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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

白立田寛平

月を見て思い出した。怖い話

光崎史雪人

怖い話とは?

飯沢乱丸

お前に怖いもんあるの?

白立田寛平

いやあれは結構怖いよ

揺らめく蝋燭の横で白立田は語る

白立田寛平

深夜二時頃かな。俺が寝る丁度に、森から呻き声が聞こえてきたんだ

飯沢乱丸

んなのよくある話じゃねーか。獣だろ?

白立田寛平

うんん。人の声だよ。しかも長くて不快な声

白立田寛平

まるで音痴の歌がさらに音痴になったような...

光崎史雪人

(え。それって...)

光崎史は温泉の件を思い出す

飯沢乱丸

なんだぁそれ?

白立田寛平

ちょっと例えが分からなくて。それぐらい気持ち悪い声なんだよ。あんなの、人が出すもんじゃないって

飯沢乱丸

へー。聞いてみてぇな

光崎史雪人

(もしや飯沢さんでは?でも間違えたら失礼...間違えなくても失礼かな)

白立田寛平

世の中には色んな声帯があるけどさ...。俺みたいな綺麗な声が出せなくてもこう、限度というものがあるじゃない?あれを聞くと眠れないからさ...通報ものだよね

飯沢乱丸

探してやろうか?二時つったら俺、よく森に居るわ

白立田寛平

ああ。そういえば森で寝るんだっけ?この季節は風邪ひくよ

飯沢乱丸

体が丈夫だから平気だぜ

白立田寛平

(...ん?よく森に居る...)

白立田は何かを察した顔になる

光崎史雪人

(ダメです白立田さん。気付かないふりをしてください)

光崎史は白立田にアイコンタクトを送るが、彼は全く気付かなかった

白立田寛平

...君。森で歌を歌うのかい?

飯沢乱丸

歌うよ。けど俺は美声だからな。その犯人とは違う

白立田寛平

へー。君が歌う所聞いたことがないな。是非今聞かせてくれ

飯沢乱丸

おう!しゃーねーな!

飯沢は嬉しそうに立ち上がり歌おうとした

光崎史雪人

や...!

飯沢乱丸

オォオオオレェエエハ強いィィィーーー!!せかいじゅうウノオオオ誰よリィいいいもーおオォオオオーー!!!

歌で一部の障子が破けてしまった 白立田と光崎史は耳を塞ぐ

白立田寛平

...おーけー。とりあえず黙ってくれ乱丸!!

飯沢乱丸

あ?なんだよまだ途中だぞ

白立田寛平

犯人が分かったよ。これから夜に歌わないでくれ

飯沢乱丸

え?誰が犯人?

白立田は刀を握ろうとしたので、光崎史はすぐに止めてその場を制した

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