を?もう手遅れなの分かっているのか?

ウッド

手遅れか?そんなのまだ分かんねぇだろ

ウッド

今からお前のところに行くからな!

アイオロス

クリファを壊そうというのか、そうはさせない

ドックンドックン

アイオロスの心臓の音が領域にまでも伝わる

アイオロス

さあ、終わりといこう!

ウッド

っ…どっからでもこい!

背後の〈ケメティエル〉から太い枝が伸びていく

アイオロス

〈ケメティエル〉──トフー!

太い枝が地を叩きつけ、領域内の大地を割り、巨大な津波を起こす

ウッド

津波!?どうやって起こしているんだよ!

ウッド

くっ……一か八か!

ウッドは動いている太い枝に掴まり、何とか津波を回避する

アイオロス

汚らわしい!

しかし〈ケメティエル〉が落ち着くわけがない

勢いよく左右に振り回しウッドを振り落とそうとする

ウッド

うわぁぁあああああああああ!?

ウッド

あっ……ヤバ

ウッドは掴んでいた手を離してしまい、地面に叩きつけられる

ウッド

がぐっ……

アイオロス

〈アティエル〉

ウッドに休む暇を与えず次々と種子を降り注ぐ

ウッドは避けきれず左腕に当たってしまう

ウッド

まっ……がぁ!?

ウッド

くっ…

アイオロス

運が良い奴

アイオロス

今度は存在ごと消して差し上げましょう

ウッド

んな事させるかっ!

ウッド

(俺様が今やられたらセフィロトと現実は終わってしまう!)

ウッド

〈サラマンダー〉!

しかし、能力は発動しない

ウッド

(奇跡起きてくれ!)

ウッド

〈ウンディーネ〉!〈ノーム〉!

ウッド

〈シルフ〉!

そう唱えていくとなぜか〈シルフ〉だけ発動した

ウッド

良かった〈シルフ〉だけ使える!

アイオロス

っ…どうして

アイオロス

貴方はクリファを失って能力が使えないはず!

ウッド

分からねぇけど運が味方してくれたのかもな

アイオロス

戯れ言を!

アイオロス

〈アティエル〉

ウッド

吹っ飛ばせ〈シルフ〉!

死の種子を風で吹き返そうとしたが

アイオロス

いい考えではあるが力の差ですね

ウッド

くそっ…!

圧倒的な力で押し返せず今度は右足に直撃する

ウッド

がぁっ……

アイオロス

これで動けませんでしょう

ウッド

うるせぇ、動け、動けっ!!

ウッド

(壊れてもいい、だから頼む1歩進んでくれ!)

アイオロス

しかも〈ケメティエル〉の法則に抗いましたわねぇ!

ウッド

っ……!?

〈ケメティエル〉の枝がウッドの胸元を貫く

ウッドはぴくりと動かなくなった

アイオロス

……これで消えましたか

アイオロス

あとは外にいる連中ですわね

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

地がゴゴゴと揺れ出す

セレナ

なになに!?

レトナ

〈ケメティエル〉の領域から誰か出てくる!!

〈ケメティエル〉から姿を現したのは

貫かれたウッドと宙を舞う魔王だった

エドガー

う…そだろ……

セレナ

うん…きっと……嘘よ!

アイオロス

嘘ではなく紛れもない事実ですわ

アイオロス

ウッドは死んだ、最後の希望は消え去った

レトナ

ウッドなんでだよ!

レトナ

まだ勝負は着いてないのに!!

アイオロス

絶望に満ち溢れてるその表情!

アイオロス

なんて素晴らしいの!

一同は絶望の表情を作り膝を付く

ただ1人を除いて

アルバート

諸君、魔導師がそう簡単にやられるわけないだろう

セレナ

まぎれもなく〈ケメティエル〉に貫かれてる

セレナ

もう全て終わりなんだよ

エドガー

そうさ、誰も魔王に勝てない

アルバート

本当にそうかね?

アルバートは貫かれてるウッドに問いかける

アルバート

聞こえるかウッド

レトナ

無駄な足掻き?アルバートらしくないや

アルバート

私は信じてるよ、まだ貴方の希望が失ってないことをね

アイオロス

見飽きたしそろそろ終わりにしよう

アイオロス

〈アティエル〉

アイオロスが死の種子を撒き散らそうとしたその時

ザクザクスパッ─

アイオロス

……なにっ!?

エドガー

アイオロスの様子が変だぞ!

アルバート

どうやら届いたみたいだ

ウッド

……させるかよっ!

ウッドが〈ケメティエル〉の太い枝を〈シルフ〉で切り尽くしていた

セレナ

ウッドが生きてる!

レトナ

もう、心配かけるなよ!!

ウッド

くっ……

アイオロス

あぁっ…おのれ!!!

アイオロス

〈ケメティエル〉──トフー

アイオロスは辺り一面の大地を火の海にさせる

レトナ

あっ、熱いよ!!

エドガー

ここから離れろ、焼け死ぬぞ

アイオロス

ようやく離れてくれましたか

アイオロス

〈ベリアル〉〈ケメティエル〉

アイオロスは再び能力でウッドとアイオロスだけの世界を作り上げた

アルバート

また2人っきりになってしまいましたか

アルバート

あとは彼に賭けよう

ウッド

……俺様はまだ動けるぞ

ウッド

ぐっ…がぁあああ!?

身体に貫いている枝をどうにか抜き取るも、その激痛に声を上げる

アイオロス

わたくしの〈ケメティエル〉を汚しよって!

アイオロス

殺せ〈アティエル〉!

辺りには死の種子

それが一斉に襲いかかってくる

ウッド

……くっ

ウッド

あぶねぇっ!

ウッドは足に力を入れて動かし、何とかギリギリ回避していく

アイオロス

すばしっこい奴め

ウッド

ならこれはどうだ?

ウッドは空に手を掲げると1本の箒を顕現させた

アイオロス

っ……それは!?

ウッド

こんな便利なものなぜすぐに使わなかったんだろうな

そしてすぐさま箒にまたがって空を飛ぶ

ウッド

これならっ……!

アイオロス

っ……!?

アイオロス

〈アティエル〉〈ケメティエル〉!

アイオロス

全力でクリファを守れ!!

ウッド

…切れるか〈シルフ〉!

ウッドはバランス良く箒の上に乗り、次々との枝を切り、回避をしていく

しかし、全ては避けきれない

ウッド

くっ……

ウッド

ああっ……ぐっそ!

アイオロス

(回復が間に合わないなんて…)

アイオロス

〈ベリアル〉急いで!

ウッド

はぁあああああああああああああ!

そしてウッドはクリファの近くまでやって来て、思いっきり箒から飛び降りた

アイオロス

なにっ!?

ウッド

これが最後だ!

ウッド

〈シルフ〉──テンペスト!

アイオロス

っは……!?

アイオロス

〈ケメティエル〉──トフー!

お互い凄まじい颶風を起こす

領域、地上、空気、そして人体など何もかも破壊しぶつかり合う

アイオロス

くっ…まだ抵抗する気か

ウッド

あたり前……だっ!

ウッド

俺はっ……死んでもみんなを助ける!

アイオロス

なら全て水の泡にしてやる!

〈ケメティエル〉が起こす颶風が強くなる

ウッド

がぁあっ……ぐっ…

ウッド

あぁあああああああああ──っ!?

アイオロス

あはははははははははははは

その颶風にウッドの身体は耐えられず皮膚が破け、肉が露になる

ウッド

ぁあああああああっ!

ウッド

俺様はまだ……っ

アイオロス

まだ耐えるか?!

ウッド

あがっ……ぐっ

ウッド

も……う…少しっ…

アイオロス

(このわたくしが押し切られる!?)

アイオロス

なぜこの者にっ!

ウッド

はぁああああああああああああああああああああああ!!

〈ケメティエル〉の領域は2人の颶風によって崩壊していく

バキバキバキッ──

瞬間、セフィロトは闇に覆われた

孤独に襲われ、苦しみ続け

生きる価値も失い、荒れ狂う日々

世界は、セフィロトは

そしてウッドは─────

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