宮西
......。

警察
とうとうお前を捕まえることができた。宮西。しらばっくれてももう無理だからな。こっちはしっかりと...

宮西
しらばっくれるつもりはありません。私は嘘をつくつもりもないし、逃げるつもりもないですから。

警察
....。

宮西
流石に警察もここまでくれば私を見つけると思っていましたし。でもまぁ私の作品は全て完成しました。とても素晴らしい人生でした。もう後悔はありませんよ?私は死刑ですよね?

警察
....お前がやったことは許されることじゃない...お前の部屋に残してあったこの日記を見るたびに、俺はお前に怒りと共に狂気を感じた。どうしてこんなことをしたんだ?

宮西
どうしてって言われてもなぁ。人生に後悔したくないんですよ。それは警察官さんも同じでしょう?たった一度の人生ですよ?これじゃ答えに...

警察
いい加減にしろ!!お前のやったことは、たとえやりたかったとしてもやっちゃいけないことだろうが!それはお前もわかっているはずだ!お前に殺された被害者の方々や周りの人達はお前のせいで人生が狂わされたひとだっているんだ!わかっているのかよ!!

宮西
はい。勿論。本当に申し訳ないと思っていますよ。だって自分の子供や恋人、大切な人を殺されるのは辛いことじゃないですか。だから私も本当に可哀想だとおもいます。そういう人達のことを考えると涙が出そうになりますし。

宮西は本当に演技とは思えないほどの悲しくとても苦しそうな顔で喋り続ける。警察はそれを見ながらゾワっとした感覚と心臓の音が身体全身に伝わってくるのを感じた。
警察
この...サイコパスが....

宮西
はぁ....でた。サイコパスって言葉嫌いなんですよね。まるで自分たちは普通で少数派の意見や思考に対して否定しているようで。どっちがサイコパスなんだか...。
っと...まぁそれはいいです。
それより...その日記。全部見ていただけましたでしょうか?

警察
あぁ....胸糞悪くなったよ。おかげさまでな。

宮西
私の作品に胸糞悪くなったなんて言わないでくださいよ。とても美しいじゃないですか。私はね、全ての作品に対して愛を持っているんです。自分の命を削って神経を削って一つ一つの作品を作り上げていく。こんなに素晴らしいことはないですよ。

警察
うるせぇ....!こんな自分が殺した死体の事を書いたノートのどこが美しいんだよ!!!ふざけるな!!

警察は思わず宮西を殴りそうになる右手をなんとか鎮めようとその震える右手をテーブルに叩きつける。
宮西
...!

警察
はぁはぁ....これからお前がした事を全部話していってもらう....ノートのことをを一ページ目から終わりまでな....それでこの胸糞悪りぃ事情聴取は終了してテメェは刑務所行きだ...

その言葉を聞いた瞬間宮西はまるで子供がクリスマスプレゼントを目の前にしたかのような目になり、口を開いた
宮西
はい。私も是非誰かに私の作品の作り方やそれまでの過程を聞いて欲しかったんです!
だって...こんなに素晴らしいものが僕だけで終わってしまってはいけないと思うんです。

警察
....。

宮西
ほら、私にみたいな人がこれ以上でてきたらいけないじゃないですか?また被害者や悲しむ人達が増えちゃう....それは許せないですし...でも、ここであなたが私の話を全て聞いて、情報を世間に広めてくれれば、私みたいな興味のある人達は私の作品を見て満足してくれる!そしたらそれに満足して、作品作りなんてしないじゃないですか!

宮西
私だってしたくなかったですよ!でもしょうがないじゃないですか。だって一度きりの人生やりたいことをやりましょうってよく言うじゃないですか。だから私もと思って。決心しちゃいました。

警察
....。

宮西
でも確かに気持ちいいですね。後悔のしないようにやりたいことをやるって。私の人生は充実したものになりました!今すごく満たされてるんですよ...!だから...!

警察は興奮して話し続ける宮西を遮るように机を両手で大きく叩き宮西の目を突き刺すほどの目線で睨みつける
警察
!!!!!!!!!
うるせぇ!!!とにかくノートの話を始めろ!!!!テメェの考えなんてききたくねぇんだよ!!!!

宮西
......はいはい。失礼しました。
じゃあ最初になぜこんな事に興味を持ったかから....あれは....
