白立田寛平
月を見て思い出した。怖い話
光崎史雪人
怖い話とは?
飯沢乱丸
お前に怖いもんあるの?
白立田寛平
いやあれは結構怖いよ
白立田寛平
深夜二時頃かな。俺が寝る丁度に、森から呻き声が聞こえてきたんだ
飯沢乱丸
んなのよくある話じゃねーか。獣だろ?
白立田寛平
うんん。人の声だよ。しかも長くて不快な声
白立田寛平
まるで音痴の歌がさらに音痴になったような...
光崎史雪人
(え。それって...)
飯沢乱丸
なんだぁそれ?
白立田寛平
ちょっと例えが分からなくて。それぐらい気持ち悪い声なんだよ。あんなの、人が出すもんじゃないって
飯沢乱丸
へー。聞いてみてぇな
光崎史雪人
(もしや飯沢さんでは?でも間違えたら失礼...間違えなくても失礼かな)
白立田寛平
世の中には色んな声帯があるけどさ...。俺みたいな綺麗な声が出せなくてもこう、限度というものがあるじゃない?あれを聞くと眠れないからさ...通報ものだよね
飯沢乱丸
探してやろうか?二時つったら俺、よく森に居るわ
白立田寛平
ああ。そういえば森で寝るんだっけ?この季節は風邪ひくよ
飯沢乱丸
体が丈夫だから平気だぜ
白立田寛平
(...ん?よく森に居る...)
光崎史雪人
(ダメです白立田さん。気付かないふりをしてください)
光崎史は白立田にアイコンタクトを送るが、彼は全く気付かなかった
白立田寛平
...君。森で歌を歌うのかい?
飯沢乱丸
歌うよ。けど俺は美声だからな。その犯人とは違う
白立田寛平
へー。君が歌う所聞いたことがないな。是非今聞かせてくれ
飯沢乱丸
おう!しゃーねーな!
光崎史雪人
や...!
飯沢乱丸
オォオオオレェエエハ強いィィィーーー!!せかいじゅうウノオオオ誰よリィいいいもーおオォオオオーー!!!
歌で一部の障子が破けてしまった
白立田と光崎史は耳を塞ぐ
白立田寛平
...おーけー。とりあえず黙ってくれ乱丸!!
飯沢乱丸
あ?なんだよまだ途中だぞ
白立田寛平
犯人が分かったよ。これから夜に歌わないでくれ
飯沢乱丸
え?誰が犯人?
白立田は刀を握ろうとしたので、光崎史はすぐに止めてその場を制した